CLOSE
FEATURE
スニーカーフリークのリアルな靴選び。 Vol.2 津吉 学
HOUYHNHNM SNEAKER RELAY

スニーカーフリークのリアルな靴選び。
Vol.2 津吉 学

最新のパフォーマンスシューズから、限定品にコラボレーション、はたまた忠実な復刻モデルもあればトップメゾンだって参戦し、拡大を続けるスニーカーマーケット。そんななかスニーカーに精通した人たちは今、どのような視点で、どのモデルを選び、実際に履いているのか? 業界屈指のスニーカーフリークたちのリアルな靴選びをリレー形式で紹介していきます。今回登場するのは、前回の小木“POGGY”基史さんからの紹介で、〈FDMTL(ファンダメンタル)〉のデザイナー、津吉学さん。特に思い入れの深い5足を挙げてもらい、それぞれを選んだ理由やお気に入りのポイントを聞いてみました。

 

04:Reebok×CROSSOVER_INSTAPUMP FURY ブラックのワントーンにひと目惚れ。

ー そして次は〈リーボック〉の「インスタポンプフューリー」。どこかのコラボレーションモデルですか?

津吉:マレーシアのショップ「CROSSOVER」とのコラボレーションモデルで、JOE CHIAというファッションデザイナーによるデザインです。「ポンプフューリー」ってバリエーションが膨大にあって、アレンジによって見え方が全然違うところが面白いと思います。

ー 「ポンプフューリー」のオールブラックはあまり見かけませんね。

津吉:僕自身、ブラックのワントーンが気に入って購入しました。履き心地が良く、何にでもあわせられるので気に入っています。

05:NIKE_AIR JORDAN 6 中学生時代に台湾で買った思い出の一足。

ー 最後は「エアジョーダン6」。ソールが加水分解していてボロボロのようですが……。

津吉:この「エアジョーダン6」は30年ほど前、僕が中学生のときに買ったオリジナルです。その頃、僕は台湾に住んでいたのですが、当時の〈ナイキ〉は大半が台湾製か韓国製。それもあって当時の台湾では〈ナイキ〉のスニーカーが比較的安く買えたんです。この「エアジョーダン6」も台湾製。MADE IN TAIWANと箱に記載されています。

「エアジョーダン6」は僕が初めてスニーカーに興味を持った一足でもあります。当時衝撃的だったのが、かかとの「NIKE」の刺繍が黒だったこと。「黒いシューズなのに、なんで黒い刺繍を入れるんだろう?」と不思議に思ったし、その控えめさに驚きました。

加水分解したスニーカーを集めるのがマイブーム。

ー それにしても、30年も前に買ったものを、捨てずに保管し続けているのはすごいですね。しかも加水分解してボロボロだというのに。

津吉:自宅のクロゼットには、デッドストックの「エアジョーダン」が40~50足ほどあります。ほとんどが発売当時に買ったオリジナルです。箱を開けると、だいたいこんな感じでボロボロに加水分解しちゃっています。

ー それでも捨てられないんですか?

津吉:捨てられないですね。それどころか最近は、加水分解したスニーカーをヤフオクやメルカリで買い漁る、というブームが自分のなかで来ていて。

ー 加水分解したものを? なんのために?

津吉:儚い感じがたまらなく愛おしくて。自分が救ってあげなきゃ、と(笑)。

ー なるほど。加水分解したスニーカーに価値を見出す人は珍しいですね。話は尽きませんが、そろそろお友だちを……。

津吉:〈VANQUISH〉や〈#FR2〉を手掛ける石川涼さんを紹介します。僕とはまた違った視点で、面白いスニーカーを挙げてくれると思いますよ。

ー それは楽しみです。今日はありがとうございました!

PROFILE

津吉 学
FDMTL デザイナー

1976年生まれ。幼少期から10代にかけて大阪、台湾、オーストラリアで過ごす。帰国後、一般企業の会社員を経て、2005年、自身のブランド〈FDMTL〉を設立。ジャパンメイドのデニムを中心とした質の高いアイテムは国内外から高い評価を得ている。

このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事#HOUYHNHNM SNEAKER RELAY

もっと見る