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Honda eで日本のアメリカへ。
EV will be NEW NORMAL! Vol.1

Honda eで日本のアメリカへ。

コロナ禍のバカタレのせいで、海外旅行に行きにくいいま。でも、もう旅欲ははち切れんばかりにパンパンっす。そこで我々、考えた。「日本にいながらアメリカを感じるにはどうすれば良いか」。その答えが、日本にあるアメリカっぽい場所を巡るというこの企画。足も、普段使い慣れていないEVにすることによって、旅感がさらにアップするのでは? ということで、「Honda e」に乗り込んで、一路アメリカを目指したのだ。

  • Photo_Masaru Furuya
  • Text_Takashi Sakurai
  • Edit_Keisuke Kimura

街乗り推奨のHonda eを、無理矢理ロングドライブに連れ出してみた。

「もうそろそろやばくないですか?」

運転席でキムラがつぶやく。まったく小心者め。

我々が向かっているのはアリゾナ。いまは都心から東北道を北上中だ。

東北道の時点でアリゾナじゃないじゃん!というツッコミ、当然です。でも実はあるのだ。日本のアリゾナと呼ばれる場所が。

福島県にあるアリゾナこと、磐梯吾妻スカイラインを目指す旅。

今回はこのアリゾナを筆頭に、日本にあるアメリカっぽい場所を巡るという1泊2日のロードトリップ。総距離は軽く700kmを超える。「Honda e」の航続可能距離は259km(WLTCモード Honda e Advanceの場合)だから、最低でも3回の充電が必要だ。

左がフイナム編集部のキムラ、右がライターの櫻井。どちらも旅好きでアメリカでのロードトリップの経験あり。真ん中に映るのが今回の相棒である「Honda e」。

参加するのはライターの櫻井と編集のキムラ、そしてカメラマンの3人だ。ムサいおっさん三人旅の相棒は「Honda e」。“e”はもちろんELECTRICの“e”。〈ホンダ〉初となるEVだ。

日本では、まだまだ普及していないEV。その性能はもちろんのこと、急速充電ステーションなどのインフラはどうなってるの?など分からないことも多い。そこでいっちょ、実際にロングドライブしてみて、体を張って確かめてみましょうというのが当企画の狙いだ。

最初はドキドキだった充電関係も、やってみたら意外と楽勝!

「そろそろ充電を……」

キムラがまたつぶやく。すでに都心を抜けて、埼玉県に入っている。ここまでの走行距離は約70km。バッテリーはまだ40%ほど残っているけど、この先どのくらいの頻度で急速充電ステーションが出てくるのは未知数。とりあえず菖蒲PA(埼玉県久喜市)で一度試しに充電してみることにする。

充電ステーションに佇むオッサン2人。ほとんどの場合、現金ではなく専用のカードを使用して充電する。現在、急速充電と普通充電あわせて、全国に約2万器を超える充電ステーションがある。

ちなみに「Honda e」のメータースクリーンには常にバッテリー残量と航続可能距離が表示されているし、ナビからは付近の充電ステーションも検索できる。それによれば、おどろくほどたくさんの充電ステーションがあって、主要高速道路だったらほとんどのSAやPAに設置されている感じ。だから高速道路移動はこまめな充電さえ心掛けていれば、ほとんど問題は感じない。

初めての急速充電タイム。普段から見かけてはいた「EV QUICK」という青い看板が充電ステーションの目印だ。充電方法はいたって簡単で、ステーションのプラグを「Honda e」に繋いで、専用カードで認証すれば充電スタート。約30分で80%の充電が完了する。気になるコストなんだけど、1分あたり17.6円。30分で528円。満充電で約250km走行可能ということだから、ガソリン車と比べると圧倒的な割安感。

初めての充電体験。難しい操作は一切無し。「Honda e」にはAC電源が付いているので、充電しつつ、原稿執筆なんてお洒落なワザも決められる。

「これ、強制的にこまめな休憩を挟むことになるから、ロングドライブしてもあんまり疲れないですね」

まったくその通り。

個人的には電費を考慮しながら走るのが結構楽しい。耐久レースでの燃費計算に近くて、飛ばせば当然速いけど、燃料を入れるためのピットイン回数が増える。この「Honda e」での旅も同様で、電費と速度の兼ね合いを見極めてプランを立てるのだ。

30分の休憩時間は、「Honda e」からAC電源が取れるのでパソコンを使っての作業もできるし、昨日寝不足だというキムラはすでに寝息を立てている。充電中でもエアコン、オーディオ、その他すべての機能を使えるので、車内でも快適に過ごせるし、昼食などをこのタイミングにあてるのも良いだろう。

そこからも旅は順調そのもの。加速性能は驚くほど高いし、振動や騒音なんかも抑えられているので、高速走行にもまったくストレスを感じない。さらに1度の充電タイムを挟みつつ、福島県に突入した。

「なんか、もっといろいろあるかと思いましたけど、意外と普通にいけますね」

そうなのだ。なんだかすでに楽勝モード。一般道に下りる前に一応、充電しとくかねぇ、なんて感じで入った福島松川PA。

ステーションないじゃん!

一気に車内の緊張感が高まる。航続可能距離は残り36km。さっき立ち寄った充電ステーションで、余裕ぶっこいてフル充電しなかった過去の自分を引っぱたきたい。

「とりあえずクーラー切りましょう」

キムラは早くも臨戦態勢を整えている。

ナビに搭載された機能で付近の充電ステーションを探してみると、約20kmの距離にステーションがある。

「そこが故障とかしてたら、試合終了ですね……」

写真真ん中あたりに見えている電池マークで残量は一目瞭然。この時の表示は11%。この旅でもっとも攻めた瞬間だ。そのすぐ上にある青と緑のゲージは、現在の電池の使用量を直感的に教えてくれる。青が伸びると使いすぎ、緑が伸びたら回生ブレーキによる充電中。

すでにネガティブ状態のキムラ。すぐさま高速道路を下りて、福島の市街地を目指したんだけど、アレ? 航続距離が増えてきたぞ。そうなのだ。実は、通常のガソリン車と違って、高速よりも下道のほうが電費が良いという特性があるのだ(走り方によって電費が変わる)。減速時や下り坂ではモーターが発電機として機能するからアクセルを緩めたり、ブレーキを踏んだりすることが多い下道だと、この充電機能が発動するのだ。

そんな回生ブレーキに助けられて起死回生の充電ステーションへ到着。

いよいよアリゾナへ。日本離れした景色に驚愕。

ここから日本のアリゾナまでは、下道で23.8km。市街地を抜け、いよいよ峠を登っていく。登りが続くとやっぱりバッテリーの減りが早い。でも登った先には下りがある。がんばれ「Honda e」!

これが日本のアリゾナ。ホンモノのアリゾナは乾燥地帯のため、高い樹木が育たず荒涼とした景観になるが、こちらの場合は火山地帯がもたらした、荒涼感。標高1600mの浄土平がクライマックス。

およそ半分のバッテリーを残して、今回の最初の目的地である日本のアリゾナこと、磐梯吾妻スカイラインへ到着。ガスがかかっていて、アリゾナにしては潤っちゃってるけど、その荒涼とした景色は、圧倒的に日本離れしている。

その後は、ビューッと山を下っていくんだけど、ブレーキを踏めば充電ゲージがグイーンと伸びたりするから、積極的にブレーキを踏みたくなるという不思議な感覚。各種の安全運転支援機能と相まって、ものすごーく安全運転しちゃうのだ。

レイクタホとは、アメリカのネヴァダ州とカリフォルニア州をまたぐ、世界屈指の山岳リゾートエリア。猪苗代湖も湖と山の距離感は結構近いんだけど、カメラマンは田んぼに写る夕陽に向かってシャッターを切りまくる。たしかに綺麗だけど、すげー日本じゃん……。

日本のレイクタホこと、猪苗代湖(これはちょい無理があった……)を経由して、今回の宿である「Rakuten STAY MOTEL 日光鬼怒川」に無事到着。やっぱりアメリカ旅で泊まるんならモーテルに決まってる。ただ、アメリカの寂れたモーテルとは全然違って、通路に変な人がたむろってたりはしないし、室内もピカピカ。うちらが泊まった部屋は、ガレージ付きで、さらにはテラスでBBQも楽しめる。キムラにいたっては、速攻で半露天風呂に突進してた。

Rakuten STAY MOTEL 日光鬼怒川

ガレージハウスをコンセプトにした鬼怒川温泉にある「Rakuten STAY MOTEL 日光鬼怒川」。今回泊まったのは、その中でももっともゴージャスなガレージ付きの部屋。広さはなんと100平米で7人まで宿泊可能。同じコンセプトの宿は九十九里にもある。全室半露天風呂&BBQグリル付き。
住所:栃木県日光市鬼怒川温泉大原1440-15
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Vacation STAY

INFORMATION

HONDA e

公式サイト

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