昔から「ANAと一緒に仕事がしたい」と話をしていた。
ー旅からインスピレーションを受けたり、創作に影響を与えることはありますか?
Stephan: 旅に出ると、訪れた土地の人々、そして景色もよく観察して絵に描いています。そして、そのときに描いたドローイングをまとめてアーティストブックとして出版もしているんです。
Stephan: あとは文字を使った作品のアイデアも旅から得ることが多い。たとえば今回のコラボレーションでは「Mt FUJI SAN WINDOW SEAT」という作品を描きましたが、それも飛行機からのインスピレーションです。朝の便で羽田へ向かって飛んでいるとき、天気が良ければ窓側のA席から美しい富士山を眺めることができるので。
ー富士山のためにA席をリザーブするわけですね。
Stephan: 飛行機に乗るときはいつも、どの方向から着陸するのか、どういうルートでアプローチするのかを考えて座席を予約しています。
ー飛行機に乗っているあいだは、なにをして過ごしていますか?
Stephan: 本を読んだり、絵を描いたり、映画を観たり。最近はあまり映画館に行かなくなったので、飛行機で観ることが増えました。あとは向かう場所のことを考えたり、作品について思考を巡らせたり。特別なことはしないですね。
ー〈ANA〉にはどんな印象がありますか?
Stephan: 3年くらい前にはじめてANAの飛行機に乗ったんですが、機体はドリームライナー(ボーイング787)で、スター・ウォーズの特別塗装がされていました。機内サービスのカップもスペシャルな仕様になっていて、それにすごく感銘を受けましたね。
ぼくもいつか飛行機に絵を描いてみたいと思っているんですが、よく乗っている〈ルフトハンザ〉は、そうした特別塗装をあまりやっていないんです。
ー過去には〈ルフトハンザ〉ともコラボレーションをされていますよね。
Stephan: アートバーゼルで〈ルフトハンザ〉のVIPラウンジにぼくの作品が選ばれて大々的に展示を行っていただきました。その後、ファーストクラスの乗客向けのパジャマのデザインをしました。提供されたのは2週間だけで、短い期間でしたが。
ーだけど、飛行機好きからすればやっぱり特別な気持ちになるんじゃないですか?
Stephan: それはもちろん。じつは昔から「〈ANA〉と一緒に仕事がしたい」と話をしていたんです。〈ルフトハンザ〉とコラボするずっと前から。だから今回のお話をいただいたときは、最高にうれしかった。
ー実際に仕事をしてみて、どんなことを感じましたか?
Stephan: ぼくの作品をオープンに受け入れてくれました。できあがったアイテムも本当に素晴らしく、とても気に入っています。「ビームス」の周年というタイミングでご一緒できたことも含めて、本当にいいプロジェクトになったと思います。
ー今回は〈ヴァイナル・アーカイブ〉のデザイナーであり、「ソルト アンド ペッパー」のディレクターでもある大北幸平さんがプロジェクトのディレクションを手がけています。
ステファンとは旧知の仲であり、今回のイベントをディレクションした大北幸平さん(右)とBEAMS TバイヤーのTKCさん(左)の3ショット。
Stephan: 幸平さんは昔からぼくの作品を気に入ってくれていて、過去にはTシャツのコラボレーションをしたり、「ソルト アンド ペッパー」のロゴも描かせてもらいました。お互いアーティストブックが好きだし、共通点がたくさんある。それに彼のデザインスキルは本当に素晴らしくて、ぼくは今回ドローイングを提供しただけで、あとのデザインはすべてお任せしました。
AIRPLANE T-Shirt ¥9,350
DREAMING OF HANEDA T-Shirt ¥9,350
FLOW T-Shirt ¥9,350
MT FUJI T-Shirt ¥9,350
SUNRISE & SUNSET T-Shirt ¥9,350
AIRPLANE Multi Shoulder Pouch ¥9,350
AIRPLANE Travel Storage Bags (3pc) ¥22,000
※Lサイズ×1点(上段)、Sサイズ×2点(下段)、の3点セットでの販売となります。
ーそのくらい大北さんのことを信用されているわけですね。
Stephan: 彼は最高のコラボレーションパートナーです。自分の作品が幸平さんのような才能あるデザイナーの手によってどんなプロダクトに生まれ変わるのか、見るのが楽しみなんです。
ー今回は「ビームスT」でイベントも行われました。Tシャツが作品のキャンバスになることに対して、なにか特別な想いはありますか?
Stephan: 本当に素晴らしいことだと思います。アート作品のような一点ものではなく、多くのひとが所有することができるし、そのTシャツを手に取った一人ひとりの人生を通して、アートワークも一緒に旅をする。作品がどこへ行くのかは予測できないし、コントロールもできない。でも、そこがすごくいいと思うんです。
ーある種のコミュニケーションツールでもありますよね。
Stephan: ぼくのとある友人は、ぼくの作品をプリントしたTシャツを着ていたことがきっかけで、未来の奥さんと出会ったんですよ。彼女がそのTシャツについて話しかけたことから、ふたりの関係が始まったんです。
ーすごい! 素敵な話ですね。
Stephan: それから、一枚のTシャツを何年も持ち続けてしまうところも好きです。もうボロボロなのに、捨てられないTシャツってありますよね。そうしたモノに対する想いってすごく美しいし、長く残るという意味では、ある種とても持続可能なものでもある。
そのTシャツを着て過ごした時間や、そこで生まれた記憶と結びついていくし、Tシャツを通してひととつながることもできる。言葉を発しなくても、Tシャツを着ることで何かを語ることができますよね。そういうところがぼくは好きなんです。
ーイベントではライブペインティングもされていました。周りにひとがいる中で絵を描くのは得意ですか?
Stephan: どちらかといえば、得意ではないんです。だけど、このお店ではみんな適切な距離を保ちながら見守ってくれていました。だからいいムードで描けましたね。
ー終盤に目を描いていたのが印象的だったのですが、キャラクターを描くにあたって、やっぱり目は重要ですか?
Stephan: そうですね。目を描くことで命が吹き込まれるというか、キャラクターが生まれる。だから目を描くタイミングは本当に大事です。