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77サーカとワイルドシングスが教えてくれた、ミリタリーウェアを楽しむための、いくつかのアイデア。
77circa × WILD THINGS Luster Print M-48 Test Sample Coat

77サーカとワイルドシングスが教えてくれた、ミリタリーウェアを楽しむための、いくつかのアイデア。

古着の再構築の名手〈77サーカ(77circa)〉と近代ミリタリー・ブームを牽引する〈ワイルドシングス(WILD THINGS)〉が再び邂逅。M-48テストサンプルをベースに、M-65フィッシュテールパーカのディテールを取り入れた「Luster Print M-48 Test Sample Coat」をリリースしました。そのデザインに込めたポイントやこだわりを、〈77サーカ〉のデザイナー森山さんに伺いつつ、古着やミリタリーに造詣が深い栗原さんも招き、玄人目線の感想をいただきました。さらには、このコラボアウターを着こなす男女3名によるスタイルサンプルまで。薀蓄話だけにとどまらない本コラボのファッションとしての魅力を、多角的に迫ります。

こだわったのは生地の光沢感。

ー 〈77サーカ〉と〈ワイルドシングス〉は、昨年に続いて2度目のコラボレーションです。

森山:前回はモンスターパーカでコラボレーションさせてもらいましたが、今回は中綿のプリマロフトを薄くして、もう少し長いシーズン着られるようにしました。

栗原:確かにモンスターパーカは、中にスウェットを着るくらいで十分暖かかったですね。

森山:何枚もレイヤードできるほうが、オシャレを楽しんでもらえると思いまして。中綿を薄くした方が軽くなるし、ウエストのドローコードを絞って体に密着させると、薄くしても十分暖かいんです。そして、ウエストを絞ることで生まれるドレープ感も、中綿を薄くした理由です。

ウエストのドローコードを絞ることで美しいドレープが浮かび上がる。

ー 生地全体に施されているプリントの光沢感が、ドレープによって際立ちます。

森山:薄いナイロンに、オリジナルカラーをプリントして光沢を出しています。このアウターは、生地ありきで企画したもの。スポーティなナイロンの質感が好きで、そんな表情のコートが欲しかったんですよ。この2枚のジャケット(〈JCヒギンズ〉のアノラックと〈バットウィン〉のサテンジャケット)を工場に持ち込んで、何パターンかカラーサンプルを作ってもらい、中間くらいの鈍い光沢が出るプリントにしてもらいました。ブラックは一番光沢を出して、逆にオリーブはそこまで光沢を出さないようにしています。

本コラボの生地のターゲットになった〈JCヒギンズ〉のアノラック(左)と、〈バットウィン〉のサテンジャケット(右)

栗原:オリーブは、フライトジャケットのセージグリーンっぽくていいですね。

森山:オリーブを着る人は、そこまで光沢がいらないのかなと思ったんですよ。シルエットとディテールは最初から決めていたので、プリントと中綿の調整に時間がかかっちゃいました。ナイロンとプリントにも相性があって、生地次第で光沢感が違うから、いろいろと比べました。

栗原:基本的にディテールはシンプルだけど、光沢感がデザインに生きていますね。シルエットが大きいから、なおさらそう感じます。

森山:大きいシルエットをコットンで作ると、のっぺりとして、デザインに物足りなさを感じちゃうんです。特に沈んだ色のアウターには、デザインの主張が欲しくなります。でも、薄い生地に光沢を持たせれば、動きによって見え方が変わって、デザインとして映える。

INFORMATION

77circa

es-77circa.com

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