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金子恵治とイタリア。25年の時を経てみる、現地の“いま”。第2回:アンファッションとファッション。
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金子恵治とイタリア。25年の時を経てみる、現地の“いま”。
第2回:アンファッションとファッション。

ぼくらはイタリアについて、どれほどのことを知っているだろう? 身近なのはファッションや料理だけど、彼の地でどんな文化が育まれ、人々がどんな日常を送り、どんな瞬間に笑顔になるのかは、案外知りません。 そんなイタリアについて、「いま、いちばん気になる国なんです」と話すのは、ファッションディレクターの金子恵治さん。バッグブランド〈フェリージ(Felisi)〉の日本のコンセプターとなった彼に、約25年ぶりに訪れた現地の“いま”をたっぷりと語ってもらいましょう。全5回からなる連載企画。第2回は、「ピッティ・イマージネ・ウオモ (Pitti Immagine Uomo)」を通して浮かび上がってきた、日本とイタリアにおけるファッション文化の違いを考察します。

PROFILE

金子恵治

「ÉDIFICE」や「L’ECHOPPE」でのバイヤーを経て、現在は自身が手がける「FOUNDOUR」のディレクションや、外苑前にある「BOUTIQUE」のオーナーとして活躍。加えてファッションディレクターとして多方面で手腕を発揮し、2025年より〈Felisi〉の日本コンセプターも務める。

暑くても凛としていて、気持ちが負けていない。

25年ぶりに訪れた「ピッティ・イマージネ・ウオモ(以下、PITTI)」。世界最大級のメンズファッション見本市への参加を通して、それまで“道具的な服”を敬愛していた金子さんの気分は、“着飾ること”へとダイナミックなシフトチェンジが起こったそう。

ー今年の1月と6月に開催されたPITTIでは、準備段階から「いろんなことを想定していた」と、前回語られていましたよね。

金子:毎日違うスタイリングで、珍しく「お洒落をしよう」という気持ちでいました。もともと道具的な服が好きで、そうしたアイテムがワードローブを占めていたから、もうすこし華やかな格好をしたいと思ったんです。

ーPITTIに向かう上で、なにか買い足したアイテムはあったんですか?

金子:白いウールのサマージャケットであったり、古着の〈シャルべ〉のシャツですね。

ー完全にドレスですね。

金子:ただ、その中でも少しだけカジュアルな要素もあるんです。たとえばシャツに関しては、ポケット付きで、襟に芯のないタイプを選んだり。結局ぼくはネクタイをしないから、インナーに関してはそれくらいでもいいのかなと。

ー普段の金子さんからは想像つかないです。

金子:そうですよね(笑)。だからピンク色を選んで、ちょっと遊びの要素を加えたりしたんですよ。

ーたとえばホテルに着いてから、そうしたアイテムにプレスをかけたりするんですか?

金子:今回持って行ったアイテムに関しては、クリーニングにしか出さないと決めて購入したんです。だから日本でクリーニングに出してプレスをしてもらって、イタリアではホテルに着いてからスチームを当てて、畳みシワなども取って。それから外出するようにしてましたね。

ーかなり徹底してますね。

金子:自分でも驚きますよ、かなり成長したなって(笑)。でも、そうすることによってやっぱり気持ちが引き締まるんです。

ー旅というと、できる限り軽装でいたいじゃないですか。

金子:今回は飛行機にも革靴で乗ったんです。寒かったらスエットを着るんじゃなくて、きちんとニットを持っていって。完全に意識を変えましたね。

ー現地の気温はどうだったんですか? 冬は着込むことで対応できるけど、夏場に長袖は大変じゃないですか?

金子:今年はパリの熱波が話題になっていますが、フィレンツェも40℃手前でしたね。ただ、不思議なことに気持ちが違うと汗をかかないんです。

ーへぇ~! すごい!

金子:周りを見ていると、軽装なひとほど「暑い、暑い」と言っていて。直射日光に当たらないだけでも全然違う。ヨーロッパって湿気がないから気温が高くてもカラッとしていて、日陰にいくと涼しいんです。

ーPITTIにいるひとたちを眺めても、長袖率が高いですよね。

金子:魅せようとしているひとたちは、みんな長袖です。暑くても凛としていて、気持ちが負けていない。

ーみんな涼しい顔してかっこつけていると。

金子:そうだと思います。だらしない格好のひとほど暑そうだったので。

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