我慢せずに選んだのに、おしゃれ。それこそ正義。
PROFILE

演劇活動のほかにも、小説・コラムの執筆や、映画・ドラマ・CMへの俳優としての出演など、多岐にわたり活動している。2020年5〜6月木ノ下歌舞伎『三人吉三』(東京芸術劇場プレイハウス・まつもと市民芸術館)に出演予定。

〈Uniqlo U〉ライトロングコート ¥7,990+TAX、パラシュートワンピース ¥4,990+TAX、サンダル ¥3,990+TAX
ー 最近では、劇団から飛び出した個人としての活躍も多岐に渡ります。具体的にはどのようなことをなさっていますか?
山田:テレビドラマの脚本を書いたり、ほかの劇団の作品に俳優として参加したりすることもあります。高校生演劇の審査員や、大学の演劇ゼミのゲストを務めることも。2019年からは、小説も書いています。ただ、それらの仕事に対して新しいことをしているという意識はあまりありません。それは、「贅沢貧乏」でやっていること自体がマルチワークだから。「贅沢貧乏」では、劇作、演出、出演、主宰など、もちろん周りの助けも借りながらですが、全て私がやっています。この中のどこかの部分が抽出されて、他の仕事に繋がっているという感じがあります。
ー 劇団をやっていることが、しかるべくして、ほかの仕事にも繋がっているんですね。劇団の外での活動が、演劇活動にプラスに働いていますか?
山田:たとえば演出について、私は独学でやってきたので、俳優として他の演出家の作品に参加すると単純に勉強になります。自分のやり方以外も知りたいし、いいなと思う演出方法があれば「贅沢貧乏」でも試してみたい。反対に、「私がこの演出方法を選ばないのは、こういう理由からなんだな」というような確認もできます。他を知ることは自分を知ることにもつながるので、他の現場に参加したりすることでなるべく視野を広くしておきたいと思ってます。

ー 仕事以外の時間で、作品づくりのインスピレーションを得るためにしていることはありますか?
山田:一番いいのは、旅行に行くこと。物語は場所に誘発されることが多いので、環境を変えると、いろいろと発見することができます。同じ理由で、けっこう頻繁に引っ越したくなります。本当は、ひとつの家につき、ひとつの作品を作っていきたいくらい(笑)。もちろん休みの日には映画館や美術館にも行きますが、これはもう日常茶飯事というか当たり前の感覚。たとえば1ヶ月間ポンと時間が空いたら、まず、小さい映画館のラインナップをチェックします。まとまった休みがあると、なにかを摂取したいという空腹感がわいてきます。

ー 劇団「贅沢貧乏」では、衣装や美術などの方向性を考える場面がありますよね。その際に意識していることはありますか?
山田:衣装にしても美術にしても、削げるところはしっかりと削いで、シンプルな構造にしたいと思っています。もちろん場合によっては、無駄があるからこそ美しいといったケースもありますが、シンプルに提示することで伝わりやすくなることって多くあるなと思ってます。

ー そういう意味では、〈ユニクロ ユー〉の世界観と共感する部分もありそうです。〈ユニクロ ユー〉のについては、どのような印象を持っていますか?
山田:私、日常生活で“ビスチェ”を着ようと思えないんです。あの、トップスの上にレイヤードする短めのキャミソールみたいなアイテムのことです。あれの役割が、正直よくわからない。役割がわからないとか言ってる時点でだめなんですけど(笑)。ビスチェを買えない私が選ぶものって、結局は着心地のいい、動きやすい服なんです。もちろんおしゃれはしたいけど、私はおしゃれのために我慢するということができない。だから、着心地の良さで選んだもののデザイン性が高いと、助けられます。〈ユニクロ ユー〉はまさにそのイメージ。「ラクだしおしゃれ」って、やっぱり強い味方だし、正義!って思います。