PROFILE
2014年に「メイデンズショップ」を運営するメイデン・カンパニーに入社。バイヤーアシスタントやショップマネージャーを経て、現在は全店舗のトータルディレクションとバイヤー業を担う。
PROFILE
2015年、学生時代にアルバイトとして「メイデンズショップ」で働き、翌年に正社員として入社。販売を経て、現在は原宿店のストアディレクターとメンズ部門のバイヤーを務める。
新しいコミュニティの場に。。
ー「メイデンズショップ」の新店舗が神保町にオープンしてからおよそ3ヶ月(取材時)が経ちました。これまでを振り返ってみていかがですか?
牧野: 神保町でのオープンということで、ファッションという分野がどこまでこの街に受け入れられるのか、正直なところ未知な部分が多く不安もあったんです。でもそんな心配をよそにたくさんの方が来店してくださって、良いスタートを切ることができました。
ー原宿店とは客層は異なってくるんでしょうか?
牧野: そうですね。こっち(神保町店)はとにかく年齢層が幅広いなと感じます。学生さんもいれば、60歳を超えるような方も来てくださるので。
田中: 原宿店だとファッションを目的にいろんなエリアから集まってくるイメージですが、神保町だとこのエリアに住んでいる方が足を運んでくださっている印象を受けますね。
ー最近も思わぬ出会い、相談があったみたいですね。
牧野: 某大学の講師の方が神保町店を気に入ってくれて。「学生を連れてきてここで授業をしてもいいですか?」という相談があったんです。原宿店ではそういうことはまずないので、おもしろいなと思いました。うれしいですね、そういう相談は。
ーそういうこと(地域との繋がり)を狙っての神保町出店だったんでしょうか?
牧野: 実はそんなことなくて。場所というよりはこの建物に一目惚れしてしまったんです。
ーこの神保町という意外なエリア選択には、そういう背景があったんですね。
牧野: 東京ミッドタウン日比谷のお店「well-made by MAIDENS SHOP」を閉めるというタイミングで、どこかに路面店をつくりたいねという話をしていて場所を探していたんです。
オペレーションや既存の原宿店との連携なんかを考えると、渋谷区、世田谷区、目黒区…とかがいいんじゃないかって話はしてたんですけど、偶然SNSでこの物件を発見して。原宿店とはエリアがかなり離れてしまいますが、この外観・内観なら、おもしろいことが表現できそうだなと直感でピンときたんです。
田中: この建物、もとは印刷会社だったみたいで「ザ・オフィス」って感じの内装だったんです。だけどL字の窓や雰囲気のある階段など、とにかくポテンシャルを感じました。
ー天井や床をすべて剥がしたってことですよね?
牧野: そうです。過去に何店舗かつくってきた経験から、“壊せばかっこよくなる”と確信を持てていたんです。そこからは、いつも内装を手がけてくださる業者の方と話し合いを重ねて、いまの状態に仕上げてもらいました。
田中: 物件を契約したのが昨年の9月なので、施工期間はおよそ半年ですね。
ー内装のテーマやこだわりのポイントなどを聞かせていただけますか?
牧野: ユニセックス店ということもあって、入口である1階のデザインは特にこだわりました。柔らかい雰囲気で、お客さまが入りやすいようにしたかったので。
牧野: 原宿店のイメージが“フランク・ロイド・ライト(アメリカの建築家)建築”なんです。なので神保町店でもそれを踏襲してて。例えば1階の床に使っている石のタイルは、フランク・ロイド・ライトがつくった傑作・落水荘という建築で使っているペンシルバニアの石と同じ産地のものを仕入れて使っていたり。
ー什器にも並々ならぬこだわりが感じられます。
牧野: 什器については、ラックは空間に合うように鉄のラックをオーダーして天井から吊るしてるんですけど、つくったのはそれくらいで、あとは基本的にぼくらが世界中で見つけたヴィンテージのものを使用しています。
B1F
2F
3F
牧野: 国もバラバラで、アメリカのものがあれば北欧のものがあったり、日本の古い家具なんかも取り入れていたり。あえて混ぜることで、どのフロアにも〇〇風みたいな偏りがでないように工夫して内観をつくりました。
ー1階にはコーヒースタンドがありましたが、「メイデンズショップ」としては初の試みですよね?
田中: そうなんです、 神保町に拠点を置く「CROWD ROASTER」さんとのご縁があって。すべてオリジナルのブレンドで焙煎してもらっています。
牧野: 近所の方がコーヒーだけ飲みに来てくださることもあるんです。そんな感じでひとつのコミュニティが生まれたのはいいことだなと思っています。
ーコーヒースタンドを併設させるというのはずっと考えていたんですか?
牧野: 去年、一昨年と、ニューヨークにある「コルボ(Colbo)」というお店でポップアップをさせていただいたんですけど、そこでみた光景の影響が強いかもしれないですね。
田中: それこそ「コルボ」はコーヒーを提供するアパレルショップだったんですけど、毎朝同じひとが来て、コーヒーを飲んで、スタッフと楽しく雑談をして帰っていくんです。次の日も、その次の日も。そして4日目に来たタイミングで、急に服を買って帰る、みたいな。服の売買だけではない、日常のコミュニケーションの延長に服屋があるって素敵だなとそのときに思ったんです。
ー神保町の新たなコミュニティの場として、今後の拡がりが楽しみですね。
牧野: お客さまがフラッと立ち寄りやすいお店になれてたらうれしいですね。