PROFILE
1973年生まれ、埼玉県出身。多摩美術大学在学中に、小林賢太郎とコントグループ「ラーメンズ」を結成。俳優としても、舞台やテレビドラマにも出演中。いっぽう、1999年より粘土造形家としても活動を開始。2015年には、イオンモール幕張新都心、2016年からは全国のイオンモールにて「片桐仁 不条理アート粘土作品展『ギリ展』」を開催し、4年間で18都市を巡り、合計7万8000人を動員。2019年6月には初めて海外での個展「技力展(ぎりてん)台湾」を実現。オリジナリティ溢れる発想力や、細部までこだわり尽くすスタイルが高い評価を受けている。
【SPOT1】 JamesJarvis展『Transcendental Idealism』

2Gトウキョウナンヅカ
NANZUKAによる「ギャラリー」、小木‛POGGY’基史とデイトナ・インターナショナルによる 「コンセプトショップ」、MEDICOM TOYによる「アートトイ」。3ジャンルのトップランナーが集結して作られる、新しい形のスタジオ。
03-6455-3003(デイトナ・インターナショナル)
03-6452-5003(MEDICOM TOY)
2gtokyo.com
なにかっぽいけど、なにでもない。
ー 新しくなった「渋谷PARCO」には、これまでにも来たことがありますか?
片桐:ちょうどリニューアルオープンされてすぐの頃に来ました。すごく混んでたから、あまりゆっくり楽しめませんでしたが。
ー では、「渋谷PARCO」というと、片桐さんのなかではまだリニューアル前の頃の印象が強そうですね。
片桐:PARCO劇場には、よく通っていました。おもしろいお芝居をやってましたから。僕自身は、じつは2013年にここで個展を開いたんです。同時期にPARCO劇場で本番中だったので、上と下を行ったり来たりして大変でしたね〜。
リニューアル後にとくに驚いたのは、おしゃれな若いひとたちがたくさん来ていたこと。「頑張っておしゃれしてくる場所」になってるってことなんじゃないかな。
ー リニューアルして劇場も1.5倍くらいになっていて、自営のギャラリーも入っています。そのように、アートをはじめとしたカルチャーにこれまで以上に力を注ごうとしていて、この「SHIBUYA PARCO ART WEEK」もその一環なんです。まずは、いちばんの目玉。イギリス人アーティスト、ジェームス・ジャービスの展示を見てみましょう。

ー 今回は、パンクバンドのライブなどで客同士が激しくぶつかり合う“Mosh Pit”の様子をカラーアクリル板で表した平面作品や、技を決めたスケートボーダーを表現した彫刻作品を展示しています。
片桐:なにかっぽいけど、なにでもない。そんな感じのキャラクターですね。
ー まさにそうで、このキャラクターたちには、社会問題からポップーカルチャーまであらゆる関心を背景とした、匿名の現代人の姿が映し出されています。
片桐:なかには立体作品もあるけど、やっぱり平面からの感じがしますよね。今回の展示用にオファーを受けて作ったってことだと思いますが、俺もそれがいいな~。自分で作るのって、面倒くさいんですよ。お金もかかるでしょう? こないだ台湾で個展やったときなんか、グッズまったく売れませんでしたから!(笑)

ー とはいえ、作品づくりをしたいというような衝動に駆られる瞬間もあるわけですよね? それはどういったときなのでしょうか?
片桐:お笑いといっしょで、ギャグを思いついた瞬間ですかね。たとえば、iPhoneの「i(アイ)」は目(eye)だから、ってことで“eye Phone”を作りました。他にも、サイの形したサイPhoneとか、鯛の形で鯛Phoneとか、新しくiPhoneを買い換えるたびにいろいろ作りましたよ(笑)