PROFILE
(トシロウ)
国内外を問わず積極的なライブ活動を行い、独自の音楽性とライブパフォーマンスでオーディエンスを圧倒し続けているBRAHMANのヴォーカリストであり、OAUのギター・ヴォーカル。2011年3月に東日本を襲った震災以降、その迅速な決断と行動によって、多くのミュージシャンやバンドへ影響を与え、各地で起こる災害への支援も迅速に行い、現在もヒューマニズムあふれる支援活動を継続している。BRAHMANとして、2018年にアルバム「梵唄 –bonbai-」を発表し、単独では初となる日本武道館公演を行った。OAUとしては、2019年9月4日にアルバム「OAU」を発売。収録曲「帰り道」はテレビ東京系ドラマ24「きのう何食べた?」のオープニングテーマに、「Where have you gone」は映画「新聞記者」の主題歌に使われている。
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父性の芽生え。
ー 15年前、BRAHMANの活動を行いながら、新たに始動したOAUの初期は賛否が渦巻いていたように記憶しています。
TOSHI-LOW:ほとんどが否でしたね。
ー そうした否定的な声もありながら、OAUとしての活動を始めた動機は何だったんでしょうか?
TOSHI-LOW:もちろん、(TOSHI-LOWと並ぶOAUのフロントマン)マーティンと出会ったことがきっかけとしては一番大きいんですけど、始めた時は明確な答えが出せなかったんです。でも、始める決断を下したということは、OAUのアコースティックな歌を求める自分がいたということなのかなって。俺はパンクから音楽に入ったので、フォーキーな歌はダサいという刷り込みがあったというか、でも実はやってみたかった音楽だったんだと思います。だから、マーティンと出会ったことで、閉ざしていた音楽の道が開けた時事に、明確な理由も出せないまま、やりたいと思ったんでしょうね。
ー OAUの始動は、無意識的に求めていた音楽を選び取った瞬間でもあった、と。
TOSHI-LOW:そうです。今、振り返ると、その決断というのは、先のことは全く考えず、刹那的なものこそがロックの美しさであると考えて、10代、20代と音楽を続けてきた自分が30代を迎えて、先のことを考えるべき時期だったのかなって。結婚する、子供が出来る。そうすると否応なしに先のことを考えなければいけなくなるわけで、そういう感情を俺は父性だと思っているんですけど、OAUを始めたのは、そういう感情が自分のなかで芽生えた時期でもあったんでしょうね。ロックの刹那の美しさは、今もこの先も好きでしょうし、そういう音楽は変わらず追い求めてやっていくと思うんですけど、父性が芽生えたことで、もう少し長く、静かに語りかけるような歌を求める気持ちが生まれた。若い頃だったら、矛盾していると考えて、そういう気持ちを押し殺していたんでしょうけど、人間はそういう矛盾を抱え込むことで、ふくよかになっていくんじゃないかなって、今はそう思えるようになりましたし、OAUという、もう一つの表現手段を持ったことが今の自分にとっても大きな助けになっているように感じています。