‘47 CLEAN UP 左から順に¥3,520、¥3,850、¥3,520、¥3,520、¥3,520
PROFILE
10代の頃よりヴィンテージショップで働き始め、その後、原宿の名店「ロストヒルズ」のバイヤーに。2011年に独立し、フリーランスとして活動。昨年、自身が手掛ける横浜の店舗を移転させ、東京・奥渋谷エリアの富ヶ谷に「ミスタークリーン」をオープン。1年のうち約180日間はアメリカへ渡って買い付けを行っており、日本各地の古着店やセレクトショップ、リメイクブランドなどに卸している。また25年を超えるキャリアで培われた豊富な知識と確かな目利きにより、フイナムの名物企画「古着サミット」では初回から8年にわたってレギュラーメンバーを務めるほか、多くのメディアに頼られる業界のご意見番。
kurikurivintage.shop-pro.jp
キャップは欠かすことのできないバランサー。
ー 栗原さんといえば帽子姿がトレードマーク。なぜ、そんなにお好きなのですか？
帽子を頻繁にかぶるようになったのは10代の頃。当時はスケボーをやっていたので、それがキッカケになったと思います。また現在のように丸刈りにする以前は、ヘアスタイルをセットしなくてもボサボサの髪を隠せるというモノグサな理由もありました。
あとコーディネートの主役にも名脇役にもなり、調整係としても便利なんです。洋服と色を合わせたり、アクセントとして効かせたり、帽子でバランスを図ってスタイリングを仕上げる。シューズを選ぶ感覚に近いかもしれません。
ハットも多少は持っていますし、たまにニットキャップもかぶりますが、ほとんどがツバ付きのキャップですね。しかもアウトドア系を除いては、全部といっていいほどベースボール型ばかり。おそらく50～60個はあるはず。正直、そこまで熱心な野球ファンでもないんですけどね（笑）。ただプロもカレッジも、エリアごとの野球チームはそれなりに把握しています。やはり、その街では地元チームの古着が出てくるし、チーム名とチームカラー、本拠地、ロゴやマスコットキャラクターは仕事柄ひととおり覚えていますね。
ー 取り立てて野球好きでもないのに、それだけ大量のベースボールキャップを持っているのも面白いですね。
アメリカが大好きで、アメリカの洋服を着ているから、ですかね。アメリカの帽子といえば間違いなくベースボールキャップが代表格。やっぱりアメカジに一番シックリと来るし、逆に少しキレイめな服装にはハズシにも使える。すごく重宝するので、古着も新品も問わずついつい手が伸びてしまいます。
選ぶうえで強いこだわりはありませんが、クラシカルな浅めのフォルムが好きです。加えて、ある程度はバックグラウンドも気にしますね。ここに並ぶキャップであれば、LAには頻繁に行くのでドジャースはOKだけど、縁もゆかりも思い入れもないチームはデザインが気に入ってもかぶらない。些細なことでも、こじつけでもいいので、自分との接点や何かしらの理由があったうえで選びたい。そこまで考える必要はないとも思いつつ、背景にあるカルチャーやストーリー、ウンチクといった情報を知っているとコーディネートの説得力が増すし、よりモノを楽しめて愛着も増しますよね。
その反面、ディテールへの執着はありません。素材もコットンやウール、ナイロンもかぶるし、合わせるスタイリングや季節で使い分けています。とりわけコットンのタイプは汎用性が高く、オールシーズン活躍する。しかも汚れたら気軽に洗えて、何かと勝手がいいですね。
写真最奥は、フラットなバイザー&深めのフォルムが特徴の「‘47 CAPTAIN」。こちらは〈カーハート〉とのコラボモデル。
