クルマ - 代官山通信（蔡 俊行）

　なんか無性にクルマを買い換えたい。いまのクルマはもう4年も乗っている。特に不満があるわけでもないし、直線では異常に早いし(確か352馬力！）、足回りも強化されているしブレーキも超強力なのでそれなりに面白いのだが、いまいちパッとしない。要するに飽きたというところだ。
かといってあまり欲しいクルマがあるわけでもなく、だらだらと無為に日々を送っている。
そこでやはり環境のことも考えプリウスに乗り換えようと思ったら、平野が大反対するのである。おれはいいと思うのだがなあ。
元はと言うと自分はエンスー派だ。バイクにはじまり、クルマも昔は古い味のあるものを乗り継いできた。出先でバッテリーが上がるとか、水漏れが始まるとか、クーラーが突然逝くとかいろいろ思い出はある。銀座四丁目の交差点の真ん中でエンジンがストップした時の焦りはいま思い出しても生々しい。角に交番があるが、警官はおれひとりでクルマを押しているにもかかわらず、手伝ってくれるどころか交通を整理することさえしなかった。
なのでしばらく新車にしてきたのだが、ここへきてむくむくと昔の趣味がフラッシュバックのように蘇ってきた。ナローポルシェでもちょっと物色しにいってみようかあ。