STYLE 1 ヴィンテージと間違うほどの完成度。
PROFILE
1977年生まれ。古着界のリーディングストアとして国内外から注目を集める「ベルベルジン(BerBerJin)」のディレクター。L.A.発のデニムブランド〈ヤヌーク(YANUK)〉のアドバイザーとしても知られる。近年のYALEのカレッジスウェット人気を引き上げた張本人。
Instagram : @yuttan1977
ー まず着用いただいたこちらのリバースウィーブ®︎は、通称“単色タグ”と呼ばれるなかでも1970年代後期に製造されていたタイプを復刻したものです。
タグが青字の単色で表記されているので通称“青単”と呼ばれていて、この辺りになると1981年~90年代のトリコタグに近い、ゆったりめのシルエットに変わっていきます。今回着用したモデルも、その辺の雰囲気が上手に再現されていますね。

ー こちらは「イエール(YALE)」大学の染み込みプリントが施されていますが、イエール大学のリバースウィーブ®︎=藤原さんというイメージを持つ人も多いかと。
ぼくは単純に好きで買っていただけなんですけどね。実際、カレッジプリントのなかではいま一番人気があると思います。市場価格も20万円オーバーはザラですし。
ー 仕上がりはいかがですか?
ぼくも山ほどリバースウィーブ®︎を見てきましたが、生地の風合いはもちろん、染み込みプリントもかなり忠実に再現されていますよね。一人のヴィンテージ好きとしてロマンを感じるところがたくさんあります。

ー 復刻ならではの醍醐味が存分に味わえますよね。藤原さんが着ると、より一層オーラを感じます。
20回ぐらい洗濯、乾燥を繰り返して1年ぐらい着込んだらプリントも馴染んでくるでしょうし、ヴィンテージに間違えられちゃったりしてね(笑)。そう感じるぐらい徹底的に研究してつくり込まれるんでしょうね。


ー 本当に間違えられそうです! ヴィンテージのようでもありながら、今回のようなキレイめの着こなしにもよくハマりますね。
このモデルはアームが太めで腕がもたつかずストレスもないので、リバースウィーブ®︎やヴィンテージスウェットを着る際によくやっているシャツとの重ね着も調子イイですね。今回は革靴やメガネといった小物使いでいつもよりちょっとカチッと合わせてみました。あと袖リブは長めなので、腕まわりのジュエリーや時計の邪魔にならないように折り返すのもぼくの基本です。
STYLE 2 “変わらない”。だから愛される。
ー 続いて着用いただいたのは、見た目こそリバースウィーブ®︎のままですが、素材はポリプロピレン100%の進化版。また通称“目無し”と呼ばれる、胸にCマークのない仕様もポイントです。
ぼくら世代は“目無し”はタマ数も少なくてレアと教わったので、ついつい条件反射で選んじゃいますよね(笑)。リバースウィーブ®︎は沢山持っていますが、ヴィンテージのそれとはまたちょっと違った肌触りが新鮮でした。デザイン的には70年代以前の細めのシルエットを意識したものでしょうが、少し濃いめの霜降りグレーは色落ちしたヴィンテージデニムとも相性が良く、古着好きの大人にも響きそうですね。


ー デザインのみならず、生地も従来比で23.5%の軽量化を実現。ふんわりとした風合いは残しながら断熱性と保温性に優れた着心地が特長で、速乾力も従来モデルの3.8倍です。
確かに着ていて通常よりも暖かったように感じました。それに速乾というのも嬉しいですね。しっかり厚みのある生地感がリバースウィーブ®︎の魅力ではありますが、それゆえに乾きにくいのが難点。そこをちゃんとアスレチックウェアとして機能的にアップデートさせている点はいいなと思いました。気兼ねなくラフに使えそうなので、息子のサッカーの試合を応援しに行く時なんかにも良さそう。

ー 改めてお聞きしますが、なぜ〈チャンピオン〉はこんなにも愛されているのでしょうか?
う~ん、“変わらない”からじゃないでしょうか。リバースウィーブ®︎だって低迷期もあったかもしれませんが、今でもそのままの姿で生き続けているじゃないですか。そうして今へと続く歴史こそが、すべての証明なんじゃないかなと思っています。
ー トゥルー・ヴィンテージに誰よりも触れてきた藤原さんにとって、〈チャンピオン〉のスウェットとは?
あくまで、ぼくにとっての基準ですが、やはり“デニムに合うモノ”でしょうね。自分のクローゼットを見渡した時にもっとも多いのがリバースウィーブ®︎を筆頭とした〈チャンピオン〉のスウェットたち。それだけ多く持っているのに、まだまだ探求しがいがあると考えると、これ以上の“オーセンティック”はないんじゃないかなと。〈チャンピオン〉は、「ベルベルジン」にとってもザ・アメカジショップとしての矜恃の象徴としてオープン時から扱い続けていますし、ぼく自身、これまでもこれからもずっと好きであり続けるでしょうしね。われわれ古着業界の人間にとって〈チャンピオン〉は絶対的な存在ですから。