体の信号を戻すために、自然を走る。
ー 潔さんは現在、どんな生活を送っているんですか?
潔:ほぼ毎日、山に行って遊んでます(笑)。そこにお客さんがいれば仕事だし、いなければロケハンになっている感じ。クライミングももちろんやっていますし。
ー 家にいる時間は少ない?
潔:家が嫌いなんです、暗くて寒いので(笑)。
ー いつから山の世界にのめり込んでいったんですか?
潔:小学校3年生になったら、蓼科山(八ヶ岳連峰の北端に位置し、標高2,531mを誇る山。諏訪富士とも言われる)に登るのが我が家の決まりなんです(笑)。そのくらいから毎年1、2回は山に登って、中学生になったときは改(潔さんの双子の兄。今回のカメラマンでもある)と2人で浅間山に登ったりしてました。本当に好きだなと思ったのは、高校のときに参加した1週間の山のプログラム。3泊4日で表銀座を縦走(北アルプス山麓の中房温泉を起点とし、合戦尾根を登り常念山脈を大天井岳まで縦走し、東鎌尾根の喜作新道を経て槍ヶ岳へ至る登山コースの名称)して、初めてテン泊(テント泊)したんです。プランニングも全部自分たち。そのなかにクライミングと沢登りがあって、そこからがっつり好きになった感じです。
ー いまは、トレイルランニングも頻繁にされていると伺いました。
潔:だいたい週に2回ほど行っています。ぼく、一般の人以上に自分の体が動かなくなるのが気持ち悪いんです。クライミングって全身を動かす運動だから、そうしたときに「あ、このホールド持てなくなってる」とかってなるんです。自分の運動能力が落ちているのを感じるのが嫌で、そのときは必ず走ります。体を使うためにトレランをしているんです。体の信号を戻す感覚。
ー その際のギア選びでこだわっている部分はありますか?
潔:「動きやすさ」のひとことに尽きます。もちろん見た目も。その点「ナイキ トレイル」のアイテムは大好きで。
ー 具体的に、ほかのメーカーと比べてどう違いますか?
潔:背中のポケットとか、チャックとか、バックルの紐とかも好きですね。ひとつひとつ気が利いてる。それと、シューズもとてもよかった。ぼくのトレランシューズを選ぶ基準は、疲れる部分が筋肉であるかどうか。たとえば、クッションが効きすぎるものは、筋肉以外の疲労度が増したりする。逆に、ベアフットのシューズは衝撃が直にくる。このシューズは硬すぎず、柔らかすぎず、結構絶妙なバランスで成り立っていると思うんです。