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それぞれのペット物語。-ネコ編-
I ♡ CAT

それぞれのペット物語。-ネコ編-

まだまだ続くコロナ禍にロシアのウクライナ侵攻など、なかなか明るい未来が見えづらい世の中。少しネガティブな気持ちになりがちな状況ですが、ペットとの暮らしは、ふとした瞬間に癒しや人間関係では得られない気づきを与えてくれます。そこで今回はあのラッパーやアーティストなど、ネコ好きの方がどのような日常を過ごし、どんな思いでいつも傍らにいるのか? それぞれのネコとの日常を覗かせてもらいました。

01:Kick a Show×半蔵

PROFILE

Kick a Show

渋谷·中目黒·恵比寿を拠点とするシンガー。数々のブランドのヴィジュアルにモデルとして起用されたり、現在は渋谷にある「不眠遊戯ライオン」に勤務するなど、多方面で才能を開花させている。2020年よりROVIN(JABBA DA FOOTBALL CLUB)、Buddy、Sam is Ohmらとコレクティブ·ユニットのB-Lovedを結成し活動中。
Instagram:@kickashow

愛して幸せにした分だけ、幸せを分けてくれる存在。

東京に出てきて丸8年、上京してずっと同じ家に住み続けるKick a Showさんにある日訪れた、半蔵(はんぞう)との出会い。休日はあまり外に出ず、一日中一緒にいることも少なくないと言うほど溺愛する愛猫の存在は、大切な家族そのものです。

ー 半蔵という名前、すごく個性的で変わってますよね。名前の由来を教えてください。

Kick a Show:最初から和名にすると決めていて、はじめて一緒にボール遊びをしたときに、驚くほどの立ち回りを披露したんですよね。カーテンを上までサッとよじ登ったりする姿を見て『まるで忍者みたいだ…』と思ったので、実在した忍者と言われている、服部半蔵から拝借して名付けました。

ー 半蔵とはどのように出会ったのでしょうか?

Kick a Show:もともとネコを飼いたいと思っていた時期があって、散歩中に仲良くなった近所のノラネコを保護しようかと考えていたんですよね。そんなある日、知り合い伝てにブリーダーさんを紹介してもらって、オフィスに遊びに行かせていただいたんです。そこで、数十匹のネコが元気よく駆け回る中、半蔵だけがケージの隅っこでジッと動かず、まん丸な目で自分を見つめてきたので、ひと目ボレのようにビビッときたのがきっかけです。

ー そんな運命の出会いから一緒に過ごすようになり、半蔵がいて良かったと思うのはどんな瞬間ですか?

Kick a Show:帰宅すると玄関まで迎えに来てくれて、何かをひたすら話しかけてくれる瞬間が嬉しいんですよね。半蔵の行動や表情を見ていると自然と笑顔になっちゃうんですよ。間違いなく日々を癒してくれる存在ですし、1日の幸福度が以前と比べて格段に上がりました。

ー 半蔵はどんなネコだと思いますか?

Kick a Show:行儀のいい3歳児くらいの子供に近いような気がしますね。子供がいないので何とも言えないところですが(笑)。家の中では、トイレだろうとお風呂だろうと付いていくるし、遊んでほしいときはボールを持ってくるし。とにかく甘えん坊でぼくの友達にもすぐ懐くけど、粗相はしない良い子です。

ー ネコなのに、イヌのような性格ですね(笑)。半蔵のお気に入りアイテムがあれば教えてください。

Kick a Show:ファンの方からいただいた、マタタビ入りの動く魚のロボットが1番のお気に入りです。でも、マタタビを与えるとずっと溶けたようにデロデロするので、『猫っぽい半蔵は半蔵じゃない』という、ぼくの勝手な理由から留守番を頑張ったときにしか見せないようにしています(笑)。

左上/半蔵用に購入したおもちゃは、いろいろ買った結果、結局1番安価だったネコじゃらしが1番のお気に入り。右上/ニュージーランドのコーヒーロースターカンパニー「Coffee Supreme」と以前Kick a Showさんがコラボした時に制作したマグカップを、半蔵の水飲み用に。左下/今はキャットタワーにいることが多いので、使わなくなった半蔵用のクッション。エサは自動で出てくる最新機器を使用。右下/Kick a Show家に来たばかりの半蔵の姿。

ー 現実的にネコ(動物)を飼うということに対し、捨てネコだったり色々な問題もあると思います。その点についてはどうお考えですか?

Kick a Show:ネコもイヌも爬虫類も鳥類も魚類も、ペットとして人間と共存しやすい動物ですが、人間のエゴによって外に捨てられてしまうことも多いのが現状です。ネコにはノラというジャンルがあるほどに、都会の街に捨てられています。桜耳の野良猫(※)も含め、そんな可哀想な思いをさせるのはやめてほしい。それに尽きます。不甲斐ないですが、僕は半蔵を迎え入れてからその現実に気付きました。野良猫の現状はもっとシビアなので、皆さんにもっと調べてもらいたい。調べていただいて何を思っていただいても、その行動だけでぼくは嬉しいです。

ー ただ可愛いだけではなく、その先のことを考えることが大切ですよね。

Kick a Show:ペットを飼うというのは、家族を迎え入れるということです。人間より小さい心臓を持って生きている彼らを、出来る限り幸せにしてあげる。ぼくに出来ることは少ないですが、音楽活動を続けていく中で、半蔵キーホルダーというグッズを作って、その売り上げを貯蓄しています。そしていつかまとまった金額になったら、ネコの保護活動をしている団体に寄付しようと考えています。人間が彼ら(ネコやイヌなどの動物)を幸せにした分だけ、ぼくらもまた彼らから幸せを分けてもらえるということを半蔵から教わりました。これからペットを飼おうと思っている人も、すでに飼っている人も、彼らのことを心の底から大切にしてあげてください。

※桜耳の野良猫:通称さくらねこ。捕獲されて去勢手術を受け、耳の先端をさくらの花びらのようにV字型にカットされた野良猫のこと。主に殺処分ゼロを目指す地域猫活動に取り組む猫愛好家たちによって行われている。

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