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大橋高歩と小島奉文が語る、グリップスワニーについて。
What about GRIP SWANY?

大橋高歩と小島奉文が語る、グリップスワニーについて。

ときは1848年。アメリカがゴールドラッシュに沸いた時代に、鉱夫たちから絶大な信頼を得たのが〈グリップスワニー(GRIP SWANY)〉のアウトドアグローブでした。そこから150年以上のときがたち、いまやこの老舗ブランドはアウトドアという垣根を越え、ファッションシーンからも支持を集めています。そんな〈グリップスワニー〉の真髄を探るため、ブランドの代名詞である「ギアショーツ」を起点に、2人のキーパーソンに話を聞きました。

ストリートとアウトドアのミックスから生まれた、ギアバギーショーツ。

PROFILE

大橋高歩
The Apartmentオーナー

1979年生まれ、東京都出身。2009年、吉祥寺にてセレクトショップ「The Apartment」をオープン。自身が傾倒した東海岸のストリートスタイルを、お店を通じて提案している。20歳からキャンプをはじめ、多いときは月2回、家族と自然の中で過ごすアウトドアな一面も。
Instagram:@ theapartment_tokyo

ーまずは〈グリップスワニー〉との出合いから、教えていただけますか?

大橋:元々、うちに買い物にいらっしゃっていたスタイリストの方がいて、彼にブランドを紹介してもらったのがきっかけでした。それが7年前くらいだったと思うんですけど、当時は〈グリップスワニー〉のことを全然知らなくて。

ーグローブメーカーのイメージが強かったりしましたか?

大橋:それすらもなかったんです。なので、お話をいただいたあとに、自分で調べて、元々グローブメーカーなんだっていうのを知ったぐらいで。もちろんショーツの存在も知らなかったんです。

ーいまもお話にありましたが、「ジ・アパートメント」のストアブランド〈スタブリッジ(STABRIDGE)〉と〈グリップスワニー〉のコラボショーツは、毎年、大きな反響を呼んでいますよね。

大橋:〈スタブリッジ〉がコラボする前の〈グリップスワニー〉のショーツって、いわゆるフェス系というか、めちゃくちゃ丈が短かったんです。もちろんアウトドアにはいいですけど、ぼくらが提案しているストリートファッションとなると難しい部分があって。だったらシルエット自体を変えて別注をつくりましょうと。それが、お客さんたちに反応してもらえたっていう感じですね。

ー大橋さんのもとには多くのコラボ依頼があるだろうし、すべてを受けるわけではないと思います。なぜ、〈グリップスワニー〉とは手を組もうと思ったんですか?

大橋:ぼくらが何も工夫しなくても売れるような、いわゆる王様みたいなところとのコラボだけだと面白みがないような気がしてしまうというか。逆に、うちのお客さんがあまり知らないものだったりすると、どう捻りを加えればブランドの良さを伝えられるかという部分に興味が湧くんです。その点、〈グリップスワニー〉の場合は自分も知らなかったくらいなので(笑)。で、最初にショーツを見たときに、シルエットとディテールをちょっと変えるだけで、うちのお客さんに刺さるかもと。

ーそして見事に、〈グリップスワニー〉の別注ショーツはリリースするたびに完売しています。

大橋: そうですね、ありがたいことに。

ー最初から、このくらいの反響があることは予見できていたんでしょうか?

大橋: 全然です。うちのお客さんって、新しいものに飛びつかないひとたちが多くて。なので、最初は正直、不安もありました。でも、お客さんもまったく知らず、ブランドに対してのイメージがまっさらな状態だったから、それが逆に抵抗なく受け入れられたのかなと。もちろん、〈グリップスワニー〉のショーツ自体のクオリティがいいっていうことが前提にあるんですけど。

ーこれまで何回ぐらいコラボレーションされているんでしょうか?

大橋: 2018年からなので、結構やってますね。そして、第1弾がこれ。「ギアショーツ」をベースに、バギーなシルエットにして、色は〈グリップスワニー〉のグローブでお馴染みのスワニーイエローを採用しました。裾にはドローコードを入れたり、サイドのポケットは水抜けするようにメッシュにしたり、ディテールもいじらせてもらって。

ーいまはインラインでも「ギアバギーショーツ」という型がありますが、その発端がここにあったと。

ギアバギーショーツ 2.0 各¥10,780
サプレックスナイロンを採用したこのショーツは、文字通り、わたりが太いバギーなシルエットが特徴。裾にドローコードを備え、シルエットのアレンジも可能。両サイドのギアポケットにはメッシュを採用しているので、水辺でも活躍してくれる。

大橋: そうなりますね。いま、〈グリップスワニー〉から発売されている「ギアバギーショーツ」は、シルエットもディテールも、ほとんど一緒だと思います。

ー大橋さんも、実際に愛用中と聞きました。

大橋: そうですね。これまでキャンプでショーツを穿くときに、特に決まったものはなかったんですけど、いまは、夏に遊びに行くときは、だいたい〈グリップスワニー〉のショーツです。

ーずばり、〈グリップスワニー〉のショーツの何が好きですか?

大橋: やっぱりサプレックスナイロン。濡れてもすぐ乾くので、水着を持っていかなくても、このまま川に入っちゃえるので。それと、劣化が少ないのもこの素材の特徴。ヴィンテージとかでも、サプレックスナイロンのものは、ほんとに劣化していないものが多いです。化繊だけど、コットンみたいに見えるのも好きなポイントではありますね。

ーそして、これも大橋さんの案だったと思うんですけど、裾のドローコードはどういう目的でつけたんでしょう?

大橋: まず、このショーツってすごいバギーなシルエットなんです。ワタリが広い。そうなると、インナーをつけないと座ったときに隙間から、大事な部分がはみ出るんです(笑)。でも、ぼくはインナーの付いているものが嫌いなので、裾を絞れば、はみ出ないようにして。キャンプでローチェアに座るときなんかも、このコードがあれば、見えてしまう心配もなくなるので。

あと、ショーツの丈って、カルチャー的な側面もあると思っていて。例えばフェスだったりアメリカ西海岸のクライマーたちは、ギュンギュンに短いのを穿く。あれはあれでかっこいいんですけど、自分たちはどっちかっていうと東海岸のヒップホップだったりストリートカルチャーに根っこがあって、そこのカルチャーにいるひとたちって膝を出すのが基本NGなんですよ。なので、ショーツを穿くとしても、絶対に膝が隠れるものを選ぶんです。

ーなるほど。

大橋: でも、膝が隠れるショーツで山遊びとかすると、例えば岩に足を乗っけようとしたときに引っかかって股が裂けたりする。なので、膝にギリギリかからない長さに設定したのもこだわりのひとつでした。

ー東海岸のストリートとアウトドアのミックスのようなイメージだったんですね。

大橋: 東海岸のストリートカルチャーにいるひとたちは、基本的に山に行ったりしないじゃないですか。街で穿くっていう部分に特化してると思うんですけど、〈グリップスワニー〉を選ぶのはアウトドアを楽しむひとが多い。なので、その両方を行き来できるっていうのがテーマにはありましたね。ただ、やっぱり〈グリップスワニー〉のショーツは、元々のものがいい。素材もいいし、ポケットも多いし、本当にちょっと直すだけで、ぼくらのカルチャーのなかでも穿けるようになるんです。

ー今年も、別注は発売される予定でしょうか?

大橋: ついこの前、コーデュロイのジェットブラックのモデルをリリースさせていただいたんです。実は去年にリリースする予定だったんですけど、工場が遅れて2023年に繰り越しになりまして。さらにもうひとつ、今年はショーツをリリース予定です。ぜひ、楽しみにお待ちいただければと思います。

ーいま、〈グリップスワニー〉はキャンプシーンだけでなく、ファッションのイメージも強くなってきています。その一翼を、〈スタブリッジ〉のコラボレーションが担っているように感じます。

大橋: もしそうだとしたら、とてもうれしいですね。コラボレーションをした意義があるというか。単発でやって終わりではなく、続けていくなかで自分たちも成長して、〈グリップスワニー〉もいい方向に進んでいってくれたらいいなと思っています。それと、お互いの相性の良さも感じているので、今後も末長く、取り組みを続けていきたいですね。

INFORMATION

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