コントラスト - 代官山通信（蔡 俊行）

　奈良で妊婦さんが病院をたらい回しにされ、胎児が亡くなったというニュースを見て、いろいろ感じることがある。詳しいディテールはまだ発表されていないから分からないけど、人の劣化が問題の根底にあるような気がする。救急車の中の人ももうすこし気を利かせるとか、もう少し粘るとかすれば助かったのではないかと思う。事実はどうか分からないけど。
日常暮らしていて、若い人たち、特にサービス業種の人々の劣化について呆れることもしばしば。良きサービス提供者は良きサービス享受者である、と誰がいったか忘れたが、彼らも文明社会で暮らしているのだからそれなりのサービス享受者であったはずだ。その経験を他人に提供できないというのは、学習能力が備わっていないからなのか、それとも気がつかないからなのか。
レストランやショップでのサービスは生命の危機に直結しないからいいようなものの、今回のような救命を要す事態でこうした使えない人間が幅を利かせているという事実にぞっとする。
被害者遺族の方々の無念を思うと、いたたまれない気持ちだ。
以前、うちにいたスタッフ二人に今月子供が生まれた。どちらも元気の良い男の子だ。
そのコントラストはとても顕著。
一体、国の少子化担当大臣は一体何をしているのだろう。最も使えない人間をトップに頂く国民の不幸をさめざめと嘆くしかない。