90年代のアメカジの潮流がリバイバルしている。


ー BEAMS別注のキルトジャケットを着ていただいた感じはいかがでしたか?
先ほど着たインラインのキルトジャケットとサイズが違うかもしれないですけど、ややオーバーサイズでシルエット的にいまっぽい感じはしましたね。色づかいもネイビーで着やすかったです。
初心者はいきなり定番のミリタリーアイテムやワークアイテムを取り入れると、手持ちの服に合わず着こなしのバランスが崩れてしまいますよね。こういうアイテムは、そんなワークな雰囲気を注入したいときに、真っ先に手に取りやすいアイテムだと思いました。
ー コーデュロイの襟が付いたことで、よりワークな香りが強くなりましたよね。
そうですね。インラインのキルトジャケットより大人っぽい感じが強くなったので、きれいに合わせるスタイリングがなじみそうですね。たとえばタートルニットにウールのスラックスを合わせて、足元は白スニーカーで……みたいな。あとはやや大きめのシルエットなのでジャケットやセットアップとかのアウターとしても取り入れられそう。自分が着るならニットを合わせるかもですね。

ー 実はこちらに、すべてのキルティングアイテムの元になった「キルティングオーバーコート」が……アーカイブから出てきたそうです。
カッコいいですね! インラインよりも硬くてタフなナイロンキルトを使っていて、全体的にハリがあるし、一周まわってモードな香りもします。コレクションブランドがランウェイで取り入れそうな感じかも。個人的にこれを現代風にして商品化して欲しい(笑)。リバイバルしたら売れるかもしれませんよ、ホント。
歴史あるブランドはこういうアーカイブがあるのがいいですね。そのアーカイブをモダンに進化させるのもいいし、あえてリバイバルで同じものを出してもおもしろいですよね。

ー 豊島さんが〈ユニバーサルオーバーオール(UNIVERSAL OVERALL)〉で別注をつくるとしたら、どんなアイテムがよさそうでしょう?
すでにアイテムが完成されているので、大幅に味付けするのではなく、ちょっとしたニュアンスをつけるぐらいがいいと思いますね。たとえば、カバーオールなら、素材をすべてコーデュロイにするとか。もしくはアーム部分をもっと太くして丈を短くするとか、あえて古着にありそうなシルエットにするのがいいかなと思います。あとは裏表で別素材のリバーシブル仕様にしてみるとか。やっぱり素材が替わるだけで、劇的に印象が変化するので、もし別注アイテムをつくるならそういった試みをしていきたいですね。

ー 現在のワークアイテムや着こなし方の潮流を、豊島さんはどう感じていますか?
いま、沸々とワークやミリタリー、アメカジといった昔の “渋カジ” 的なスタイルが気分になっている感じはしています。そのなかで、カバーオールとかGジャン、MA-1などが再認識されてきているので、ワークアイテムを取り入れやすい雰囲気にはなっていると思います。
若い世代には、定番っぽいアイテムが逆に新鮮に映ってきている風潮はあるかも。例えば、ゴリゴリのダック地のカバーオールも今、着る方が面白かったり……。セレクトショップの流れを見ても〈レッドウィング(REDWING)〉にデニムを合わせる……みたいなスタイルが多いと思います。
ー たしかに、90年代のスタイルがリバイバルしている潮流はありますよね。
そういう流れはあると思います。自分的にもワークウェアをまた取り入れていきたい気分はありますね。アメカジ回帰ではないですけど、これから90年代のアメカジスタイルがトレンドになっていきそうですよね。
