各自の発信する複合体がYouthQuakeのムード。
ー それぞれ個人で行われている活動について、ざっくりと教えてください。
Arashi:〈アミダ(AMIDA)〉という着物を再構築して新しい洋服として表現するブランドをやっています。
Kazuho:“FAKE ASS FLOWERS”、略して〈エフエーエフ(FAF)〉というブランドをTsukasaとやっています。
Tsukasa:はい。Kazuhoと一緒に〈エフエーエフ〉をディレクションしています。最近では神戸の「ムクタ(Mukuta)」とコラボコレクションを制作して、ポップアップイベントを開催しました。
Kei:〈カーサービス(CarService)〉という、カーカルチャーからインスパイアを受けたことをアイテムに落とし込んで発信するプロダクトレーベルをやっています。
Senan:ぼくは主に絵を描いています。油絵が多いんですが、デジタルでも描いていて。クルーからの依頼だったり、クライアントワークであったりと、さまざまな形で制作しています。YouthQuakeに入ったのは1年ほど前ですね。もともとアメリカで生活していて、Bobbyと同じ学校だったんで、帰国するタイミングで合流しました。
Bobby:ぼくも絵を描いています。シルクスクリーン用いてキャンバスであったり洋服にアートを表現しています。

カーカルチャーにインスパイアされたプロダクトをリリースする〈カーサービス〉を手掛けるKei Hashimoto。神宮前のセレクトショップ「パルプ(PULP)」のクリエイティブディレクターとしても活躍中。 Instagram:@_hsmt
ー みなさん、アートやファッションの分野で活動されているわけですが、YouthQuakeらしいファッションというか、好みのスタイルなどはあるんですか?
Kei:ファッション観に関してはメンバーそれぞれバラバラで、逆にそれがいいと思っているんですよ。みんな自分がやりたいことをブランドなりアートで表現しているし、何か統一のムードに揃えて表現するということは考えていないんです。クルーだからと言って、何らかの縛りを設いるわけではなくて、本当にそれぞれ好きなものを着ていますね。
Tsukasa:ぼくらはガチガチのクルーというわけではなくて、もともと1994年生まれという共通項を持つ友達の集まりなので。Keiが言うように、各々が好きなことをやりながら、何か一緒にできることがあったら、プロジェクトごとにジョインしつつ、という形で自然体でやっているんですよ。
Kazuho:もちろん、好みの方向性が同じというのはありますけどね。それも付き合いが長いからっていうのもありますし。自分が好きなものを表現する手段がメンバーそれぞれに異なっている集団なんです。
Tsukasa:そういった意味で、クルーとして1つの同じ方向を向いてものづくりをしていくというのは、ぼくらにとって今後の課題なのかもしれないと思っています。
Kei:何でもかんでもバラバラにやろうっていうわけではなくて、フォトシューティングの際に、自分たちでスタイリングを決められるときはユニフォーム的に同じ服を着たりすることもあるんですけどね。たとえば、お揃いのコートを買ってきて、BobbyがYouthQuakeのロゴをハンドペイントで施したものを全員で着たりとか。少し前にリリースしたスタジアムジャケットも、販売用とメンバー着用分は色を分けて統一性を持たせたりしていて。そこでクルー感を表現したりもしています。

着物を再構築して現代にマッチする洋服として表現する〈アミダ〉をディレクションするArashi。 Instagram:@49_onrop_91
ー 全員で同じユニフォームのような服を着てメディアに出演するというのも、クルーならではの表現ですもんね。そう考えると、みなさんがそれぞれ表現していることが、いまのムードということになりそうですね。
Arashi:うん、そうですね。
ー やられている各ブランドを見返すと、ワークスタイルもあれば、モードな表現もあり、好みが異なっているのがわかります。でも、どこか古き良きアメカジの風合いがあるようにも感じるんですが。
Kazuho:たしかに、それはありますね。
Kei:みんな古着好きだったりしますからね。実際に自分もよく古着屋をチェックしていますし。
Senan:作業着としてオーバーオールで絵を描くことも多いんで、自然とそういうスタイルに寄る部分はあるかもしれないです。
Tsukasa:そうだね。本当の意味でワークスタイルっていう。実際に最近買った洋服もワークウエアと古着ばかりだったりします。

同クルーのKazuhoと共に〈エフエーエフ〉をディレクションするTsukasa。 Instagram:@_petitbayard