エーグルはちゃんと土の匂いがするから信頼できる。
―小林さんと中垣さんは「阪急うめだ」の催事の際に共通の友人を通して知り合ったと聞きました。その後、小林さんが「エーグル 原宿店」で開催されたポップアップイベントでウィンドウと内装とノベルティを担当することになったんですよね。
小林:「阪急うめだ」で催事をしている時に中垣さんがワークショップに来てくださって、その後、桜新町で私が農業に楽しそうに携わっているのを見て、「近い理念を持つ仲間として、一緒に何かできないか」と提案してくださったんです。普通ポップアップのディスプレイは造花を使うことも多いんですが、〈エーグル〉ではいままでも本物にこだわっていたところもあり、私も本物の草花や野菜を装飾に使わせてもらいました。おそらく芋虫が出るウィンドウははじめてだったはず(笑)。でも、〈エーグル〉のスタッフの方々は「今日、芋虫が出たんですよー、飾ってくれた野菜も育っています!」って嬉しそうに報告してくれる。農業は楽しいだけじゃなくて、もちろん虫も出る。そこを理解して、ブランドとして土にしっかり触れながらやっているところが私は好きです。

―その信頼関係があるからこその協業なんですね。
小林:そうですね。都市の中で農を感じられる場所はまだまだ少ないので、ウィンドウと内装やノベルティ以外にも「アグリコ」の活動を通して〈エーグル〉の世界観や魅力をファンの方々にも感じていただけたら嬉しいです。昨年から協業企業の方々と開催している収穫体験などのイベントはいつも好評なので、今後〈エーグル〉さんともイベントなどご一緒できたら…とお話しています。
―今日のシューティングを拝見していて、普段から農業に携わっているからこその説得力があるなと感じました。どのスタイルもファッションとして浮いておらず、小林さんにすんなり馴染んでいるんですよね。
小林:〈エーグル〉さんの服は高い機能性で快適さが担保されたまま、自分らしくお洒落に見えます。特に、今日着ている服はどれも街に出かける時にも農作業にも着て行けそう。

体をすっぽり包み込む新作ダウンコートは、小林さんも「どんなに寒い撮影でもこれ一着あれば大丈夫!」と太鼓判を押す。中に合わせたハーフジップのセーターのおかげで首元までポカポカ。〈エーグル〉コート ¥82,500、ニット ¥29,700、バッグ ¥11,000、ロングブーツ ¥31,900(すべてエーグル カスタマーサービス)、古着のパンツ ¥17,600(ピッツ)、その他 スタイリスト私物
―「アグリコ」として今後の目標を教えてください。
小林:まずは農園や障がい者の方の雇用を増やすこと。また、今年中に農福連携商品やこだわりの生産物を集めた自社のECモールをはじめたいなと考えています。
―農のセレクトショップというイメージでしょうか?
小林:そうですね。いまも生産者さんからの販路に関する相談が多く、特に農福連携において障がい者さんがつくるものがなかなかマーケットに乗らないという問題がある。そういう意味でもマーケットを整えることや6次産業化していくことが重要だなと。


―事業をやっていて、もっとも喜びを感じるのはどんな時ですか?
小林:新潟の農業をやっている時は、お米を食べて「ああ、美味しい!」。これが一番の幸せです。いまは現場終わりで農園事務をしていてめっちゃ疲れている時に、スタッフが「ドラマ見ました。農園のことは任せてください」とさり気なくサポートしてくれた瞬間に「ひとりじゃないな」と思えて嬉しくなります。また、障がい者の方が笑顔で作業報告や農産物を見せてくれると、ああ、自分はこういう顔が見たくてやってるんだなと。会社っていうのはすごく素敵なもので、今日だってうちのスタッフたちが農園を整えてくれているからこそ、こんなにキレイな状態で撮影ができるんです。
―今日のお話を伺っていて、小林さんはいろんな新しい「循環」の媒介役を担う方なんだなと強く感じました。「アグリコ」の中で、農業以外に新しく挑戦してみたい分野などありますか?
小林:最近入った障がい者の方が農園を見た時のファーストインプレッションで絵を描いてくれたんですが、それがとっても素敵で。本気度があまりにすごいので、何かパッケージや商品のデザインとして使えるようにしたいなと。シロップをつくった時もみんなに描いてもらった絵をパッケージに採用したんですが、今後は農業を軸にしながらデザインも自分たちの循環の中で完結させることができたらと思っています。
