環境に配慮したワードローブと花のあるライフスタイル。

この「ロスフラワー」という言葉は、「RIN」の河島春佳さんによる造語で、生花店や結婚式会場、イベント会場などで廃棄される予定の花をさす。「RIN」は、このロスフラワーをドライフラワーにして、店舗内装やオブジェに活用するプロジェクトを数多く手掛けてきた。このプロジェクトの魅力は、花を愛で、観賞するという私たちの何気ないアクションが、持続可能な観賞用植物市場の維持に貢献できることだ。
〈エーグル〉が製作した自然との共存を目指すアイテム、そして、廃棄予定の花に息を吹き込むRINのロスフラワー。運命、そして必然だった両者の取り組みが、〈エーグル〉の原宿店でスタートした。4月25日までの間、店舗がロスフラワーで彩られることになったのだ。
「RIN」がこの取り組みで打ち出したキャッチコピーは、「FEEL THE EARTH WITH FLOWERS 〜環境に配慮したワードローブと花のあるライフスタイル」。その言葉と内装のアートワークに込めた思いを、河島さんはこう語る。

「〈エーグル〉と〈ファグオ〉はフランスのブランドなので、まずはフランスの要素を取り入れたいという思いがありました。あと、今回のコラボレーションアイテムは、空の青や草木に似たカーキ、土の色などがベースになっているので、それらの色味との相性を考えてベストな案を模索しました。そこで連想したのが、フランス・アルザス地方の自然豊かな風景。足元は苔生し、幹が長く伸びる白樺樹林を店内に表現したく、本物の白樺の幹や苔を飾っています」

フランス・アルザス地方の白樺林の足元をイメージした苔。

さらに、都会の中心に位置する原宿店の立地も意識した。店舗は、明治通り沿いの路面店。付近には公園や街路樹もあるにはあるが、自然の風景というには程遠い。河島さん自身フランスに短期留学していた経験もふまえて、こう話す。
「フランスには、自然と街が共存した風景がたくさんあるんです。東京にいると、わざわざ足を運ばないと自然に触れられないけれど、フランスでは日常的に自然に触れられる。そこで、ロスフラワーや多肉植物、苔、木の幹が店内のもともとの内観やお店の外の風景と融合するように飾り付け、自然のなかに溶け込んだフランスの風景を表現しました」


AIGLEの代表作であるラバーブーツに飾り付けているロスフラワー。4月22日以降、AIGLE原宿店に衣類やラバーブーツを持っていくと、このロスフラワーによるスワッグと交換してもらえる。
〈エーグル〉では、4月22日から環境配慮への取り組みの一環として、一部店舗で〈エーグル〉の衣類やラバーブーツの回収をスタートする。また、原宿店で回収してもらえば、数量限定で「RIN」が今回の内装に使用したロスフラワーを、小さなスワッグにしてプレゼントしてくれる。
装飾も店舗での利用のみで終わらせず、家での観賞用へと循環させていく。これが〈エーグル〉と「RIN」が目指す「私たちの自然なアクションのなかから無理をせずに持続可能な社会へと貢献していくスタイル」のモデルなのだ。
〈エーグル〉が、環境や人に与えるポジティブなインパクトは続いていく。夏には、さらに大きなアクションも予定されている。これまでの距離感を一歩縮め、より積極的に地球と関わっていく姿勢に、今後も注目していきたい。
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