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蔡俊行フイナム発行人ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

代官山通信

蔡俊行
フイナム発行人

ファッション関係のマーケティング全般に関する仕事が主業務。WEBマガジン「フイナム」の発行主。

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ペット・サウンズ

2008.09.18

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 昨日、渋谷に買い物に行ったのだけど、街はB'zに占領されていた。新譜か何かが発売されたらしく、タワーレコードの前で呼び込みのお兄さんがCDを買ってくれと叫んでいた。どういうわけか悲壮感すら漂っている。
その脇をスルーして上のフロアへ。目当てのCDを買うついでに3枚余計なCDの会計を済ませそそくさと店を後に。タワレコの隣の空き地に塀が建っているだが、それもB'zの写真が転写されていて、その様子を必死で写メで撮影するちょっとイタい感じの女性たち。なんなんだろう。そういうのがレアなのか?
買ったCDは、ビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」。中学生の頃、LPを買ってそれっきり。やっとCDを買うことにした。
実は以前に新潮クレストブックスの「ペット・サウンズ」(ジム・フジーリ著、村上春樹訳)を読んで聞き直したいと思っていた。それがやっと重い腰を上げてタワーレコードへ行けたというわけ。一体、何ヶ月かかっているのだろうか。まあ、全曲知っているのでそう慌てることはないという意識のせい。
それにしてもやはり名盤である。これまで人類が発表したポップソングレコードの最高傑作はビートルズの「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブバンド」と言われるがその双璧と巷間言われ続けているのがこの「ペット・サウンズ」である。
ずっとなんとなく聞いていたけど、ジム・フジーリの著作を読んで詳しい背景などを知り、また興味が再燃した。こんな風に音楽を聴く楽しみもあるのだなあ。
いわゆるサーフィン、ホットロッド、カリフォルニアガールなイメージのビーチ・ボーイズサウンドではなく、かなり内省的な歌詞でブライアン・ウィルソンのソロアルバム的な側面も持つ。
“ゴッド・オンリー・ノウズ"などはかなり日本でも知られているので若い人も知っているかも知れない。このアルバムを聴いて「ラバー・ソウル」を作ったビートルズのポール・マッカートニーはこの曲の旋律すべての楽曲の中でナンバーワンと言い放ったそうだ。自分自身もこの曲がとても好きである。
昨日の深夜、帰宅後このアルバムを聴きながら「チャイルド44」の残りを読んだ。曲と本の内容のミスマッチはなんのその、やっぱりこのミステリーは面白かった。ちょっと最後の物語の収斂する部分に無理矢理感というか不満は残ったが、こんなに興奮して楽しめたミステリーは久しぶりだった。
なんだか読了するのがもったいないというか寂しかった。
同著者の新作も書き上がっているというからその出版に期待しよう。
さあ、今日から「フロスト気質」。

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