オールブラック、シルエットも洗練されている。
ー 続いて、〈エーグル〉のアイコンであるラバーブーツですが、今回プロポーションが再考され、緩やかな曲線を描くシャープなシルエットになりました。まずは信之さんのコーディネイトから聞きたいと思います。イレギュラーなヘムのスカートと合わせた、新鮮なアイデアについて教えてください。
信之:〈エーグル〉にはフレンチベースのトラッドな雰囲気を感じます。そこに、コートと同じく〈エチュード〉に寄り添うようなイメージで、さらに、自分が素直に着たいスタイルを考えたとき、全体的に一段階ギアを上げるような感覚が湧いてきました。前々からぼくら2人ともスカートをよく穿いていたんですが、今回選んだスカートの丈はちょうどよくブーツのレングスを見せることができる。レザーではなく、ラバー素材だからこそ質感でみせるということが、着方の提案としても面白いと思ったんです。
Nobuyuki’s Boots Style


「ブーツの質感をきれいに見せるとき、ナイロン系とか異なる素材の質感を同じカラートーンで組み合わせると際立つと思ったんです」。〈エーグル〉ラバーブーツ ¥30,800、ジャケット ¥53,900(共にエーグル カスタマーサービス)、〈クレイグ グリーン〉シャツ、〈アキコ アオキ〉スカート(共に本人私物)
ー トップスはどのような視点でチョイスされたのですか?
信之:このブーツはシルエットもタイト目でモードとの相性はすごくいいなと思って。ゴアテックスを使った〈エーグル〉のフィールドジャケットが品よく見えたので、光沢感のあるシャツと組み合わせました。上下の服の素材感を合わせつつ、足元だけ変えることでスタイリングの面白さが出せると感じたんです。その方が現代的な見せ方になるんじゃないかと。
正明:いいよね。一方でちょっとクラシックなジャケットを着たら、20世紀はじめのファーマースタイルにもなる。だから、クラシックをしっかりアップデートしているんだなと感じましたね。
Masaaki’s Boots Style


「ポジティブな意味で、このブーツを特別にスタイリングしようという意識はなかったかもしれません(笑)。それくらい普段の格好にナチュラルに馴染みました」。〈エーグル〉ラバーブーツ ¥27,500、ベスト ¥25,300(共にエーグル カスターサービス)、〈アニエスベー〉Tシャツ、〈JW アンダーソン〉パンツ、〈カルティエ〉リング、〈エルメス〉リング、〈ヴァーグウォッチ〉腕時計(すべて本人私物)
ー シンプリシティを追求しながら新しいラスト(型)でつくったブーツですが、正明さんは〈エチュード〉が参画する前のオーセンティックなブーツも持っていらっしゃるとか。
正明:はい。普通にタウンユースとして使っていて、合わせやすい靴だったんですが、思い返すとハーフパンツとかアウトドアの要素があるアイテムに合わせて履いていましたね。今回のブーツはアップデートされていて、ソールもオールブラックだし、シルエットも洗練されていて、サイドゴアブーツを履くのと同じような感覚でスタイリングできると思いました。レインブーツとして十分なのはもちろんなんですけど、一般的な長靴ではなかなか難しいフレアデニムでもデザインが効いてるパンツでも合わせられます。だから、いつものマインドの延長線上で取り入れることができたんです。
ー まさにお二人とも普段から履いてそうな印象です(笑)。
正明:それくらい今回のブーツは “あえて” な感じを出さずとも何にでも合わせられます。