普段着から格好よくできたら、日本代表の見え方も変わってくるかなと思う。(山中)
藤井:ユニフォーム以外のウェアは、例えばさっきのベンチコートにしても、それが格好良ければそのまま帰れるワケだよな、と思うんです。“ハーフテン”っていう名前にもそういう想いを込めてるんですけど。全部のシーンで一緒の格好でいられたら、って。
山中:そうなるといいですよね。
藤井:そう、そこが変われば楽だろうなぁって。試合後にいちいちオシャレするのは面倒ですもんね。
山中:はい。今回のフランス戦は試合会場に全員スーツで来てたんですよ。後で写真を見て、それは格好いいなと思いましたけど、もうちょっと普段着から格好よくできたら、日本代表の見え方も変わってくるかなと思うんですけど。
ー 今日藤井さんにお持ちいただいたウェアは山中選手用のサイズなんですか?
藤井:はい。4っていうサイズで、2XLに当たるのかな。
山中:柔らかくてイイですね、この生地。


藤井:ストレッチが効いてて、肌に触れる面はさらさらしてます。特徴としてはロンTなんだけど、カフスとかはシャツみたいにしているので、ちょっとだけシャキッと見えます。
山中:上下で着ても格好良さそうです。これが〈ハーフテン カンタベリー〉のロゴなんですね。
藤井:そうです。〈カンタベリー〉のラガーシャツって、スリーバータックって言って補強の3本ステッチが必ず入ってるんですよ。それと、ラグビーのコートを上から見たイメージを重ねていて。プリントはユニフォームでも使ってる特殊なもので、特徴としては「Canterbury」ってどこにも入ってないことですね(笑)。
山中:着てみていいですか?
藤井:ぜひ。


山中:おぉ! いい感じですね。動きやすいですし。
ー サイズもちょうど良さそうですね。
山中:パンツも座ったときにパツることが多いんですけど、これやったらストレッチ利いてるから全然平気です。結構ノビますね。
藤井:ヒザにもダーツが入ってるのでより動きやすくなってます。今日履かれてる〈ニューバランス〉のスニーカーとも相性良いと思いますよ。
ー こういうハイプな足元ともよく合いますね。その辺りはストリートブランドとも親和してる藤井さんらしい気がします。
藤井:自分もそういうものにずっと触れてきましたしね。そう言えば、この間のフランス戦は〈アンダーカバー〉のジョニオ(高橋盾)さんと一緒に観に行ったんですけど、あの人がラグビーが好きだっていうのを、そのとき初めて知りました。
山中:へぇ~! そう言えば、ワールドカップの後に〈モンクレール〉のイベントに行ったら藤原ヒロシさんがいらっしゃって、一緒に写真を撮っていただいたんですけど、お話ししたら昔ラグビーやられてたみたいですよ。びっくりしました。

藤井:え! 10代とかでですかね? でも、そう考えるとファッション業界にラグビーファンって実は多いんですよね。
山中:そうだったら嬉しいですね。
ー お互いに関心のある異業種のお話だけに、新鮮な情報がたくさん出てきますね。
藤井:ファッション業界の人よりも、ファッションが好きだけど違うことに没頭してる人たちに着て欲しいって感覚はずっとあるので。
山中:そうなんですね。

藤井:昔は“自分が着たいものを!”みたいな気持ちが強かったし、「背景のカルチャーありきだ」って言う人もいるけど、僕はそれを着る人がカルチャーをつくっていってくれる方がいいと今は思ってます。
山中:そんな方に声をかけてもらえて本当に嬉しいです。こういう話が聞ける機会もなかなか無いですし、やっぱり服づくりって奥が深いんだなって感じました。

ー 今後、藤井さんとラグビーとのリンクもより強まっていくんじゃないでしょうか?
藤井:そうですね。来年はワールドカップだから、それに向けて〈ハーフテン カンタベリー〉ではどう仕掛けていくか、ずっと練っています。僕もフランスに行きたいなって(笑)。
山中:(笑)。秋にもまた代表戦がありますし、競争は激しいですけど、来年のワールドカップに出たいっていう気持ちはもちろん強いんで、しっかりやっていかなきゃなと思ってます。若手の選手もどんどん成長していてるし、良いチームになってきてるので期待してて欲しいです。
藤井:楽しみです! 新作できたら、ぜひ着てください。
山中:ありがとうございます!

