【SPOT4】 『Reality&Fantasy The World of Tom of Finland』

GALLERY X
渋谷スペイン坂から移転オープンした「GALLERY X」。 アートカルチャーからアニメ、ゲーム、ミュージックまでをボーダレスに、PARCO編集によるエッジの効いたキュレーションで新たな魅力を引き出す。
03-6712-7505
art.parco.jp
これが、50年以上も前に描かれたなんて。

ー つづいては、フィンランドの作家、トム・オブ・フィンランドの展示にやってきました! 生誕100周年を記念し、オリジナル作品が30点集められています。
片桐:は~、すごいすごい。ガチムチっすね~!(笑)

ギャラリー内には、銀色のカラーテープで囲われた18禁コーナーが特設されている。
くぐるとそこには…。
ー じつは今回が、トムの日本初の作品展なんだとか。ゲイを描くことでLGBTQの権利を訴えるアート作品は、通常の美術館では残念ながら展示できない。でも「渋谷PARCO」はむしろウェルカムという姿勢。あらゆるカルチャーへの懐の深さがうかがえますね!
片桐:18禁コーナーもありますね。入ってみましょう!

片桐:あ~あ~、これ、春画ですよ。もう、ち○ぽこち○ぽこってね。これがいまから50年以上も前に描かれた作品だっていうんですから、本当にすごいですよね。
見てください、こっちは鉛筆画ですよ。細かいな~。むちむちした立体感とか、レザーのツヤ感みたいなところの表現が、じつにユニークですね。
ー 片桐さんご自身も、いまは粘土造形家として日々作品を作られていますよね。でもアートの世界には、もともとは絵画から入ったとか。
片桐:小学生の頃に水彩画、中学校では油絵をやっていましたね。そのあと大学に入って版画をやるんですけど、教職課程でお世話になった先生の影響で、彫刻の方が楽しくなっちゃって。そこからは、立体作品ばかり作るようになりました。

展示を記念したコラボグッズは、かなり凝ったデザイン。
“写実性”、“創造性”という文字が刻まれたロンTを見て「ほんと、その通りですよ(笑)」と片桐さん。
【SPOT5】 『VOILLD POPUP SHOP』

M.I.U. Nº2
中目黒に次ぐ2店舗目としてオープンした「M.I.U. Nº2」。「M.I.U.」が提案してきた希少性の価値、独自のユーモアを交えたスタイルを軸に、 アートピースやエクスクルーシブアイテムを中心とした多種多様なジャンルやモノが並ぶ。
03-6452-5973
miu-tokyo.jp
“価値”ってなんなんだろう。
ー いよいよ最後の展示です。ここでは、ヴィンテージアイテムにアーティストのアートワークを落とし込んだ「M.I.U.」のニューコレクション「V(ブイ)」が初披露されています。今日はコレクションに名を連ねるアーティストのひとり、加賀美 健さんにお越しいただきました。

片桐:加賀美さんだ!
加賀美:お久しぶりです、片桐さん!
ー おふたりはどのようなきっかけで出会ったのですか?
片桐:10年くらい前、『東京Walker』の撮影で加賀美さんの個展に行ったときに初めてお会いしました。そのときは、なんでもブロンズにしちゃうっていう展示内容で、画鋲とかトイレットペーパーの芯とか、ゴミみたいなものもブロンズにしてるんです(笑) それで「価値があるでしょ?」って。本当に衝撃を受けましたよ!
ー 「VOILLD」が所蔵する貴重な作品も、今回の展示の目玉です。加賀美さんの作品ももちろんですが、拾ったモノもかなり多いようです。
片桐:アート作品のなかに、拾ったモノが混ざってるって? めちゃくちゃふざけてますね~(笑) この辺も拾ったものですか? …って、なんだこの質問!(笑)

「HIGH SCHOOL UNIVERSITY」という刺繍が入ったカレッジTシャツ。
片桐さんから「意味がわかんない!」とすかさずツッコミが入った。
ー で、こちらが加賀美さんのコラボレーション作品。おなじみのタッチで、ヴィンテージアイテムに刺繍が施されています。
片桐:不思議なもので、なぜかブランドモノに見えちゃうんだよな~。


刺繍が施されたGジャンとジャケットを試着する片桐さん。「言葉はふざけてるけど、これ普通にいいな~」と本音が漏れる。
ー 加賀美さんをはじめ、同時代を生きるアーティストを、片桐さんは日ごろから意識することがありますか?
片桐:いやいやいや、アーティストと並ぼうなんておこがましいですよ! でも、本当に加賀美さんのことは尊敬しています。行動も早いし、思いついたことぜんぶやっちゃうんだもん。
僕は大喜利も苦手だし、お笑いやってて「芸人」って分類されるのがいちばん怖いです! だから、お笑いの世界では「俳優」と名乗り、俳優するときは「芸人」、アートの世界では「芸能人」なんて言って、なんとかかわすのに必死なんだから! 加賀美さんは、いま何してるときが楽しいですか? 刺繍?
加賀美:家で飲んでるときですかね。
片桐:最高ですね(笑) 本当に、“価値”ってなんなんだろう。こうやって拾ったモノ並べちゃうし、「実家帰れ」のシールなんかもなぜか額装されてるし。もう、わかんない!
ー いよいよアートがわからなくなったところですが、今日のアート行脚はこれにて終了です! さまざまな展示を巡っていただきましたが、なかでも印象に残ってるものはありますか?
片桐:加賀美さんに会って、全部すっかり忘れちゃいました(笑)
