およそ80年ぶりに復刻した「シャンガイ」を手に取った時の感慨は衝撃のひと言だった。ブローギング、キルトタッセル、そしてモンクストラップ――。一つひとつはクラシカルな意匠なのに、一足に束ねた途端、アバンギャルドの気配さえ漂わせていたのだ。モダン・クラシックというお題に対する、もっとも優秀な回答例だった。
往時の「ピッティ・イマージネ・ウオモ」を知るひとならば、右を見ても左を見ても「シャンガイ」を履いたひとばかりだったことを覚えているだろう。
史実によれば、「シャンガイ」は海外に暮らす英国紳士のために考案されたモデルで、1929年に登場した。すでに世界有数の国際都市としてその名を轟かせていた上海にちなんだといわれている。ディスコンとなっていた「シャンガイ」がファクトリーの片隅で発見されたのは2009年のことだった。
「シャンガイ」は、新生〈チャーチ(Church’s)〉を象徴する一足としてすっかり浸透した。
この春、新たにラインナップされた「シャンガイ」最大の見どころはアンライニング&ブレイク製法がもたらす軽やかな履き心地にある。スニーカーに慣れた足にも違和感なく収まってくれるだろう。
レーザーエングレービングがかたどるメダリオンやパーフォレーション、手作業によるアンティーク仕上げの美しさも一見の価値がある。
3月11日(水)から24日(火)にかけて「伊勢丹新宿店 メンズ館1階」でポップアップストアが開催される。〈チャーチ〉の職人によるデモストレーションも予定されているという。この機会にぜひ。
レザーソールの中央にはブランド名を刻印。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa

