メイデンズショップならではの、アメリカバイイングトリップ。
ー最近アメリカへ行かれていたそうですね。そのときのことを教えていただけますか?
牧野: 今回の目的は5月開催の「ブリムフィールド・アンティークショー(全米最大規模の野外フリマ、通称“ブリム”。ブリムに関するフイナムの過去記事はコチラ。)」へ行くことと、既存の取り扱いブランドさんとの商談でした。それにプラスして、スケジュールの合間を縫ってさっきもちらっとお話したペンシルバニアの落水荘へ行ってきました。
ーこのお店のベースになったと言っても過言ではない、フランク・ロイド・ライト建築ですね。
牧野: はい。ずっと外壁の修復工事をしていたんですけど、それが今年ようやく終わったんですよ。なので、これは行かねばと。なかなかツアーの予約が取れないことで有名なんですけど、運良く取ることができて。
落水荘(牧野さん撮影)
ブリムフィールドの様子(牧野さん撮影)
ー「ブリムフィールド」は写真の通り、いろんなものが売られていて楽しそうですね。
牧野: 過去に何度も買い付けに行っているんですが、今回はこれまでとは少し買い付けの意味合いが違ったかもしれません。
ーと、言いますと?
牧野: これまでも「ブリムフィールド」に限らず、アメリカやヨーロッパに行った際に蚤の市やフリマを回って、ヴィンテージものの仕入れはしていたんです。でも原宿店だとどうしてもキャパ的に、買い付けたヴィンテージを常設で出すスペースも余力もなくて。あくまで不定期のイベントとして売るしか手段がなかったんです…。
牧野: ですが、神保町店であれば常設スペースがあります。3階を古着のフロアにしていますから。これは原宿店との大きな違いですし、「メイデンズショップ」としても大きな変化ですね。
田中: オープン3ヶ月にして、お客さまが意外にも古着を求めていることがわかったんです。男女を問わず、3階の古着コーナーを見られている方が多いので。
牧野: そういう意味で、いつもとは少し視点の異なる「ブリムフィールド」での買い付けでした。3階の常設フロアはもちろん、7月にはこのときの買い付け品を集めたイベントも開催する予定なので、それも楽しみにしていてください。
今回のブリムフィールドでの戦利品の一部。
ー“セレクトショップ”という形態のショップが「ブリムフィールド」に足繁く通うというのは珍しい気もするのですが。
田中: そうかもしれませんね。個人の古着屋や雑貨屋、家具屋は行かれる方も多いと思いますけど。
牧野: そうだね。古着屋がほとんどな気がしますね。
ーそれもひとつ、「メイデンズショップ」のアイデンティティだと思うのですが、なぜそこまで「ブリムフィールド」に惹かれているんでしょうか?
牧野: 単純に、自分たちが楽しいっていうのが大きいですかね(笑)
田中: そう思います(笑)
牧野: あとは、「メイデンズショップ」はニューヨークでの商談が多いということも理由のひとつですね(「ブリムフィールド」はニューヨークと同じく東海岸で開催されている)。
ーヴィンテージ品の買い付けだけの理由で渡米するのは、ハードルがかなり上がりますもんね。
牧野: そうなんです。新品の商談とヴィンテージの買い付けを半々でやっているからこそ、あまり気張らずやれているというか、「ブリムフィールド」も趣味の延長で楽しむことができているんです。
田中: 「ブリムフィールド」100%の渡米だと、争いになっちゃいますもんね。いいアイテムの取り合いみたいな。
牧野: そうそう。新品もあってヴィンテージもある。その余白感があるからラフに買い付けもできて、おもしろいもの、いい意味で変なものも買うことができるのかなと。
ー「メイデンズショップ」は、当たり前ですけどいわゆるビンテージショップではないですよね。そうなると、古着を仕入れるときの基準は何になるんでしょうか?
牧野: スペシャルな1点ものとか、リーバイスの超貴重な〇〇とか、そういうのはうちで売らなくてもいいと思うんです。それよりは、ぼくらにしかピックできないようなノリのいい古着と、ある程度良心的な価格で出せるようなものであることが大事だと考えています。
田中: ぼくも牧野も普段から、ある意味古着市場ではそこまで価値はないけれど、“アメリカ製のちょっと古い服”が好きで実際に着てたりするんですよね。やっぱりバイヤーとしては自分たちが良いと思うものを届けたいわけなので、普段の好きの延長で感覚的にそういう古着を仕入れている気がします。
田中: だから、ほかの古着屋さんだったらピックしないかもしれないスカスカのパキ綿(パキスタン製のコットン100%のもので一般的に質が低く、ヨレやすい)でも、サイズ感が良くて、カラーやデザインが良かったら、迷わず仕入れますね。
ー古着としての価値というよりは、あくまで「メイデンズショップ」のラインナップのひとつとしてのバイイングというわけですね。
牧野: その通りです。そこがブレてはダメだと思っています。