PROFILE
2009年「1LDK」に参加。2016年から2021年11月まで、同店のクリエイティブディレクターを務め、2018年にショップとホステルの複合型ショップ「ソウ ショップ & ホステル
ナカメグロ」を立ち上げる。2022年に「1LDK」を独立し、自身のブランド〈エブリワン(everyone)〉を立ち上げ、同年11月に祐天寺にアポイント制のショップをオープン。
Instagram:@ryomiyoshi
自分の空間づくりに欠かせない、聖なる木。
ーてっきり三好さんはファッションアイテムをご紹介されるものだとばかり思っていたので、パロサントは少々意外でした。
Miyoshi: “エッセンシャル”というお題をいただいたときに、時計やニットといった普段身に着けるモノも色々と考えたんです。ただ改めて「エッセンシャルとは?」と自分自身を見つめ直した際に脳裏に浮かんだのが、毎日使っていて、旅先にも持っていく。そんな日々の生活になくてはならないコレでした。
ー2021年にポッドキャストでパロサントについてお話しされていましたよね。その際に、「最初の出会いはフランスで」とおっしゃっていました。
Miyoshi: はい。出会いのタイミングでいうとラジオ収録時よりも、さらに数年前。前職の頃に、パリで開催された友人のブランドの展示会で初めて見かけたんです。で、パロサントというモノだとは教えてもらったんですが、そのときは「へぇ〜」ってくらいで。
ーそのときはまだ、ピンとはきていなかったと。
Miyoshi: その後、ニューヨークや海外のカルチャーに詳しい友人から、改めて教えてもらった際に「あ、前に見たアレだ!」って自分の中で繋がってからですかね、注目するようになったのは。
ーどの辺が刺さったんでしょうか?
Miyoshi: 友人曰く、「ニューヨークの洒落たショップではレジ前に置かれているんですよ」とのことで。90年代にニューヨークのHIP HOPのひとたちがくわえていたチュースティックとか、あのノリですよね。それで調べてみると色々と興味深いし、実際に使ってみるとニオイも好みで、そこから一気にハマりました。なかでも気に入っているのは、その彼がやっている〈サイクモラトリアム(Psyc Moratorium)〉という日本のショップ&ブランドのものです。
取材場所は、昨年12月に越してきたばかりだという〈エブリワン〉のアトリエ。コンクリ打ちっぱなしの内壁、金属製の柱、差し込む自然光、そして選び抜かれた調度品。そこは余計なノイズに悩まされることなくクリエイティブに集中できる環境。パロサントの煙とニオイが広がるだけで、一気にリラックスした空間へと変わる。
ー基本はお香のように、火を着けてニオイを楽しむという使い方のようですが、三好さんはどういったときに使っていますか?
Miyoshi: 普段だと朝やリフレッシュしたいときに、火を着けることが多いです。旅先にもコレ1本とライターだけを〈パケ〉のジッパーバッグに入れて持って行ったりもしていて。宿泊先の部屋に入ったら、そこでまず焚いて空気をリフレッシュさせるんですよ。
ー宿泊先で「この部屋のニオイ苦手かも」って感じる瞬間って、たしかにありますよね。
Miyoshi: 私は割とニオイに敏感ということもあって気になるっていうのはあるかもしれないです。パロサントがあることで自分の空間がつくれるし、気持ちも落ち着いてリラックスできる。なので、旅先でのルーティンになっています。
ー魔除けや浄化の力を持っている“聖なる木”と言われていますし、ニオイもいいのでリラックス効果も期待できそう。ところで、パロサントの良し悪しってあるんでしょうか?
Miyoshi: 基本的に南米ペルー産らしく、自然の木から採取するので太かったり細かったりとカタチも色々ですね。通常は原木がそのまま販売されていますが、〈サイクモラトリアム〉のパロサントは、表面を削ったり、カットしたり、手作業でちゃんと形が整えられているんです。だから、火を着けない状態でもニオイが立ちますし、表面に油分が浮かぶことで着火もしやすくなる。そうやって彼らがひと手間を加えてモノとしてのクオリティを高めている姿勢もすごくいいなと。
ー「エブリワン」でも〈サイクモラトリアム〉のパロサントを仕入れられているそうですね。
Miyoshi: そうですね。ただ、いまは人気で完売してしまって、ぼくの個人分も枯渇してしまいそうで……。〈サイクモラトリアム〉にお願いして「自分たち用に楽しむのだったらOK」と、削られていない古いストックを分けてもらって自分たちで削って使っています。というか処方してもらっているという方がシックリくるかも(笑)。もはやこれが無いと本当に困っちゃうので。
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