In the 1990s, the term "vintage" was used to describe vintage clothing that did not meet the definition of "antique," but still had value, as opposed to "antique" clothing that was 100 years old. Nowadays, there is a movement to find new value in "new vintage," even in old clothes from the 1980s onward, which used to be called "regular" vintage clothes. In this project, four vintage clothing stores with different styles propose new ways to enjoy vintage clothing. Each of them will talk about the charm of vintage clothing with their own sense of style.
16シーズン目も今回で最後! ラストを飾る第128回目は、高円寺の人気店「ヒムセルフ(HIMSELF)」のYUKIさん。2巡目の今回は、どんなニュー・ヴィンテージを紹介してくれるのでしょうか!?
Text_Tommy
Edit_Yosuke Ishii
YUKI / Director, HIMSELF
Vol.128_アルファ インダストリーズのMA-1
ー早速ですが、今回はどんなニュー・ヴィンテージをご紹介いただけるのでしょうか?
何周か回って、ここ数年で市場価格も上がってきている〈アルファ インダストリーズ(ALPHA INDUSTRIES)〉のMA-1なんてどうでしょうか?
ー90年代、ミリタリーアウターといえばM-65か、このMA-1が人気の定番でした。それが近年では“オジさんは着てはいけないアイテム”と言われている悲しい状況……とはいえ改めて見るとやっぱり格好いい!
ですよね。そんな MA-1をウチでは90’s&USメイドにこだわって集めています。
ー当時、「ジーンズメイト(JEANS MATE)」や「ライトオン(Right-on)」「ユニクロ(UNIQLO)」といったアメカジ量販店であればどこでも買えたので、筆者ももちろん着ていました。あれも全部、USメイドだったんですかね?
2025年秋まで日本で販売代理を行っていた〈エドウィン(EDWIN)〉のアルファ事業部の方のインタビューで、「1990年代まではすべてメイド・イン・USAだったと思う」と話しているので、そうでしょうね。
ーもともとは〈ドブス インダストリーズ(Dobbs INDUSTRIES)〉という社名でスタートし、アメリカ軍のコントラクター(納入業者)となった1959年から現在の名前に変わったそう。ドブスには“栄光の”的な意味もあるみたいですが、日本語の響き的には……(笑)。さて、世の中的には、MA-1=アルファのイメージがあると思いますが、なぜ“アルファ”なのでしょうか?
やはりアメリカ軍にも納入していたミリタリーウェアの名門という出自、さまざまなカルチャーに紐づく背景、そして90’s&USメイドというレアリティ的視点で。その辺が注目する理由です。かつてはどこでも買えたアルファのMA-1もそういった点を考慮して再評価することで、一気にニュー・ヴィンテージとしての存在感と価値が増してきます。
アルファ インダストリーズのMA-1 ¥36,300(HIMSELF)
ーパンクス、裏原宿、ヒップホップなどのカルチャーとファッションを語る上で、ハズすことのできないアイテムであることはたしかです。若い世代の反応は?
最近ですとCWU-35P、45Pといったエリ付きモデルを筆頭に、フライトジャケット全般の人気が高まっている流れで「だったら選ぶのはアルファだよね」って声は多いです。ぼくも若い時分は「みんな結局、アルファかよ」と意識的に避けていましたが、いまの若い世代は抵抗感なく受け入れているようですし。
ーニュー・ヴィンテージ的なMA-1の選び方ってあるんでしょうか?
こと90’sのアルファでいえば、着用→洗濯→乾燥を繰り返した末に中綿が潰れてヘタっているものが多く見受けられるので……。
ーその辺は避けるべきということですね。
いえ、その“本来のシルエットが崩れている”のが逆に良かったりするんです。後ろ見頃の裾位置がギュッと上がっていたり、腕が左右非対称になっていたり。その経年変化によるアンバランスさを、個体差の個性として捉えることができるという点が、何よりも素晴らしいと思っていて。その個体差があるからこそ、自分にフィットする一着を探す楽しさがあるんですよね。ウチのお客様でもカンバッジやブローチを付けてカスタムを楽しんでいる方もいます。めちゃくちゃスタンダードなアイテムだからこそ、オーナーごとの色が出しやすいアイテムなのかなと。
アルファ インダストリーズのMA-1 ¥36,300(HIMSELF)
ー年代によってディテールの違いはあるんでしょうか?
基本的な部分は変わらずですが、この辺の年代までは表地の質感にも光沢がある気はします。ちょっとヌメッとしてるといいますか。あとはフロントジップを引いた時のガリガリした感触や、リブに毛玉が付きやすいなど、本来ならマイナスポイントもアルファならではの魅力。その辺のいい意味でのラフさがリアルなアメリカって感じがしますよね。
ー市場価格が上がっているという話もありましたが、実際どうなんでしょう?
ひと昔前に比べると確実に上がっています。しかも90’s&USメイドにこだわると、数を集めるのも難しくなってくるのでなおさら。今回はブラック、セージグリーン、ネイビーを用意しましたが、カラバリとサイズ、状態をすべてクリアした上で、お客さんが自由に選べるようにするには結構大変だと思います。
ー10年くらい前ですと、丸いシルエットが出るようXLとか大きめサイズが人気でしたが、いまは?
サイズに関してはさほど変わらず、LやXLを探している人が人気。ぼくら世代ですと「XLをバサッと羽織りたい」という声が多いのですが、ファッション的な流れでいえば“サイズはジャスト”が主流なので、10代〜20代前半はL、ピタッと着たいならM。というのが最近のお約束。
アルファ インダストリーズのMA-1 ¥36,300(HIMSELF)
ーみんながどうやって合わせているのか気になりますね。
トレンディな着方ですと、タンクトップやオープンカラーのシャツにフーディを重ねて、ボトムスはリジッドデニムのジーンズ。足元は〈アディダス(adidas)〉や〈ニューバランス(new balance)〉のスニーカーでシティボーイっぽく合わせたりとか。スウェットパンツも意外と合いますよ。
ートレンディじゃない着方というと、ドラマ『相棒』シリーズの寺脇康文さんみたいな?
あの感じの人は、ウチだといませんね(笑)。ただし、オジさん受け自体は抜群。若いキッズ世代もオジさん世代も無理せずハズすことのないアイテムですからね。Gジャン、スタジャンと並ぶ、アメカジアウター三種の神器の1つなので、とりあえず持っておくことをオススメします。
YUKI/ Director, HIMSELF
The concept of "HIMSELF" is to let the customers themselves (=HIMSELF) enjoy "how they are responsible for the future of used clothes" through the store, and also to enjoy the fun of building the store itself (=HIMSELF). Director of HIMSELF. He is also in charge of its sister stores, "KLIPP" in Sangenjaya and "BABE Store" in Shimokitazawa.
Instagram:@himself__koenji
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