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情報よりも情緒を。京都のホテルが提案する、極私的エッセイの旅。
HIYORI CHAPTER KYOTO

情報よりも情緒を。
京都のホテルが提案する、極私的エッセイの旅。

2021年6月に京都市内にオープンした「HIYORIチャプター京都 トリビュートポートフォリオホテル」。世界最大級のホテルチェーンである「マリオット」の系列と聞くとちょっと身構えてしまいますが、実際に体感できる空間やサービスには温かい血がしっかりと通っています。それには、このホテルのオリジナルサービスである「手のひら一筆箋」がちょっと関係しているのかもしれません。情報よりも情緒を大切に考えているというその哲学は、京都に数多あるホテルのなかでも特異な存在感を放っていました。

  • Photo_Masaya Nakaya
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Komuta

情緒を楽しむためにホテルが提案すること。

結局のところ、ホテルの個性とは何か? そんなコアを突き詰めた思考の結果として、このホテル「HIYORIチャプター 京都トリビュートポートフォリオホテル」のオリジナルのサービスが生まれたそうです。

そのサービスは、エントランスロビーのすぐ近くにあります。それが「CHAPTER FACTORY」。ここには、「手のひら一筆箋」というショートエッセイ風の旅の物語が50枚、つまり50話分あります。この一筆箋には、観光スポットや今話題のショップなどの情報ではなく、書き手の視点による旅の記録が記されているんです。

書いたのは、お寺の和尚からホテルの支配人、パートの主婦や学生など京都の市井の人々。決して、何かのものや場所がオススメされているわけではありません。個人的な思いや視点、旅の記憶を味わい深く読むことができます。極私的なこのエッセイを元に旅をするもよし、単純に読み物として楽しむもよし。どちらにせよ、滋味深い旅の面白さを知ることになるはずです。

クリエイティブディレクター、編集者、ライターなど多種多様な肩書きで、全国のさまざまなプロジェクトを請け負う石野亜童さん。

このサービスの編集長を務めた石野亜童さんが考えるのは「情報よりも情緒を」。情報を消費するような旅、そして大きく言えばそんな生き方について疑問を投げかけます。「手のひら一筆箋」を読むと、場所の有名無名、規模感にかかわらず、そこで生まれる個人的な記憶、感情、視点の中にこそ旅の醍醐味があるのだと語りかけてくるような気がします。

百聞は一見にしかず。ここでは、亜童さんがこのサービスを発案する時にサンプルとして書いたという、一筆箋5枚を紹介します。

INFORMATION

HIYORIチャプター京都
トリビュートポートフォリオホテル

kyoto.hiyori-chapter.jp/
京都府京都市中京区河原町通二条上る清水町341番地

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