美味しいがもたらす世界平和。
鳥羽:海外に行こうとする人は同じ考えだなっていま思いました。料理では日本の食は世界レベルにあると言われる中で、自分が日本の食をやるとなれば基準は日本国内ということじゃなくて、やっぱり世界になる。 日本ではなく、世界の“美味しい”をつくれる可能性があると思っているし、自分たちの力をもっと信じていきたい。じゃないとつまんないなと思う。いまこの時点でうちの会社では5年後の話をしているんですよ。
笠松:全然あり得ますよね、世界を獲るっていう話は。
鳥羽:まじで全然ある。多分うちの会社は世界初の“美味しい”を言語化して、定義づける会社になるというのが見えてる。“美味しい”を定義した人は魯山人とか著名人も含めて誰もいない。味だけじゃなくて、外的要因も含めてトータルの中で“美味しい”をうちはつくっているからこそ、それができるんじゃないかなって。これってグーグルのインフラみたいな話なんですよ。

鳥羽:だって、美味しくないと人は生きていけないから。死ぬ間際にあの服を着たいというのは聞かないけど、何を食いたいかってみんな話す。それくらいおれたちがやってることは、求められて必要なもの。その感覚だからこそ、おれたちは世界に行くし、美味しかったら戦争もなくなる可能性がある。料理で世の中を平和にできるんですよ! まあ、逆に美味しくなくて戦争になる可能性もあるけど(笑)。だから、美味しいって本当にポテンシャルがある。
笠松:でも、突き詰めたら同じだと思いません? この一皿の料理をずっと考えて、一生懸命つくる人は結局世界に行くし、一つの台本に対してどうやって演じようか一生懸命がんばる人も世界に行くだろうし。
鳥羽:そうそう。本当にしょうちは、会った時から変わらなくて、芸能人って感じがまったくしない。しょうちが出る映画の撮影とかあったら、弁当とか炊き出しとか差し入れに行きたい。おれが考えた、最強ののり弁とかマジうまいから。
笠松:何ですか、最強ののり弁って(笑)。日本でいま撮影している作品があるんで、ぜひ来てほしいです。
鳥羽:予算は二の次でとにかくやりたいな。撮影現場だからスタッフも多いし、美味しいの分母もでかいよね。誰かが鳥羽さんに美味しいものをつくってもらいたいという状況になった時に、スケジュールやお金の問題は一旦抜きにして、2つ返事でYESといえる人でずっとありたいなと。料理の存在意義ってそれしかないから。

笠松さんのオーダー
「パリパリチキンステーキと、ブロッコリーとツナのサラダ」


材料(1人分)
パリパリチキンステーキ
・鳥もも肉 1枚
・塩 適量(鶏肉の重量の1%)
・にんにく 1かけ
・オリーブオイル 適量
海老とブロッコリーのサラダ
・ブロッコリー 1/2株
・むき海老 6尾
・ツナ缶 1缶
・卵 1個
・マヨネーズ
・ドレッシング
フライドエッグ
・卵 1個
・ニンニク 2片
・オリーブオイル(ピュア) 適量
・(ふつうの)塩 適量

①まずは下ごしらえ。鶏肉の余計な脂とスジを取り除き、皮目を上にして身の方にラップをして冷蔵庫で1〜2時間乾燥させる。ブロッコリーはよく洗い、小房に分けておく。

②鶏肉に塩を振って多めの油をひいたフライパンで焼き始める。ときどき向きを変えながら皮目がパリっとなるように焼いていく。ブロッコリーは塩を加えた熱湯で茹でて氷水へ。海老も軽く茹でたのち、氷水に入れておく。

③鶏肉を焼いているフライパンに、潰したにんにくを加える。オリーブオイルを少し足し、身の厚い部分にはアロゼ(※スプーンでオイルをかける調理法)を行う。9割くらい火が通ったら、最後に裏返して身の側を少しだけ焼く。焼き終えたら、お好みで食べやすい大きさにカットする。

④ツナのオイルを切ってボウルに入れ、ブロッコリーと海老の水気をしっかり切り、同じボウルへ。塩をしたのち、ドレッシングを加えて和えておく。トッピングに多めの油とニンニクでつくったフライドエッグがおすすめ。フライパンにオリーブオイルをひき、卵を入れ、アロゼを行う。ある程度火が通ったら、最後に裏返して身の側を少しだけ焼いたら盛り付け、(ふつうの)塩をかけて完成。