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アウトドアサウナを通して、トレイルヘッズが提案する未来。
シームレスに繋がる都市と自然。

アウトドアサウナを通して、トレイルヘッズが提案する未来。

東京都心から西へ車で1時間半ほど。東京都檜原村に会員制キャンプ場「HINOKO TOKYO(ヒノコ トウキョウ)」はある。この施設の目玉として、真っ黒な箱型のサウナが設置されたのはつい先日のこと。ここを運営する「トレイルヘッズ」は、働く場をプロデュースする会社だ。では、なぜそんな会社がキャンプ場を手がけるのか。キャンプ場のことやサウナを切り口に、代表の山口さんと焚き火を囲みながら話した内容は、働き方であり、生き方の話だった。

イヴォン・シュイナードが示した、新しい生き方。

山口さん、そして「トレイルヘッズ 」が「HINOKO TOKYO」で実現したいことは実に明快だ。

「都心から1時間半以内で、働くこととアウトドアを混ぜたかったんです。いい人生を送るには、働く・暮らす・遊ぶという3つの要素がシームレスに繋がっていることが重要なのでは? という仮説を持っていて、その実験のひとつです」

そもそも、その答えに行き着いたのは、働き方改革が叫ばれるよりもずっと前の2008年頃。山口さん自身が働き方について悩んでいた時期があったからだという。

「当時は社会人3年目で、働くことに対してモヤモヤしていました。大学時代は音楽にのめり込んで、ロックからハードコア、もっとも土臭いところではルーツロックレゲエを好んでよく聴いていたんです。また、当時からアウトドアが好きだったので、マウンテンバイクに乗ってキャンプツーリングに出かけることもありました。そこからいきなり社会人になって、ネクタイを締めてスーツを着てという状況とのギャップが大きすぎて。『ああ、これが仕事をするということか…』って、ずっと悩んでいたんです」

そんななか、あの伝説の本との出会いによって、考え方に変化が訪れる。

「〈パタゴニア〉創業者イヴォン・シュイナードの本『社員をサーフィンに行かせよう』を読んで、目から鱗でした。簡単に説明すると、天気が良ければ、仕事を休んでアウトドアに行ってもいいというルールが〈パタゴニア〉社にはあると書いてあったんです。仕事だけではなく、アウトドアや、家族や友人との時間、自分の人生を大事にするという組織のあり方もあり得るんだなと気づきました」

当時は不動産業界で働いていたという山口さん。そんな気づきを経た結果、オフィスデザインの会社に転職し、これまでにないオフィスのあり方や働き方を探求していく。理想の働き方を追及するには、自分の理想とする組織をつくったほうが近道であること。また、自由にチームを組んで仕事をしたほうが、縛られずいきいきと働けることに気づき立ち上げたのが、オフィスをプロデュースする「トレイルヘッズ」だ。

「机と椅子だけがあれば十分なわけではなく、働くことだけを目的としないフリースペースなどの空間も、オフィスには必要だ」と語る山口さんが率いる「トレイルヘッズ」だけが具現化できる、これからの時代に適したオフィス像があるのだろう。

それを示すように、思想も組織形態も新しいスタートアップ企業のオフィス空間を数多くプロデュースしている。そのどれもが従来のオフィス像とは違う、「トレイルヘッズ 」に浸透する、働くひとにとって最適化されたデザインだ。そこからは、オフィスはこうあるものだという決めつけはなく、働く人、その企業らしさを引き出していこうという姿勢を感じられる。またオフィスを作り上げる過程で一緒に組む相手も、様々だ。働く・暮らす・遊ぶをシームレスに繋ぐという考え、それはつまりオーダーメイドのようなものかもしれない。これもまた「焼杉」づくりの“共創”と同じように、人とコミュニケーションをとりながらともにつくりあげる「トレイルヘッズ 」らしさと言えそうだ。

INFORMATION

トレイルヘッズ

trailheads.jp

Nature Tokyo Experience

www.naturetokyoexperience.com/

協力/東京観光財団

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