意外とあるよね、日本のアメリカ。
2日目も、マウントラシュモア(ウエスタン村)、レッドウッド国立公園(日光街道の杉の巨木)と来て、ダイナーでは巨大ハンバーガーもバッチリ決めるという華麗なるアメリカコンボ。もはやこの頃になると、「Honda e」は、ただの移動手段ではなく、旅の苦楽を共にした相棒でしかない。
デザインも〈ホンダ〉の遊び心が詰まっていて、なんだかついつい擬人化したくなる。丸いんだけど流線型じゃない。内装はシックなんだけど質素じゃない。ハイテクなんだけど、どこかゲーム機のような懐かしさもある。トータルパッケージのバランス感が素晴らしい。
「朝、クルマを拭いてる時に、愛が芽生え始めてるな、と感じました」
キムラもボソッと呟く。
旅の終着点は、日本にあるリアルなアメリカ、横田基地。
旅の終わりはいつだって寂しいものだけど、今回はそれに加えて「Honda e」とお別れするのがなんだかとっても切ない。
エンジン好きだし、電気自動車を手に入れるのは遠い未来かと思っていたけど、今回の旅のお陰でその未来がぐっと近づいた。
EVって、もっと味気ない乗り物かと思ったら、ぜんぜん。「Honda e」には、むしろ味しかなかった。
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