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写真家・佐藤健寿と知る、ナナミカのダウンの真価。
Best quality of Down feather

写真家・佐藤健寿と知る、ナナミカのダウンの真価。

毎年、発売されるやいなや品薄となる〈ナナミカ(nanamica)〉のゴアテックス ダウンジャケット。高機能素材を採用したスタンダードなデザインは、ブランドの世界観を凝縮した珠玉の仕上がりです。素材や縫製やパターンなど、細部にいたるまで並み外れたこだわりが反映されていますが、今回フォーカスするのはその中身、光電子®ダウン。独自の視点で世界中を旅する、写真家の佐藤健寿さんと一緒に世界で唯一、光電子®とダウンを組み合わせる技術を持つ、河田フェザーの工場を訪ね、〈ナナミカ〉のダウンジャケットの魅力を紐解いていきます。

  • Photo_Naoto Date
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Shun Koda

技術と自然の恩恵で生み出す、世界一の品質。

しっかりとアカやホコリを落としたダウンを、巨大なドラム式洗濯機へ。この“洗浄・回復加工”こそ「河田フェザー」の真骨頂であり、世界一の品質のダウンと呼べる由縁です!

羽毛にアカやホコリなどの汚れが残っていると、へたりやすく、ニオイが発生しやすくなりますが、清潔な羽毛は、長年着用してもロフトをキープします。同じ羽毛を使っていても、清潔さによって品質に大きな差が出てしまうらしい。

「河田フェザー」が“洗浄・回復”で使うのは、特殊なカスタムを施した羽毛専用の洗濯機。お米を研ぐように、羽毛同士を擦り合わせて洗う唯一無二の技術と、還元力が非常に強い超軟水で、羽毛を傷めず汚れを落とします。羽毛のキレイさを表す清浄度は業界基準の倍ほどの仕上がり。ヤシの実のオイルを原料にした天然由来の専用洗剤を使い、約45℃のお湯で2回洗浄し、4回すすぎます。

そして、他社の追随を許さない理由がもうひとつ。それは、この土地にあり。

ダウン業界は、2000年代にはグローバルな競争になると、1980年代に予見していた現社長の河田敏勝さん。他社との差別化を図るため、品質の向上=よりよい羽毛精製技術の確立を目指しました。羽毛の構造や特徴を理解し、精製機械も設計していた河田さんが着目したのは、羽毛の精製に適した環境。高温多湿では羽毛の繊維、小羽枝(しょううし)が開かず、隙間の汚れが完全に落ちないので、湿度は低いほうがいい。洗浄に欠かせない水は、羽毛の隅々にまで浸透し、抗酸化力で傷んだ羽毛を修復する還元力の強い超軟水がいい。

その2点から導き出し、河田さんが先代の社長へ提案した土地が、ここ三重県多気郡明和町。三方向が山で囲まれた岩盤の谷間は地下水が潤沢で、山々へ雨を降らせた後の乾いた風が吹き下ろす、羽毛精製の理想的な場所です。1991年に明和工場を新設した結果、同じ作業をしていた名古屋工場と比べて、環境による品質の向上は一目瞭然の段違い。ほとんど汚れが残らない羽毛の精製に成功したそうです。超軟水の効果に、佐藤さんも頷きます。

襟元にはフリース仕立ての風防も備えているため、冷気をシャットアウトしてくれる。

「水がきれいな土地で、高品質な製品が生み出されるのは納得です。先日、愛用しているカメラ〈ライカ(Leica)〉のイベントで、本社ファクトリーがあるドイツのウェッツラーへ行ってきたんですよ。カメラのレンズの製造にもきれいな水が必要で、ウェッツラーもそうでした。あと、プリントをよく依頼している長野の印刷会社も、水がきれいだからその土地で創業されたと言っていて。さまざまな製品において、きれいな水がキーワードになっているんですね」

“洗浄・回復加工”が終わったダウンは、特注の乾燥機で一気に“乾燥”。この乾燥機は、高温の150℃に温められていて、短時間で乾燥させると熱による羽毛の負荷を軽減できるうえ、滅菌・消臭効果ももたらします。その後、蒸気を当てて羽毛を広げ、再び乾燥を。こうして、ふんわりとした羽毛が出来上がり、常温にまで“冷却”したら再び“除塵”。ここでは羽毛に付着していたアカやホコリ、そして羽毛由来のタンパク質の粉を落とします。余談ですが、ここで除去されたタンパク質の粉は、化粧品や撥水剤として再利用されているそうです。

工場の各所に貼られている「河田フェザー」のスローガン“ダウンは無味無臭”。完璧に洗浄されていると、味も臭いもしないダウンに仕上がるという、河田社長の思いが込められています。徹底的な洗浄・回復加工で高品質なダウンを精製している「河田フェザー」らしい言葉です。

INFORMATION

nanamica DAIKANYAMA

住所:東京都渋谷区猿楽町26−13
時間:11:00〜20:00
電話:03-5728-6550
Instagram:@nanamica_daikanyama

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