04 特別なプレイリストをプレゼントされたような感覚。
PROFILE

4月18日生まれ。東京都出身。雑誌や広告でモデルとして活躍しながら、演技を勉強しているItガール。姉妹媒体『ガールフイナム 』では「25歳からのハローワーク」を絶賛連載中。映画好きの母からは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『チアーズ』、映像関係の仕事に就く父からは仕事の哲学とジブリ作品など、両親の影響を受けて幼少期から映画に親しむ。小さいころは『マスク』『マーズアタック』といった緑色のキャラクターが出ている作品に夢中だったそう。
ー もともとA24のファンだったそうですが、『WAVES/ウェイブス』は東さんの目にどう写りましたか?
パンフレットの中に「ミュージカルを超えたプレイリスト・ムービー」と書いてあって、どういうことなんだろと思っていたんですけど、観ていくうちにどんどん引き込まれていきました。とにかく音楽へのこだわりが強くて、それぞれのキャラクターの心情を伝える役割を果たしていました。目でも耳でも楽しめる作品だと思います。この映画を通して、監督と演者から特別なプレイリストをプレゼントされたような、そんな感覚を抱きました。映画を見終えてから改めて楽曲を聴き直してみたんですが、気がついたらメロウなムードの曲ばかりを選んでました。
ー おっしゃる通り、この映画にとって音楽はストーリーをより強固にする柱のような存在感がありますよね。
はい、その音楽とともに進んでいくストーリーは、タイラーとエイミーの目線で観たときに見返りを求めない愛について考えさせられました。国は違っていても家族や恋愛、友達だったり、自分に置き換えられる部分も多かったですね。それにレディオヘッドの『True Love Waits』が流れているシーンを観てホッとした自分がいたんです。「I’ll drown my beliefs To have your babies(僕は信念を捨てる君との子供を持つために)」と、「Your tiny hands, your crazy kitten smile(君の小さな手、君のふざけた子猫のような笑顔)」という歌詞がすごく好きで。その歌詞を思い浮かべながら両親の目線で考えたとき、きっと悲しみのなかでも少しずつ前に進もうとしているんだと思いました。

ー 映像についてはいかがでしたか? フロリダを舞台にしているから、青い空や青い海、それに街にも鮮やかな色があふれていました。
映像もすごく幻想的で素敵でしたね。今年、海外へ行く予定があったんですけど、コロナでそれが行けなくなってしまって、ずっとそれが心に残っていて。自由に行動したい気持ちはあるけど、我慢しなければいけない。そんなもどかしい感情を抱えているいまに、美しい海外の風景が観れて良かったです。夏の暑さに負けない熱気のあるカラーというか、大きなスクリーンで観たらもっと晴れやかな気持ちになるんだろうなって思いました。


No.1
Focus
H.E.R.
今作でこの曲を知りました。リラックスできるメロディが美しくて、歌詞が際立ってより切なくなります。挿入歌として使われてることで、イントロのハーブのようなサウンドが、人魚を感じさせ、R&BシンガーのH.E.R.の声が波を感じさせてくれました。

No.2
How Great(feat. Jay Electronica & My cousin Nicole)
チャンス・ザ ・ラッパー
ラップとゴスペルが一緒になっていて初めて聴いた時は新鮮に感じました。劇中でのシーンが頭に残ってます。わたしもこんな青春送りたかったなって憧れました。エネルギーをもらえる曲です。

No.03
Pretty Little Birds (feat. Isaiah Rashad)
SZA
この曲が作品の中で入るタイミングが好きです。気がついたらエミリーと同じ気持ちになって、解放的な気持ちになりました。わたしがもし『WAVES/ウェイブス』のテーマソングを決めるとしたらこの曲かも。それくらいこのシーンが頭に残ってます。

No.04
True Love Waits
レディオヘッド
このアコースティックverもいいんですよ。去年の夏、ユーチューブで聴いたことを思い出しました。