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メイデンズショップが考える、バイイング論。
Buyer's Journey.

メイデンズショップが考える、バイイング論。

今年3月、神保町に新店をオープンさせた「メイデンズショップ(MAIDENS SHOP)」。同店の持てるすべてを凝縮したという新たな城では、これまで大切にしてきた “authentic”“traditional”“contemporary”の3つのキーワードのもと、世界中から集めた「メイデンズショップ」らしいセレクションとディスプレイが空間中に広がっています。そんな神保町店を語る上で欠かせない存在であるディレクターの牧野真也さんと、原宿店ディレクター兼メンズバイヤーの​​田中康陽さんにインタビューを実施。見えてきたのはショップの哲学、そしてバイヤーとしての矜持でした。

メイデンがメイデンであり続けるために。

ー古着の常設スペースができたことで、「メイデンズショップ」のラインナップに“奥行き”が生まれたような気がします。

牧野: そうかもしれませんね。日本のブランド、アメリカのブランド、ヨーロッパのブランド…、そしてそこに、新品と古着という概念が加わる。「メイデンズショップ」はいろんなものをミックスしているお店です。そこで何が大事になってくるかというと、ぼくたちバイヤーの“見極め”なんですよね。

田中: なにをもって”本物”とするのか。“authentic・traditional・contemporary”というぼくたちが掲げるキーワードのもと、ブランドやアイテムの表層だけではなく、その奥にある背景・構造・本質につねに目を向けていく必要があると思っています。

牧野: 例えばいま田中が着ている〈リア ボバーグ(Lea Boberg)〉のシャツは平気で15万円くらいします。

牧野: あらためて見てもやっぱり素敵だと思うんですけど、一方で、うちが扱っている〈インディビジュアライズドシャツ(INDIVIDUALIZED SHIRTS)〉は3万円台だけど、それにもやっぱり魅力を感じます。1点もののアルチザンとアメリカの量産品…、そんな両極端にあるものを同じ目線でフラットに見るということは、仕入れる上でかなり意識してやっていることです。

ーそこまで価格差があると、レイアウトに苦労することもあるのでは?

牧野: 価格ではなく、“本物か否か”なので。そういう意味では苦労はなく、ぼくたちがどう見せていくかが鍵かなと思っています。

牧野: この〈ボーディ(BODE)〉というブランド。これが例えば真っ白の無機質な空間で〈メゾン マルジェラ(Maison Margiela)〉の横に並べられているのと、この神保町の古いビルのなかで〈ガブリエラ コール ガーメンツ(GABRIELA COLL GARMENTS)〉や〈リア ボバーグ〉と同じラックになっているのとでは、見え方が全然変わってきますよね。

ぼくたちが伝えたいのは、〈ボーディ〉の原点にあるアメリカのノスタルジックさ。なのでいま言ったブランドや、アンティーク家具や雑貨で囲んでレイアウトしているんですが、それだけでお客さまが受ける印象ってガラッと変わりますよね。同じものでもどういう空間、そしてどういう並びで見せるか、それで違って見えるのがおもしろいところだし、セレクトショップが存在する意義があると思うんです。つまりそれが、「メイデンズショップ」のアイデンティティにも繋がってくるわけで。

田中: ブランドのバックボーンを店頭で表現して伝えるのがぼくらの仕事です。ただ良い服です、生地最高です、縫製のクオリティも高いんです…、だけじゃなくて。そんなプロダクトとしての良さを空間を含めて体験してもらうことが大事。それがぼくたちが目指すセレクトショップの在り方です。

だから牧野が言ったように、見せ方というのは本当に大事なんです。それが接客にも繋がり、「メイデンズショップ」のイメージとしてお客さまに根付いていく。自分は普段原宿店にいるんですが、つねにそういうことを意識してお店に立っています。

ーバイヤーでありながら、店頭にも立たれているんですね。

牧野: ぼくたち2人に限らず、どの立場のスタッフも全員店頭に立つことにしています。それは「メイデンズショップ」としてとても大事にしている部分ですね。お客さまとの関わり、店舗という現場の感覚がなくなると、さっき言ったような仕入れって不可能になると思っていて。

バイヤーをしている人間がお客さまをちゃんと直接見ていることが大事。声を拾うことはもちろんですし、自分の口で伝えることもできますから。これは今後、若手に世代交代していったとしても大事にしていくべき「メイデンズショップ」の文化だと思っています。

ーメンズ服を仕入れる際、お2人のなかで意見が分かれることもあるのでは?

田中: まあ…、ありますよね(笑)

牧野: すべて一致することの方が変ですから。年代も違えば見てきた世界やカルチャーも違うわけなので。だけどそんな背景の異なる2人がお店のことを同じ熱量で考えて、田中がいいと思うもの、ぼくがいいと思うもの、その両方が同じ空間にあるというのが「メイデンズショップ」らしいのかなと。

ぼく1人だけの感覚で続けても、どうしても世間との乖離が生まれることもあると思うので。いまこうして田中がバイヤーとして一人前になってくれたように、そのさらに下の世代にも同じ価値観を共有して続けていくことが大事。

田中: そういう意味では、かなり若いときから海外に連れて行ってもらえたことが、いまのぼくの価値観を形成していますね。ぼくが経験してきたことをしっかりと下の世代にも伝えていきたいな、と。

ー貴重なお話をありがとうございます。最後に今後の展望を聞かせてください。

牧野: 日本も含む世界中から集めた良いと思うものを、日本のお客さまに届けること。それがセレクトショップの原点的な考え方だと思うんですけど、ここ数年で世界との距離が圧倒的に近くなっているじゃないですか。SNSしかり、オンラインショップしかり。

なのでこの神保町店をオープンするときにこれまでと明確に変えたポイントが、世界中に向けて発信をしていく、ということ。そこで戦いたい、バンバン売りたい、という意味ではなく、日本を代表するショップとして、海外のファッション好きに認知してもらえたらいいなと。

牧野: ここ数年ニューヨークでポップアップをやったりと、海外へ向けたアプローチというのは意識的に増やしています。その反応も上々。

今後はニューヨークに限らずさまざまな場所で発信していきたいですし、この神保町店、そして原宿店からも、海外へ向けた施策というのは考えていきたいと思っています。

INFORMATION

MAIDENS SHOP JIMBOCHO

住所:東京都千代田区神田猿楽町2丁目2-14
電話:03-5801-6123
時間:11:00〜19:00
Instagram:@maidensshop_jimbocho
公式サイト:https://maidens-shop.jp/

MAIDENS & CRAZY HORSE -ANTIQUE MARKET-

会期:2026年7月18日(土)〜26日(日)
会場:MAIDENS SHOP JIMBOCHO
Vender:and so it goes / CABA” / MAIDENS SHOP
Food:beke beke bake (donuts and cakes)

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