全員に合ったソリューションというものは存在しない。
(同席していた、みんでんの大石社長からフォローが入る)最初は、「電力リゾート」というアイデアで、もっと楽しもう的なノリが強かったんですが、シェアという形に変わり、これはいまの時代に合っているんじゃないかなと思います。

バーチャルってことに慣れてきたこともあるよね。リモート会議も会議自体はバーチャルなものだけど、画面の向こうの人はリアル。これは、多くの人が、いまの時代に体感していることだからね。
ー 電力の規模や予算、トレーサビリティなどを解決してくれるこの電力システムについては、聞いていてワクワクしたというのが正直な感想です。
でしょ? でも、まだまだ改良する隙間があると思うんだよね。いとうせいこうが考える電力はこうだけど、それが中央集権型にならなければ、個別でアイデアが生まれるだろうし。ソリューションは、個別の事情によって生まれるものだと、ここ10年考えていて、全員に合ったソリューションというものはないんだということもわかった。だから、自分はもっとポップにやりたいんだとか、いとうせいこうシステムをきっかけに色々なやり方が出てきてもいいなと。

ー それにしても、色々なものを解決してくれるいいアイデアをよく思いつきましたね。
すべてが、パタパタとうまく繋がっていったよね。あ、いま、思いついたけど、「みんな電力TV」というものがあるといいよね。みんな電力のオフィスにある畳の部屋から放送したり、ここに来ればいいという場所があるといい。実際はなくても、みんな電力TVがあるということにすれば、アーティスト側もそこに出てもらうことが、そのまま消費者への還元になるし。CS契約と同じで、契約している人だけが観れる、個人的なテレビ局。毎回ライブはやらなくても、バイデンさんはこんな発言をしていて、ぼくはこう思ったというような、何かのニュースに対しての意見や考えを発信すれば、それは情報だから。すでに色々なアーティストに、このアーティスト電力で声をかけているし、これからも声をかけていくんだけど、酒が大好きなアーティストは、その人がずっと酒を飲んでいる姿を映すとかね(笑)。いいね、これ。名前は、MTV、いや「みんな電力TV」だから、MDTVか!(笑)
PROFILE
1961年生まれ、東京都出身。大学卒業後に講談社に入社し『ホットドッグ・プレス』などの編集に携わる。その後は小説家、俳優、タレント、ラッパーなど多岐にわたり活躍。なかでも音楽活動は活発で、日本語ラップのパイオニアとして知られる。直近では今年3月にいとうせいこう is the poet名義でリリースされたアルバム『ITP 1』が話題に。
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