想い入れがあるものがいいプロダクト。
ー 〈デサント オルテライン〉は職人たちの手によって丁寧につくられていて、鰤岡さんも家具をつくられています。お互いのプロダクトを眺めた時に、どこかリンクする部分はありますか?
鰤岡:ぼくがつくる家具は、パッと見は工業製品のように見えても、実は手作業が多いんです。そういうのがぼくは好きなんですよ。職人丸出しみたいなのがあまり好きではなくて、どこかクラフト感が見え隠れするような感じというか。個人名が前面に出るよりも、ブランド名で売っていきたいというのがあって。だから〈デサント オルテライン〉も、これだけのプロダクトを実は職人たちがつくっている、というところになんだか共感を覚えます。


ー 服を選ぶ時に、職人目線で選んでしまうことはありますか?
鰤岡:ひとりでやっているメーカーやブランドは応援したくなりますね。あとはこだわりが強いものとか。〈エンズアンドミーンズ〉というブランドがぼくは好きで、個人的にも仲がいいんですが、よく着ています。実は最近、白いワークパンツをつくってもらったんです。
ー 今日穿いているパンツですか?
鰤岡:そうです。ダブルニーなんですけど、通常のものは生地が厚くて夏場に向かなくて。だから薄手の生地でオーダーしました。あとは家具を運ぶ時にパンツのリベットで傷がついたり、汚れに気づかずペンキを移してしまったりとか。そうゆうことをなくすために傷がつかなくて、汚れているのが分かるように白いパンツにしてもらったんですよ。それと丈はやや短めにしてもらいました。ロールアップしていると、木屑が裾に溜まってしまうので。

ー やはりそうした実用性を服に求めるわけですね。
鰤岡:そうですね。作業着を買って着てみると、しっくりこないものもなかにはあって。それだったら自分でデザインを考えてつくってもらうしかないなと。実用性は大事だけど、かといって変なものは着たくないので。やっぱりいい服を着たいじゃないですか。
ー 鰤岡さんが思う「いいプロダクト」って、どんなものですか?
鰤岡:想い入れがあるものがいいプロダクトなんじゃないでしょうか。愛情ですよね、ひとつのものに対する。例えば、お父さんが日曜大工でつくった家具とかって、すごく素敵だと思うんです。家族のためという愛情か、もしくは自分が欲しいという想いでつくっているわけだから。ぼくもそういう気持ちは忘れずにいたいな、と常に思っています。

築70年の古民家をリノベーションした鰤岡さんの自宅。手前に建つ小屋は妻・和子さんの焼き菓子の工房。
ー そういう意味で鰤岡さんと〈デサント オルテライン〉のプロダクトの間には、ストーリーがありますね。
鰤岡:おっしゃる通りです。このブランドをすすめてくれたふたりに対して信頼があったし、実際に着てみて本当に魅力的に感じたんです。だからいまも愛用していて、うちの家族にもすすめるほどですから(笑)。
ー 今後、〈デサント オルテライン〉に期待することはありますか?
鰤岡:以前、ダウンパンツがあったんですけど、もうつくってないみたいなんですよ。あれをまたつくってほしいですね。あれも工房で穿いていて。願わくば、もう少しシルエットがゆるいと嬉しいです、すごく個人的ですけど(笑)。あとはもう「水沢ダウン」と「GORE-TEX」の組み合わせが出たから言うことないですよ。それだけで十分です(笑)。

GORE-TEX PRO X-TREME SHELL BLOUSON 過酷な環境のために開発された「GORE-TEX Pro プロダクトテクノロジー」を採用。表地はリサイクルナイロンを使用し、加工によってテクニカルな風合いを抑えた、ナチュラルな見た目になっている。裏地は原液着色の軽量で丈夫なナイロン織物で糸を染める工程がなく、染色時に水を使っていないので環境への負担が少ない。装飾を限りなく排除したソリッドなデザインながら、六角形のスナップボタンを用いるなど、細かな部分にブランドらしさを感じるデザインになっている。フードは取り外し可能。¥75,900