MASASHI SHO with Khaki Field Mechanical
PROFILE
1993年生まれ。スタイリスト甲斐弘之氏に師事し、2017年に独立。メンズファッション誌やブランドのビジュアルなど、数々のスタイリングを担当し活躍する気鋭のスタイリスト。
しっかりとしたルーツを持つ1本。
ー 腕時計はお好きですか?
庄: 昔から好きですね。僕は中学生の頃から車が好きなんですけど、その流れで腕時計にも興味を持ったんです。男の子って、そういう機械(メカ)に入れ込む時期があるじゃないですか。それに、腕時計って男の嗜好品的なイメージがあって。趣向が反映されるモノというところも好きなんです。
ー 車好きのひとには腕時計好きが多そうですね。
庄: でも、近年は時代性も相まって、僕が好きな時代の車種やカッコいいデザインの車の形がどんどん失われていっています。けれど、腕時計は復刻したり、アンティークとして長年愛されていたりして現代まで残り続けているというのがいいですよね。車よりもキャラクターや価値というのを守られている気がします。そこも腕時計というモノが持つ魅力だと思います。
ー 庄さんは腕時計をどんなファッションアイテムだと考えていますか?
庄: 完全にスタイルを示すアイテムだと思っています。アクセサリー性もあるけど、シーンによって着けかえるというものではなく、自分のスタイルに沿って常に同じ腕時計を着けていたいですね。スタイリングを組むときも、こういうひとがこの腕時計を着けていて欲しいっていうメッセージを乗せるところはあります。
ー 例えば、何かイメージがあったりするのでしょうか?
庄: すごく極端なことを言うと、ヒップホップが好きなひとがゴールドの時計を着けてたら、なぜか納得してしまいませんか?(笑)。それとか、個人的に日本の任侠映画が好きなんですが、そういった映画の中でもゴールドの時計が登場しているイメージがあります。キャラにハマっていていいなと思いますが、自分が着けるのは…と思ってしまいますね。
ー なるほど。〈ハミルトン〉に対してはどんなイメージを持っていましたか?
庄: 〈ハミルトン〉の腕時計は昔からリースに行ってスタイリングで使っているんですが、アイコニックなのはどちらかと言うと「ベンチュラ」や「パルサー」だと思うんですよね。やっぱり個性的でデザイン性の高い腕時計を多くリリースしている印象が〈ハミルトン〉にはあると思うんです。
ー デザイン性にこだわった時計というイメージを持っているひとは多いと思います。
庄: ですよね。近未来を描いた映画に登場するイメージがありますし。「この時計、何だろう?」って調べたら〈ハミルトン〉だった、なんてことも。それらと感じは異なりますが、ルーツにミリタリーカルチャーがあるこの「カーキ フィールド メカ」は、スタンダードなデザインながらも、色使いでカジュアルにまとまっているのがカッコいいですね。ダイヤルの大きさに対してリューズが少し大きいですか?
ー 「カーキ フィールド メカ」のルーツにある軍用時計は通称、“ハックウォッチ”と呼ばれていて、戦地では「ハック」の掛け声と共に時刻を合わせていたらしいんですね。その時刻調整がしやすいようにリューズが大きい仕様になっているそうです。
庄: なるほど。それでケースもツヤ消しのマットブラックになっているんですね。いま、腕時計を買うひとは単純にデザインや利便性などで選ぶひとも多いと思うんですが、「カーキ フィールド メカ」はモノとしてたくさんの背景を持っているので、手にした後で調べても色々と楽しむことができそうですね。話題の1つになるルーツを持った腕時計だと感じます。もともとアメリカ軍に納入していた訳ですし。
ー 男ってつい歴史に反応しちゃうところありますよね。
庄: それとテキスタイルのNATOベルトもいいなって思いました。よく使っている腕時計もこの「カーキ フィールド メカ」と同じようなベルトに変えているんですが、NATOベルトやレザーのベルトの方がファッションに自然と馴染んでくれるので使いやすい気がします。「カーキ フィールド メカ」では、ボタンホールが広がっていかないようにレザーで補強されているのも親切ですね。手巻きでパワーリザーブが80時間というのも使いやすそうです。
ー 庄さんが「カーキ フィールド メカ」を身に着けるときはどんな服装に合わせたいと思いますか?
庄: 自分が着けるのであれば、いつも通りのスタイルに。あえてスタイルを変えずにラフにカジュアルに合わせたいですね。特に僕は普段からネイビーの洋服だとかを身に着けることが多いので、こういうデザインの時計は合わせやすいんです。それに、ミリタリーがルーツにありながらも、品もあってミニマムなデザインにまとまっているのはすごいと思います。黒文字盤で蓄光という点も楽しいですね。
ー 服装と腕時計のマッチングはどのようにお考えですか?
庄: ベルトや本体がシルバーやゴールドの腕時計だと、少し時計感が強くなりますよね。僕のスタイルだと、唐突に手元に現れるように見える気がするので、こういうカラーリングの方が自然とスタイルに落とし込みやすいです。と言っても、カジュアルなスタイルだけではなくスーツに合わせてもカッコ良いんじゃないですかね。若いひとにとっても気楽に手にすることができて、長く楽しめる1本だと思います。