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南井正弘Freewriter&Sneakerologist1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

履けばわかるさ、着てもわかるさ

南井正弘
Freewriter&Sneakerologist

1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドに10年勤務後ライターに転身。主な著書に「スニーカースタイル」「NIKE AIR BOOK」などがある。

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今日のスポーツ@パタヤ

2009.07.14

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「立ち技最強」として紹介されることが多いのがタイの国技であるムエタイ(現地の発音はムアイタイに近い)。小学6年の頃より毎月買っていた「ゴング」という格闘技雑誌に、タイの試合結果を伝えるコーナーがあったりして、二大殿堂のルンピニーとラジャダムナンのランキングをチェックするのは楽しみの一つでした。「いつかは本場のジムでトレーニングしてみたい」そんなことを考えていたけど、あっという間に30年経過してしまいました。これを逃したらチャンスはないと思い、門を叩いたのがパタヤにあるフェアテックス スポーツ&ラケットクラブ。格闘技用品で知られるフェアテックスが運営するムエタイトレーニングキャンプで、宿泊施設やトレーニング施設も充実しています。

まずは自分のペースでサンドバッグを5ラウンド程度叩いたあとで、トレーナーにミットを持ってもらいます。毎日午後6時から8時は、3ラウンド分は無料でトレーナーが相手をしてくれます。蹴りはほとんどやったことがないので、フォームをかなり矯正されるも、パンチはかなり褒められました。特にストレートのパンチ力は。あとに待っている人間がいなかったので、結局5ラウンドミットを打つことになったけど、これがかなりキツイ。持久力に加えて瞬発力が必要なので。ハーフマラソンよりもキツイですね。素人相手に指導がキビシイと思ったら、経験者と勘違いしていたようです。プロと混じって2時間半のトレーニングを800バーツ(約2400円)で受けられるけど、かなりレベルが高そうだし、研究もしたかったので、今回は3日間自分のペースでサンドバックを殴ったり蹴ったりすることにしました。毎日12ラウンドづつ、合計すると40ラウンド近くになり、脛の部分は内出血で紫色に変色したけど、最終日になると蹴りもかなりいい感じで打ちこめるようになりました。

ここはオランダやアメリカはもちろん、フィンランドやイタリアのように世界中からトレーニングに来ているけど、なんといっても注目すべきはトップレベルのタイ人選手のトレーニング。ノーモーションから繰り出される高速のミドルキックは、ムチのようにしなりミットに叩き込まれます。あと首相撲からのヒザ蹴りもエグイ音を響かせていました。練習の多くはこの二つに費やされます。というのもムエタイではローキックやパンチのポイントは低く、ミドルキックとヒザ蹴りに高ポイントが与えられるので。パンチは手打ちっぽい選手が多いですね。パンチ力といい技術といい、日本の魔裟斗やオランダのアルバート・クラウスのほうがあきらかに上だと思います。逆に蹴りの技術は外国人が追いつくのは難しいでしょうね。毎日の練習に加えて、彼らには子供の頃から数百戦という実戦経験があるので。体の力が抜けているのに、瞬間的に力が入り、キックがよく走ります。

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トレーナーのペンと自分。5ラウンドのミットトレーニングがこんなに辛いとは...。

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4面のリングを完備。K1参戦選手やアタチャイ・フェアテックスといった名選手もこのリングで練習しました。

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大小様々な形状のサンドバッグ。ここで黙々と練習していました。パンチは他国から来た選手にも褒められました。逆にキックは教えてもらったり。


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ロッククライミングも無料で楽しめます。

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スポーツ楽しみ放題で朝食のブッフェがついて、1泊スタンダードルームなら2800円です。
フィットネスジムもあり、トレッドミルでランニングも楽しめます。

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フェアテックス主催のムエタイの告知ポスター。

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パタヤはバンコクから高速バスで2時間強。元来はベトナム戦争の兵士の保養地として発展した経緯があるので、現在もアメリカ人を始めとしたファラン(白人)の観光客が多く、アジア人は少ないです。昔友人のE.I.や後輩のH.S.とS.I.たちが武勇伝を作ったのもこの地です。彼らが遊んだ20年近く前は、ホンダのスーパーカブがレンタルバイクの定番だったらしいけど、今はスクータータイプが一般的です。

中学高校時代の憧れの選手であるディーゼルノイ・チョルタナスカン。フェザー~ライト級で活躍していた選手にしてはかなりの長身(184cm)から繰り出されるヒザ蹴りで連戦連勝。強すぎて相手がいなくなり引退した伝説の戦士です。それにしてもスゴイヒザ蹴りです。ちなみにパンチは打つのも打たれるのも苦手でした。ムエタイルールでは、もう一人の天才、あのサーマート・パヤカルン(元ボクシングのWBCジュニアフェザー級チャンピオン)も勝てませんでした。

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