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小嶋享County Line Showroom代表元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。www.countyline.jpinspirationla.com

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小嶋享
County Line Showroom代表
元フリーライター、現在「County Line」ショールームの管理人。19年ぶりの日本に戸惑いながら、恵比寿にアメリカンスタイルのショールームをスタート。毎年2月にカリフォルニアで開催されるヴィンテージファッション・イベント「Inspiration」のメディアディレクターも兼務。

www.countyline.jp
inspirationla.com

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せめてお名前を。

2012.01.24

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昨夜23時。
帰宅途中。
天気は雪。

いつもの交差点で信号待ち。
通りの向こう側を歩く酔っぱらいを発見。

コケた。つるんとコケた。

立ち上がった。足下がおぼつかない。

またコケた。電柱に頭を打った。

酔っぱらい、うずくまる。そして、信号が青に変わった。

すぐさま、酔っぱらいの元に駆け寄り、安否を確認。

推定70歳のおじいさん。泥酔。おでこに血が滲んでいる。

まてよ? 少し前にも同じようなことがことがあったな? 昨年末、後頭部から血を流す酔っぱらいに遭遇し、警察を呼んだ記憶が蘇ってきた。しかも、事件現場は同じ交差点だ。

深夜。同じ交差点。頭から血を流すおじいさん。泥酔。二つの事件がシンクロする。

神様に試されているのか?

とりあえず、おじいさんに話しかける。

俺 「もしもーし、大丈夫ですか〜?」
泥 「あんだって?」

ダメだ。完全にできあがっている。会話が成り立たない。大声でもう一度話しかける。

俺 「おじさん、頭大丈夫? 血が出ているよ。家はどこ? 家族は? 救急車呼ぼうか?」
泥 「家、すぐそこだから。大丈夫、大丈夫」

そう言いながら起き上がり、またコケた。ダメだこりゃ。

俺 「おじさん、家近いんでしょ? 送っていくから、場所教えて」
泥 「あ、そう? わりぃね〜。家こっち」

泥酔じいさんが指さす方角は俺の家とは逆方向。

神様に試されているのか??

俺 「いいよ、家まで一緒に行くからちゃんと歩いて」
泥 「わりぃね〜」

俺の腕につかまる泥酔ジジィ。まるで、付き合って3ヶ月のカップルのように腕を組み、寄り添う俺と泥酔ジジィ。こいつ、確信犯のオカマじゃねえだろうな?

深夜23:30。暗闇の中、腕を組んで歩くおじいさんとおっさん。異様な光景だ。人通りが少ないのがせめてもの救いだ。

どうやら、神は俺を試しているらしい...。

雪は降り続く。俺は傘を差している。泥酔ジジイには雪が降り注いでいる...。

やっぱり試されている。

泥酔ジジイに傘を差し伸べる。

深夜23:32分。泥酔ジジイと俺 in 相合い傘。異様過ぎる光景。出会ったのが運の尽き。はぁ〜。

歩くこと10分。泥酔じいさんの家に到着。修行の旅が終わった。

泥酔じいさんは家の前で、深々とお辞儀をして、何度もありがとうと言ってくれた。そして、最後に一言。

「せめて、お名前を」

はぁ? おっさん、時代劇の観すぎか? まさか、この"定番の台詞"をこの耳で聞くことになるとは。

そう聞かれたら、答えは一つしかない。

「名乗るほどの者ではございません」。

なんだこのダサイやり取り? 恥ずかしすぎる。顔が真っ赤かになった。

じいさんと別れて、再び家路に着く。そしていろいろ考える。じいさん、大地主だったりして。家は結構でかかったな。名刺を渡しておけばよかった。など。

いつもの交差点。また、酔っぱらいに遭遇したらどうしよう。

County Line Showroomの公式ウェブサイト、近日公開します。
木彫りロゴ.JPG