04.【2010年】独自のクッショニングテクノロジーを続々開発する革新性。

2001年、〈ブルックス〉はそれまでの総合スポーツシューズブランドから、最も得意とするパフォーマンスランニングカテゴリーだけに事業を集約。ランニングシューズ専門ブランドへと生まれ変わり、2010年、独自のクッショニングテクノロジーのBROOKS DNAを発表。
非ニュートン流体から開発され、着用者の体格の違いやスピードの違いを認識し、柔らかいクッションから強い反発性まで、自動的に最適なクッションへ変化。そのため、同じ足のサイズでも大きな体のランナーにはクッション性が弱すぎ、逆に小さな体のランナーにはクッション性が強すぎるなど、従来のクッショニングテクノロジーが抱える問題を解決することに成功。
女性にも男性にも、体重が重くても軽くても最適なクッショニングレベルにアジャストしてくれる。BROOKS DNAは、現在DNA LOFT、DNA AMPへと進化し、様々なタイプのランナーの走りにフィットするクッショニングテクノロジーとして高い評価を得ている。
05.【2011年】アメリカにおけるランニング専門店シェアNo.1に!

アメリカのある程度の規模の街には必ずといっていいほど、ランニングスペシャリティストアと呼ばれるランニング専門店が1店舗は営業している。
ランニングスペシャリティストアは、専門的な知識を有するスタッフが各々のランナーの走りを分析して最適なシューズを薦めてくれるが、単にランニングシューズやアパレルを売るだけでなく、ランニングクリニックを行ったり、グループランを開催するなど、ランナーの貴重な情報交換の場でもある。
2011年、〈ブルックス〉は、そんなランニングスペシャリティストアにおいて、29%のシェアを獲得。ランニングカテゴリーにおける事実上のNo.1ブランドとなる。現在も〈ブルックス〉は同マーケットシェアで1位の座を維持しており、特にレース時の着用率が高いブランドとして知られる。
06.【2012年】伝説の投資家も認める信頼性。

2012年、アメリカのランニング市場で急速にシェアを拡大する〈ブルックス〉に一人の男が注目し、傘下に収める。それが持ち株会社で投資事業を手掛けるバークシャー・ハサウェイの会長兼CEOを務めるウォーレン・バフェットだ。
アメリカの長者番付であるフォーブス400に1986年に5位で登場して以降、毎年ベスト10にランクインしており、2019年は推定808億ドルの資産を保有し、アマゾンの創始者であるジェフ・ベゾス、マイクロソフトの創始者のビル・ゲイツに続く、世界第3位の富豪であるとされた。
その類稀な投資眼力で巨万の富を築いてきた人物の御眼鏡に適ったということだけに、〈ブルックス〉というブランドの成長性が注目されたが、バフェット氏の投資以降、〈ブルックス〉の成長はより一層加速することになる。
07.【2014年】創業100周年! いち早くサステナブルな活動にも着手。


〈ブルックス〉はスポーツ業界において最もサステナビリティに配慮した企業の1つであると言われている。
まず彼らが行ったのは、HPR GREENというアウトソール素材の開発だ。これは一般的な合成ラバー製造の際に使用される石油の替わりに砂を添加するという地球環境に優しいものであった。またアパレル業界において環境、労働、消費者の観点における持続可能なサプライチェーンを経た製品に付与される認証で、 スイス東部のザンクト・ガレンに本拠を置くブルーサイン・テクノロジーによって運営管理されるブルーサインにも準拠してアパレルの生産も行っている。
そして、〈ブルックス〉の地球環境への配慮で、最もわかりやすいのは、シューズボックスである。箱の素材を100%再生紙とするのみならず、2009年から〈ブルックス〉のシューズには保形用の詰め紙は入れられていないし、包み紙も他ブランドと比較すると最小限。このことで資源を節約するとともに、箱の重量は軽量化されるので、燃料の節約にもなるのである。