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民泊とホテルのあいだ。 谷根千にオープンしたYANAKA SOW宿泊滞在録。

民泊とホテルのあいだ。
谷根千にオープンしたYANAKA SOW宿泊滞在録。

ディープカルチャーが根付く谷根千エリアにオープンした「ヤナカソウ(YANAKA SOW)」。民泊の温かさとホテルの快適さが融合した、住むと泊まるの間を体験できる宿泊施設だ。旅、ワーケーション、セカンドハウス、このホテルをどんな用途で使うのかはその人次第。谷根千の散策とともに、ホテルとしての新しいスタイルを紹介しよう。

  • Photo_Kaoru Yamada
  • Text_Shota Kato
  • Edit_Ryo Komuta

民泊とホテルのいいとこマッシュアップ。

谷中、根津、千駄木。地理的に隣り合い、街の風情が似ているこのエリアは「谷根千」と略されている。山手線の内側にありながら、大がかりな都市開発を免れてきた一帯には今も下町風情が色濃く残り、ぼくらに東京の知らない表情を教えてくれる。最近では、古民家や工場の構造を活かしながらリノベーションするショップが増え、店主のセンスが漂うカフェや雑貨店などが昔ながらの商店と軒を連ねる街並みに。

そんな日常と商い、観光が交差する谷根千に、とあるホテルがオープンした。しかも、そのロケーションは最寄駅から徒歩10分ほど離れた寺院が密集しているエリアに。

2021年5月1日に開業した「ヤナカソウ」は、放送作家や脚本家などの多彩な顔をもつ小山薫堂さんが代表を務める「オレンジアンドパートナーズ」と、世界最大級の旅行コミュニティプラットフォームの「Airbnb」による共同プロデュース宿泊施設の第1弾。サービスのキーワードは、「民泊のもつ人の温かみとホテルの快適性」だ。誰かの家に招かれたときに感じる人の温かみや、ホストの紹介で街を散策したときのワクワク感を感じることができるのが民泊の醍醐味。それでいて、ホテルのようにプライバシーが守られていて、安全・安心な快適さを兼ねていることが「ヤナカソウ」がめざすサービスである。

それらがホテルにどう表れているのかというと、たとえばレストランやルームサービスが無い簡易型のオペレーションだ。

ファサードの暖簾を潜り、エントランスにたどり着くと、タブレットを活用した無人システムでチェックイン /アウトする。すべて事前予約制で現地決済はなし。システムや民泊利用者の特性を踏まえつつ、ゲストはストレスを感じることなく、ホテルとしては人的オペレーションを抑えることで省コスト運営を行うことができる。民泊とホテルの良さが重なる宿泊施設はありそうでなかった。そんな新しい体験をもたらすホテルが谷根千に開業したことにおもしろさを感じる。

INFORMATION

YANAKA SOW

住所:東京都台東区谷中5-2ー14
部屋数:13室
価格:¥17,600~/ 室
www.sowhotel.jp

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