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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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原宿での出来事

2006.04.24

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昨日の日曜日、原宿駅前の渋滞にはまっていた。完停していたところ、対抗車線側(つまり運転しているぼくの右手ですね)の渋滞を抜けて子連れのお母さんが道路を横断しようとしている。その向こうから中央線のクルマとクルマの間隙をぬぐって一台の自転車が下り坂を利用して猛スピードでこっちに向かっている。自分から見て完全にコリジョンコースに入ったタイミング。危ないと叫んだ1.5秒後、この自転車の男とお母さんが衝突。男は吹っ飛び、ぼくのクルマに激突。お母さんも反動で吹き飛ばされ、道路に投げ出された。


しのふる雨の中、3秒くらい呆然とした自分であるが、サイドブレーキを引き、そのままに道路に飛び出た。まずはお母さんと子供の様子を見る。幼稚園児くらいの女の子は泣きまくっているが、ケガはなさそうだ。しかしお母さんを見ると、口から血を流し、意識はあるもののショックと痛みで経つことが出来ない。ほとんどの人は野次馬化し、遠巻きに様子を見ているだけだが、ひとりの女性がやってきてお母さんの助けを始めた。


そこでぼくはこの自転車の男に向かい、「危ないじゃないか」と言ったところ、男は「ここは車道だよ」などと訳の分からない言葉を繰り返すばかり。ショックと多くの人々の注目を浴びているもんだから気が動転しているようだ。


ぼくのクルマの後ろは大渋滞。かといって道路脇も路駐のクルマでびっしりなので寄せることもできない。自分のクルマにも大したダメージはないし、お母さんも気を取り直しているようなので、男に一喝し、その場を後にした。この男、20過ぎくらいのまあ、原宿にいそうなタイプの兄ちゃん。たったひと言も謝罪の言葉がなかった。自分自身も突然怒った出来事にうまく頭が回転せず、及第点の対処ではなかったかも知れない。後になって、やはりクルマを先の方へ留め、現場に戻り、警察を呼んで、事故として処理させた方が良かったと後悔。しかしぼくのクルマには家族が全員同乗していたので、ロングな取り調べに協力ほどの時間の余裕もなかったのである。


ヘルプの女性がしっかりした人だったので、きっと警察を呼んでくれただろう、と思うもののやはり後味は悪い。


突然降って湧いた、こちらに過失のない出来事で、ものすごくイヤな気分にさせられるというのも割に合わない。しかしこれが社会生活であり、人生なのだろう。


池袋駅で暴漢に殴られ死亡した青年の父親が、犯人逮捕に向けて執念でビラをくばったりして、通行人の捜査協力を求めているというニュースが最近目にする。青年が暴行を受けたのは駅のホームで、周りには何十人、何百人の目撃者がいた。にもかかわらず、犯人は逃げのみ、青年は初動の手当が遅れ、帰らぬ人になった。そんなニュースを思い出しながら、ああ自分も大したことないな、と考えてしまった日曜の午後5時なのであった。

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