カバーオールの丈を詰めたようなシャツは往年のワークウェアがインスピレーション源となっている。
ファッションに詳しい読者なら、バーンジャケットといったほうが通りがいいかも知れない。19世紀のフランスで生まれた農作業着で、厚手のキャンバスなど丈夫な素材、農具などを入れるための大きなポケット(のちにアメリカで広まると、缶入りの噛み煙草を突っ込むのにも重宝したようだ)、そして袖まくりを想定したボタンカフをその特徴とする。バーンジャケットを名乗ったアウターは、ラギッド・ラグジュアリーを体現する一着としてランウェイの上でも目にする機会が増えた。このシャツは、そんな作業着としてのルーツを継承している。
ボディは日本産のライトオンスのデニム。これにヴィンテージウォッシュ加工を施した。胸元のポケット跡を演出する加工にはグッとくる。
ポケットの痕跡を感じさせる加工。
フレンチワークはかつてブルー・ドゥ・トラヴァイユ(bleu de travail)と呼ばれていた。日本語に直せば “労働の青” となる。いわれてみればなるほど、男たちの汗と涙が滲んだあの色合いを彷彿とさせる。
時の移ろいをつぶさに観察し、服に活写する――。そんな思いをかたちにした「アヴァン・プルミエール」コレクションにラインナップされてしかるべきシャツであり、いかにも〈メゾン マルジェラ(Maison Margiela)〉にふさわしい。
ちょっと甘い、褪せたブルーはこれからの季節に格好だろう。ジャケットのようにアウターとしても羽織れる一着だ。
Denim Shirt
¥190,300
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

