NEWS

連載【世界で見つけたヒップでポップなスーベニア。~カリフォルニア編~】Vol.7 ワッツエリアの課題解決に本気で取り組むWLCAC。

ネットがあれば、たいていのものが買えてしまう時代。だからこそ、その場所でしか買えないモノに、どうしてもグッときてしまう……。「ZOZOVILLA」がスタートさせた「CITY WALK PROJECT」は、世界各地にあるヒップな街と店にフォーカスし、そこでしか取り扱われていないアイテムをリリースするプロジェクト。現地まで足を運ばなければ手に入らなかったアイテムが、いまだけ特別に、「ZOZOVILLA」で。

第1弾でフォーカスする街はカリフォルニア。「CALI WALK」と題し、現地8つの店舗のアイテムを販売します。今回は、ロサンゼルスの南に位置するワッツ地区で地域の課題解決に取り組む団体「WLCAC」が、「CALI WALK」のために特別に作ってれたアイテムをご紹介。

Photo(ITEM)_Takeshi Kimura
Text_Marugoshi Kimura
Edit_Yosuke Ishii


ロサンゼルス最危険地帯を再生させる。

ガイドブックなんかで見ると「立ち入りは危険」と書かれている、サウスセントラルLA。ハリウッドやサンタモニカのキラキラした雰囲気とは違い、ここは観光客は皆無だし、ローカルたちもうかつには足を踏み入れない。ひとり歩きなんてもってのほか。

昔からギャングの抗争が激しくて、2000年代に入ったいまもそれは変わらず。貧困層も多く、ホームレスも多い場所です。

一方で、そうした場所では文化が育つもの。表現の自由が強く根付いていて、特に音楽の分野ではアイス・キューブやドクター・ドレ、ケンドリック・ラマーもこのあたりで生まれ育っています。

「WLCAC(Watts Labor Community Action Committee)」は、サウスセントラルにある一角、ワッツ地区で社会貢献活動を行う慈善団体です。設立されたのは1965年。

いまだに治安はよくなくて、貧困が蔓延していて、働き口も少ない。あらゆる社会問題に直面しているワッツを改善すべく、「WLCAC」はずっとサポートをし続けてきました。

そんな彼らの代表的ともいえる活動が「Mudtown Farms」と「Watts on Wheels」のふたつのプログラムです。


日本への敬意も込めた、ふたつのアイテム。

「Mudtown Farms」は、サッカーグラウンド2つ分の畑で行う農業のトレーニングプログラム。いまは地域住民と共に、レタス、トマト、玉ねぎ、ピーマン、果物などを栽培しています。その様子は、ワッツの豊かな歴史を描いたエミー賞受賞のドキュメンタリー映画『10 Days in Watts』でも取り上げられました。

助成金付きの見習い制度や土地の利用権などを付与したり、雇用を確保し、地域の食料安定性を高める役割も担っています。

もうひとつの「Watts on Wheels」は、若者に安全なスケートボード場とトレーニング施設を提供するプログラムです。そのかいあって、ワッツではスケート文化が一層育まれ、プロも多数排出しています。2028年にロサンゼルスで開催されるオリンピックでは、ここから巣立った選手が参加する可能性もあるといいます。

そんな団体が、なぜ「ZOZO」とコラボレーションをすることになったのか。

実は1940年代、ワッツには日本人移民が入植した歴史があり、「Mudtown Farms」で使われている土地も最初は日本人の手によって耕作さました。「日本人移民が残してくれたものへの感謝の意味も込めて、このコラボレーションを実現しました」とは「WLCAC」の担当者。

そして、リリースされたのは上記で紹介したプログラムをモチーフとした2アイテムです。

Watts Culture for CALI WALK S/S Tee ¥9,400

このTシャツは「Mudtown Farms」の名前を左胸に、「WLCAC」の住所を裾にプリント。背面には、トマトの根と地図が描かれています。日本人とアフリカ系アメリカ人の農業の歴史的つながりを表現し、地図はワッツからダウンタウンLAにあるリトルトーキョーを繋いでいます。

Watts Culture for CALI WALK Watts on Wheels Hoodie ¥15,000

「Watts on Wheels」で使用しているスケートパークは、スケートボードの神とも称されるトニー・ホークが設計。それをモチーフにデザインされたのがフーディです。笑顔のキャラクターは、スケートパークに流れるフレッシュなエネルギーを表現しています。

「WLCAC」の力もあり、ここ数年、サウスセントラルには新しい変化の波が来てます。若いアーティストや起業家たちが、古い倉庫をギャラリーに変えたり、新しいコミュニティスペースを作ったり。

クリエイティブなエネルギーが集中するのは、いつだって周りから見放され、こうしたエリアです。

実際に行って応援することは現時点ではおすすめできないので、いつか安心して観光できるようになるまでは、間接的に、着て応援していきましょう。

INFORMATION

CITY WALK PROJECT
in ZOZOVILLA

Instagram:@caliwalk_official@zozovilla_official
zozo.jp/event/zozovilla-citywalkproject

TOP > NEWS

関連記事#ヒップでポップなスーベニア

もっと見る