長く使うためには、まず愛着を持つこと。
―〈スピングル〉は、すべての店舗や通販をとおして、ソールの修理はもちろん、かかとの内側の擦れた穴や剥がれた部分なども、可能な限り直して長く履けるシューズです。浅野さんの私物で、修理やメンテナンスをしながら長く使っているものはありますか?
Asano: 仕事道具は消耗品なので、調理道具はわりと買い替えてしまうんですが、包丁はずっとメンテナンスして使っています。「美菜屋」をはじめるときに、浅草の「釜浅商店」でつくってもらった包丁があって、いまでも手入れをしながら使い続けています。
―あと、愛媛のご自宅も古民家でしたよね?
Asano: はい。愛媛の築100年の古民家をリフォームして住んでいます。何でも長く使い続けるには、手を加えたり、改善したり、リフォームしたり、そういう作業が必要なんですけど、その行為自体が楽しいんですよね。包丁を研ぎに出したり、家を直したり、そういう手を加えることが、そのまま楽しさに繋がっている気がします。
―なるほど。しかも、直して使うこと自体を楽しめたら、なおさらいいですよね。
Asano: そうだと思います。そのためには、まず愛着を持つことがすごく大事で。包丁もオープンのときにつくったものだから思い入れがありますし、愛媛の家も代々家族が住んできた歴史があるから愛着がある。だから直して住もうと思えるんですよね。このシューズも、さっきのお話を聞いて、すごく愛着が湧いたので、これから修理しながら長く履いていきたいなと思いました。
―ものを選ぶときのこだわりは、何かありますか?
Asano: なんだろう…感覚的に、“そのとき一番テンションが上がるもの” ですね。お弁当も、開けた瞬間にテンションが上がるものにしたいというのは、ずっと大事にしていることですね。
―浅野さんといえば、フルマラソンを何度も完走されるくらい、ランニングのイメージもありますが、普段のシューズはどういう基準で選んでいますか?
Asano: 一番は、快適さです。ランニングシューズは走る用なので、日常の歩き方にはちょっと合わないことも多くて。なので、普段はランニングシューズ以外のスニーカーを履いています。私は足が少し大きめなので、靴擦れしないか、快適に歩けるかどうかで選ぶことが多いですね。
その点、このシューズはカンガルーレザー特有の柔らかい履き心地で、足が包まれているような感覚でした。聞いたところ、つま先が少しだけ上がっているらしくて、歩きやすいのはこのカーブのおかげかなと。あとは、履き口のゴムのおかげで、脱ぎ履きもすごくラクでした。
―この靴のデザイン面についても、印象を聞かせてください。
Asano: デザインにも高級感があって、普通のスニーカーよりいろんな服に合わせやすいので、日常使いもしやすいと思いました。このカンガルーレザーって、経年変化はあるんですか?
―カンガルーレザーは、あまり大きく経年変化しない素材なので、ブラッシングだけで新品に近い状態を長くきれいに保てるそうです。あと、オーストラリアのカンガルーの革を使っているのですが、現地では気性も荒い害獣扱いで、政府によって駆除されたカンガルーの革を利用しているそうです。
Asano: それを知れてよかったです。やはり日本ではカンガルーはかわいい印象が強いので。あとレザーをきれいに保つのってちょっと難しいイメージがあるので、それは嬉しいですね。あと、この丈感が絶妙でした。
―こういったミドルカットやハイカットも、普段から履かれますか?
Asano: 履きますけど、どうしても脱ぎ履きが大変なので、避けがちですね。でも今回は本当に快適で、飛行機の搭乗前のセキュリティチェックで引っかかっても、サイドゴアのゴムのおかげでスッと脱げたので助かりました。前に並んでいた方がミドルカットのブーツで、脱ぐのにすごく時間がかかっていて、「この差、すごい…」って思いました。
―今日は、ご自身の服で合わせていただきましたが、スタイリングのポイントを教えてください。
Asano: 最近、黄色を見るとテンションが上がるので、今日は黄色のスカートに合わせて、マニキュアも黄色寄りの色にしました。あとはレザーと相性がいいかなと思って、古着のジャケットを合わせています。
―このシューズを、今後どんなシーンで使っていきたいですか?
Asano: 近所にサッと出かけるというよりは、ちょっと遠出をするときのお出かけ用に履きたいですね。旅行にもすごくいいと思います。軽くて持ち運びもしやすいし、脱ぎやすいし、なにより歩きやすいので。それにレザーなので、どこに行ってもある程度きちんとして見えるから、この一足でいろいろなシーンをカバーできると期待しています。
―最後に、これからの「美菜屋」でやっていきたいことを教えてください。
Asano: そうですね。“食でも元気になって笑顔になる” というところは、これからもずっと大事にしていきたいです。そのうえで、一般の方にもテイクアウトで気軽に来ていただけるような形も、今後つくっていきたいなと思っています。私たちは “プロの料理人だけのチーム” というわけではないので、感覚の違いはそれぞれあると思うんですけど、そのなかでもサービス力と対応力を大事にして、選ばれ続ける存在でありたいなと。
例えば撮影の現場って、急に人数が変わったり、スケジュールが早まったり、本当にいろんなことが起きるんです。その都度、できるだけ寄り添って対応することで、「美菜屋」に頼めば安心と思ってもらいたい。そうやって、これからもお仕事を続けていけたらいいなと思っています。