取り組んでいることが一定のレベルまで達するかは、時間が物を言う。
ー中川さんはメガネのデザインをされて何年くらいになるんですか?
中川: メガネの仕事に携わって25年ぐらい経つのですが、デザインの仕事はそのうちの18年になりますね。

ー18年もやられていて、まだまだアイデアは尽きないというか、もっとデザインできるという感触はあるんですか?
中川: まだいけますね。メガネはずっとつくっていたいんです。だけど、何歳までいけるかなぁという感じですね。メガネ業界に限らず、長いこと現役で頑張っていらっしゃる方っていっぱいいるじゃないですか。アートでいえばゲハルト・リヒターさんとか、あとはジブリの宮崎駿さんもそうですよね。こんなことを言ったら誤解されるかもしれないですが、ぼくは趣味みたいな感覚でメガネをつくりたいんです。だから何歳までいけるかな? っていつも考えてしまうんです。

中室: 何歳までいけそうですか?
中川: 願わくば死ぬまでやりたいですけど、すくなくとも80歳くらいまではつくっていたいですね。あと30年。体がついていけるかわからないですけど(笑)。取り組んでいることがある一定のレベルまで達するかどうかは、時間が物を言うと思うんです。もちろん、方向性が間違っていないというのが前提ではあるんですけど。だから趣味のように楽しんでやらないと、そこまで時間を費やせないですよね。そういう意味でぼくは趣味と仕事がマッチしていて、一定数のお客さまがメガネを買ってくださっているので、方向性も大きくズレてはいないと思うんです。あとはやるだけ深さが増していくのかなと。
中室: 仕事だと思うとどうしても時間を浪費している感覚になりますよね。でも楽しんでやれば、その時間がすごく充実したものになるじゃないですか。その違いって、成果に大きく表れますよね。中川さんがデザインに対してそう思えるのって、才能だと思うんです。

中川: どうなんでしょうね。ぼくは割と流れに身を任せるタイプというか、たまたまやっていることが楽しいと思えただけなんです。ご飯屋さんに行っても、ぼくはいつも同じ料理をオーダーするタイプなんです。欲を出せばもっと美味しい料理に巡り合えるのかもしれないけど、そうするとキリがなくなるじゃないですか。それと同じで、この仕事に対しても「合っているのかもな」っていう感覚なんです。そうゆう風に考える性格なんですよ(笑)。
ーこの先の目標などはありますか?
中川: いまは〈10 アイヴァン〉と〈アイヴァン 7285〉、それに〈E5〉という3つのブランドを任されているので、それぞれをより深く掘り下げていきたいと思っています。あとは何歳までそれができるかですね(笑)。
中室: とりあえず80歳目標でお願いします。
中川: できるかなぁ、がんばります(笑)。
東京と大阪の直営店でシートメタルをひと足お先にどうぞ。
今回紹介した〈10 アイヴァン〉の新シリーズ「シートメタル•シリーズ」の先行販売が、4月27日(土)より直営店の「EYEVAN 7285 TOKYO」と「EYEVAN 7285 OSAKA」の2店舗で行われます。5月末に予定している一般発売より一足早く手に取れるいい機会です。ぜひその目で、素材の良さとパーツの妙を確かめてください。店舗の詳細は下記INFORMATIONをチェック。