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あの人がトレーニングにハマるワケ。
MONTHLY JOURNAL Aug 2022 vol.2

あの人がトレーニングにハマるワケ。

モテたい、痩せたい、Tシャツが似合うようになりたい... 筋トレを始める理由は人それぞれ違えど、続けていくうちに誰しも共通して気づくのが、メンタルへのポジティブな影響です。日々の積み重ねで体つきが変わると同時に、不安やストレスをトレーニングにぶつけることで、心も健康に生まれ変わっていきます。やらない理由なんてない、あとは重い腰を上げるだけ。そのきっかけに、筋トレを始めて良かったと口を揃えて話す、3人の鼎談をお届けします。

やっぱり“モテたい”が鍛えるきっかけ

左から、高畑 誠さん(A_UNN PR)、秦 拓也さん(BEAMS)、鈴木真悟さん(1980inc.)

ー 今日はフィットネスの魅力を伝えるためにファッション業界のトレーニー各位にお集まりいただきました。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

秦:「BEAMS」プレスの秦です。オフィスの下にあるゴールドジムで4年前からトレーニングをしています。

鈴木:「1980inc.」という会社を運営しています、鈴木です。9年ぐらい前からずっとキックボクシングでフィジカルトレーニングをしていたんですが、筋トレを始めたのは3年前からですね。

高畑:「A_UNN PR」の高畑です。ちゃんと筋トレをやり始めたのは4年前くらいから。途中に半年休んでしまった期間があったりして、いまはマイペースに身体を動かしています。

ー 皆さん、なぜ筋トレをしようと思ったんですか?

鈴木:純粋に、モテたかったからです(笑)。でもそれは、異性にってわけじゃなく、男女問わずみんなから。男らしい方が頼りがいがあるし、カッコいいじゃないですか。そのために以前は有名なトレーナーさんに教わって、格闘技の練習を週に1回していたのですが、あくまでも自重で瞬発力を上げるトレーニングなんですよ。パンチやキックを素早く的確に打つためだったので、体はなかなか仕上がっていかなくて。

「格闘技やってるんだよね」って言っても、体が普通なので、海に行ったときに「全然じゃん」って言われちゃうみたいな。それで筋トレを始めてみたら、世界が劇的に変わりましたね。

秦:ぼくも鈴木さんと同じ理由です。海でモテたいし、Tシャツ一枚でもカッコいい男になりたかったんですよ。Netflixで『HOMIE KEI 〜チカーノになった日本人~』っていうアメリカ極悪刑務所を生き抜いた日本人の映画を見て、白Tを着こなすには筋肉が必要だと思って。そういうシンプルな服装が似合う男に憧れたんです。

鈴木:最近は若い子でも秦くんみたいな考えの人が多くて、20代のスケーターの子たちと話していると、みんな筋トレをやりたがってるんですよ。ぼくが通っているゴールドジムでも若い子をよく見ます。

秦:そうなんですか! いい流れですね。

鈴木:「なんで鍛えたいの?」って聞いたら、「このヒョロヒョロだとマジでモテないんです」って。

高畑:韓国の男性アイドルグループや著名人の影響もあるかもしれないですけど、細マッチョになりたいっていう人は結構多いんでしょうね。

ー 韓国の男性は兵役があるので、体が仕上がっている人が多いですよね。高畑さんはどうしてトレーニングを始めたんですか?

高畑:みんなとは少し理由が違って。40歳手前くらいから、疲労が抜けにくくなったり、血流も悪いなと感じるようになったので、逆に身体を動かそうって思ったのがきっかけです。以前はジムに通ってたのですが、コロナ禍で一時期閉鎖していたじゃないですか。そのタイミングで、懸垂やディップスができるチンニングスタンドを買ったんです。それから家トレに切り替えました。

秦:家トレ、ぼくは絶対にできないです。どうモチベーションを保っているんですか?

高畑:ストイックに全身を鍛えてるわけじゃなくて、大円筋とか広背筋がメイン。だから、短時間で集中して、今日はここを追い込んだらシャワーを浴びようとか、そういうラフな感じで続けています。背中の筋肉がつくだけで、体型はよく見えますからね。

ー 筋肉が増えると服が似合わなくなるという意見もありますが、その点についてはどう思いますか?

高畑:すぐにデカくなることはないので、理想の体になった時点で維持するトレーニングに切り替えるのも手ですよね。それに、引き締まった体格の方が似合うファッションも多いと思うんです。秦くんが話していたTシャツだってそうですし、いま流行っているオーバーサイズのスタイルもそう。

鈴木:外国人みたいにスーツをスマートに着こなせるのもカッコいいですよね。ダブルブレストとか、いつか着てみたいですもん。

トレーニングを始めてから良いことしかない!

ー トレーニングを始めて変わったって思うことはありますか?

鈴木:若返ったねってよく言われます。いま40歳なんですけど、30代の頃より若く見られることが増えました。自分で会社をやっているプレッシャーもあるなかで、筋トレがストレス解消になっているからなんでしょうね。仕事のイライラが爆発寸前になった時とか、一旦ジムに行ってトレーニングすると、すごくスッキリするんですよ。

秦:それはわかります。ぼくは夜ジム派なので、仕事が終わる22時頃から終電までの2時間で、その日のストレスをトレーニングにぶつけてますね。「クソー!!」みたいな感じで(笑)。

高畑:やっぱりメンタルへの影響が大きいですよね。身体を動かすだけで内側から出てくる充実感がある。溜まっていたストレスが発散されて、それが若々しさに繋がって、良いマインドを保てるんだと思います。

ー 身体を動かすことでポジティブになれますし、頭がクリアになる感覚はすごく分かります。

秦:メリットしかないんですよね。筋トレを始める前といまでは、生活のリズムも全然違います。筋トレの後は、お酒を飲まない方が良いって言うじゃないですか。ぼくの場合、むしろアルコールがいらないぐらいスッキリしてますね。睡眠の質も上がるので、不眠症の人にもオススメです。

ー 秦さんは以前、かなり飲む方だったんですよね?

秦:いまもお酒は大好きなんですけど(笑)、筋トレした日は飲まないので勝手に休肝日ができました。食生活もめちゃくちゃ変わりましたね。

高畑:逆に自分は毎日お酒を飲んでるからプラマイゼロじゃないですけど、身体を動かしてるから気持ちよく飲めるっていうのはありますね。筋肉って、ストレスを感じると落ちていくっていうじゃないですか。

だから、モチベーションを保つためにも、日常生活にストレスを与えたくない。「筋トレ=ハードに続けなきゃ」とは思わず、楽しく身体を動かすようにしてます。あと、サプリにも興味を持つようになりました。プロテインはもちろん、EAA、グルタミン、クレアチンも飲んでます。食事で補える栄養素には限界があるので。

ー 確かに、実際に野菜から摂取できる栄養はそんなに多くないと聞きます。

高畑:プロテインは太るというイメージを持ってる人もいますが、ボディメイクにいいことしかない。飲みながら軽めのトレーニングを続けるだけでも、体にハリが出て健康的になると思います。

ー 食生活以外にもいい影響はありましたか?

鈴木:筋トレっていろんなスポーツに繋がるんですよ。趣味のゴルフも飛ぶようになったし、サーフィンも調子良くなってます。始めてよかったなと、常々思いますよ。

高畑:問題は、始めることへのハードルを高く感じるかどうかでしょうね。

鈴木:重い腰を上げるためのきっかけが、例えばファッションでもいいんじゃないですか。

秦:形から入るのも全然アリだと思います。

フィットネスとファッションを同時に楽しむ

ー 最近のランナーはファッションも楽しんでいる人が増えてると思いますが、筋トレとなると、そうしたイメージはあまりないのかもしれません。皆さん、服装について思うところはありますか?

鈴木:ぼくもよく走るんですけど、確かにお洒落なランナーが増えましたよね。ランニングに注力しているスポーツブランドも多いし、ファッションシーンに浸透したランニングブランドも出てきた。でも、筋トレとなると「…」って感じですね。

高畑:筋トレに特化したアパレルはありますが、ランニングやアウトドアブランドのようにファッションとして身につけられるものは少ないですよね。

近いもので言うと、いまゴルフの勢いがスゴいじゃないですか。いろんなところがゴルフウェアを展開していますが、ゴルフは格式高いスポーツだから、崩しきれないところもある。でも、筋トレの服装にあまり決まりはないので、ファッション業界からそういうブランドやアパレルラインが出てくれば、イメージも少しずつ変わってくるのかなと思います。

ー 今日はトレーニングウェアをお持ちいただきましたが、みなさんは普段、どんなスタイルで身体を動かしていますか?

鈴木:ぼくはこういう感じです。オーバーサイズのTシャツに、ブルー系のゆったりしたショーツ。筋トレのあと、そのままジムのランニングマシンで走ることが多いので、足元はランシューですね。ソックスは色物を合わせて、楽しくコーディネートするようにしています。

秦:ゴールドジムに居たらだいぶオシャレですよね。

鈴木:これ、ボクシングブランドの〈エバーラスト〉なんですよ。〈ベドウィン & ザ ハートブレイカーズ〉とのコラボです。肩も落ちてて、いまっぽく着られます。

ー かなり普段着よりなデザインですね。こういう格好の人が増えたら、筋トレのイメージも変わりそうです。

高畑:Tシャツはコットン100%ですか?

鈴木:そうです。外で走るときは機能も重視しますが、ジムは空調も効いていているので、吸水性とかはあまり気にしないで選んでますね。多少汗をかいても、帰りにシャワーを浴びて着替えればいいですし。

秦:ぼくは逆に汗っかきなので、スポーツウェアで鍛えてます。可動性と快適性重視で選んだら、結局〈ナイキ〉のコレになりましたね。

高畑:かさばらなくていいね。仕事帰り、バッグに詰め込んでも荷物にならないのは大事。

鈴木:ボトムスはランニングショーツ?

秦:ランニング用です。裾にスリットが入っていて、スクワットをする時に膝が曲げやすいんです。トップスは半袖を着てたんですけど、ノースリーブのほうがテンション上がるなって。

鈴木:パンプアップした筋肉が見えると楽しいよね(笑)。

高畑:ぼくはTシャツもショーツも〈ワンハンドレッド・アスレチック〉。格闘家の宇野薫さんのブランドで、着るだけでストイックな気分になれるんです。

秦:ゴールドジムともコラボしてましたよね。オールブラックだと気が引き締まりそうです。〈ニューエラ〉って、こういうメッシュキャップも出してるんですね。

高畑:このキャップ、めちゃくちゃ使い勝手いいですよ。蒸れないし、とにかく軽い。で、シューズは〈ニューバランス〉。このモデルはランニングだけじゃなく、ファッションとしても取り入れられるデザインが気に入っています。

鈴木さんのトレーニングスタイル

秦さんのトレーニングスタイル

高畑さんのトレーニングスタイル

編集長に筋トレを始めさせよう!

ー 実は、この記事の裏テーマが、フイナムの小牟田編集長に筋トレさせることなんです。彼をその気にさせられれば、読者も同じことを思ってくれるだろうってことで。

高畑:まずは週に1回でもいいので、日常生活に取り入れてみるのが良いと思います。少しずつ体の変化に気づけるようになると、気持ちも前向きになってくるのでは。身体を動かすことで、ご飯も美味しく感じられるようになりますよね。

鈴木:やる気を維持するには、テストステロンさんのTwitterをフォローすることが必須な気がします。『筋トレが最強のソリューションである』っていう本も出していて、フォロワーは180万人。

秦:スゴ!!

ー どんなツイートをしているんですか?

鈴木:「筋トレとプロテインがこの世の99%の問題を解決する」とか「筋トレで増すのは希望と筋肉、減るのはネガティブ思考と贅肉」みたいな(笑)。たまに極端だけどスゴくタメになることを言うし、とにかく面白い。それに、不思議と納得できてモチベーションに繋がるんですよね。ユーモアを交えて筋トレの魅力を発信しているので、やってみたくなるかも。

秦:あとはランニングクラブみたいな感じでチームを組むとか?

鈴木:それでいうと、ぼく、「木曜マッチョ会」っていうチームを結成したんです。毎週木曜日にみんなでゴールドジムに集まって、一緒にトレーニングするっていう。ベンチプレスのマックスを競うのも燃えます。

秦:誰かと一緒なら始めやすいし、モチベーションも上がりますよね。

高畑:これもありません? 筋肉痛が気持ちいいから続けられるみたいな。あの痛気持ちいい感覚、充実した気分になれて個人的にたまらないんですよね。

鈴木:マッチョ会の後、朝起きて「筋肉痛来てます」って、報告し合ってます。

秦:「今日やばいっす」とか共有するのは楽しそうですね(笑)。

鈴木:あと、写真もいいですよ。マッチョ会では年に一回、格闘家の那須川天心さんをデビュー前から撮り続けている長尾迪さんにお願いして、バキバキに仕上げた体を撮ってもらうんです。それで一年前とのビフォーアフターを楽しんだり。ちなみに、嫁に見せたら、「マジきもいんだけど」って言われました(笑)。

高畑:(笑)。でも、写真は目に見えて変化が実感できるからいいかも。個人的には、アンチエイジングも響きそうな気がします。

秦:確かに!筋トレをしている人はみんな若々しいですもんね。上の世代のカッコいい大人たちが、ファッションだけじゃなくて、体を動かすのも好きなんだということを伝えられれば、若い世代にも落ちて良い影響になると思います。

高畑:結局、どうしたら良いんでしょうね。これだ!みたいなのないですかね?

鈴木:ぼく、答え出ました!かわいい子しかいないジムをつくるってのはどうですか?かわいい女子のトレーニング人口が増えたら、必然的に男子も鍛えるでしょう。

秦:それですね(笑)。絶対そうですわ。フイナムさんのオフィス、そのジムにしちゃダメですか?(笑)

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