SHUN KATAKAI with Ventura

PROFILE
1982年生まれ。2008年に独立。以降、数々のファッション誌やウェブ、ブランドのメディア制作などを行う。同時に、多くの俳優やアーティストのスタイリングも手掛けている。
特徴的なのに、定番という安心感。
ー 片貝さんにとって腕時計はどんなファッションアイテムですか?
片貝: 僕は普段からラフなスタイルで活動しているので、外に出てひとに会うときは腕時計を身に着けるのがマストなんですよ。というのも、変な言い方になるんですが、腕時計を見てそのひとを判断するってこともなくはないじゃないですか。
ー 腕時計をしているとしっかりとしたひとに見られると。
片貝: ちゃんとした腕時計をしているひとって、色んな意味でしっかりとした大人だと捉えられると思うし、世間的に信用されるものだと思うんです。だから自分にとっては欠かせないモノだし、毎日身につけていますね。

ー 普段はどのような腕時計を身に着けることが多いんですか?
片貝: シンプルなデザインを選んでいます。個人的な趣味として、シルバーやゴールドよりも黒のレザーベルトだとか、そういう定番デザインが好みですね。高校生の頃からそれは変わっていなくて、当時買った腕時計もいまだに家にありますよ。
ー 若い頃から腕時計好きだったんですね。
片貝: 自分もそうだったんですが、10代の男子にとって、腕時計は憧れのアイテムの1つじゃないですか。安いのを探せばいくらでもあるのかもしれないですが、僕は高校性の頃から名前の通った腕時計を身につけたいと考えていたんです。もちろん、その分それなりの値段はしますけど。この「ベンチュラ」に関しても、そういった意味でも身につけたくなる腕時計だと思います。


ー 「ベンチュラ」に対してはどのようなイメージがありましたか?
片貝: ちょうど良い腕時計だと感じますね。もちろん良い意味でですよ。手の届きやすいプライス感もですし、腕時計としてもパッと見で〈ハミルトン〉の名作だということがわかるという点でも。初対面の誰かと会ったときに「ベンチュラ」を付けていれば、自分が身なりに気を使っているひとだって伝わると思います。
ー 確かにすごくアイコニックなデザインなので、すぐに「ベンチュラ」だって分かりますよね。
片貝: なんといっても形が個性的ですよね。時計といえば、丸か四角ってイメージなのに、これは三角みたいな。しかも、ほかと異なるデザインなのに高級感がありますよね。ベルトが黒のレザーで、ギラッとしていないのもいいですね。


ー 「ベンチュラ」は1957年に登場した世界初の電池式腕時計なのですが、キャデラックなどをデザインしたインダストリアルデザイナーのリチャード・アービブが、この盾形のフォルムをデザインしました。この形を作り上げるまでに、色々と試行錯誤したらしいです。
片貝: その独創的なアイディアが世間に定着し、現在まで愛され続けているというのがすごいですよね。洋服にしてもそうなんですが、あまりにも独特なデザインって世の中で広く認知されにくいじゃないですか。
ー たしかに一過性で終わってしまうモノってたくさんありますよね。
片貝: 変わったものは広く受け入れられにくいと思うし、トレンドとして消化されてしまって古くなってしまうことが多いんです。それなのに、「ベンチュラ」がアイコンとして認められているということは、それだけこの腕時計が魅力的だということを証明していますよね。いま見ても、このモダンな雰囲気は純粋にカッコいいと思います。

ー 片貝さんが「ベンチュラ」をコーディネートに取り入れるなら、どのようなスタイルで合わせたいですか?
片貝: 「ベンチュラ」に合わせて着こなしを変えるというよりも、あえて普段通りのカジュアルな服装に合わせたいですね。ラフなスタイルで活動することが多いので、腕時計と靴はしっかりしたものを身につけてコーディネートを締めることが多いんです。もちろんドレスアップしたスタイルにも合うんでしょうけど、力を抜いたカジュアルな服装に身につけているぐらいがカッコいいんじゃないかと思います。
ー エルヴィスからロカビリー的に「ベンチュラ」を捉えるひとも多いので、すごく新鮮に感じます。
片貝: そもそもなんですが、僕の場合は自分のスタイルがカジュアルだからこそ、腕時計を身につけているのもありますしね。「ベンチュラ」は腕に合わせてみると実感するんですが、このデザインなのに意外と存在感を主張し過ぎず、うまく腕元に収まってくれるんですよ。つくりで言えば、ベルトが痛まないようにフォールディングクラスプ仕様になっているのも良いですね。綺麗な状態で長く使い続けることができる点も愛されているポイントなんでしょうね。

ベンチュラ ¥91,000+TAX (ハミルトン/スウォッチ グループ ジャパン)
世界初の電池式腕時計として、1957年に発売された「ベンチュラ」。機能面はもちろん、その大胆なデザインは、腕時計の歴史を変えた1本として知られ、コアな時計好きからファッションや音楽、カルチャー好きにまで幅広く愛されている。発売当時から変わらない盾形のアイコニックなフォルムは、〈ハミルトン〉を代表する1本として挙げるひとも多い。エルヴィス・プレスリーが公私ともに愛用していたことも有名。