3人は何を選ぶ?
近藤: 遠藤さん、自分の家は木のものが多いんですが、床や家具の木の色は何を基準にして合わせていくといいんですか?
遠藤: 木の色を全部統一すると、当然スッキリとします。でも、ちょっとした“こなれ感”を出すのであれば、異なる色の木をミックスするといいですね。全部同じ色にしちゃうと決め込みすぎてしまうし、他の色を合わせづらくなって買いにくくなってしまうので。
浅野: なるほど! 3個、4個とか複数でミックスしてくと、さらに幅が出てきそうですね。


オークの無垢材を使用した「グリット プランター」も、意外にもオイル仕上げ。キャスターで移動しやすく、使いやすい。
ーすごく勉強になります。そのあたりは遠藤さんのご著書にも書いてあるわけですね(笑)。
遠藤: はい、ありがとうございます(笑)。ところでこのプランター、間仕切りができるのでパーテーションによさそうですね。もうちょっと背の高い植物を置いたりして、視線をさえぎるのにちょうどいいなと。下のアイアンにも、ものを置けますし。
浅野: なるほど、完全に空間を分けずに使うんですね。
遠藤: そうです。昔の喫茶店にあった、席を緩やかに仕分けたパーテーションのようなイメージです。


しっかりとした大きさの「オクト ミラー 800」はパイン古材を使用。あえて色ムラなどを残し、1点1点異なる雰囲気が味わえる。
浅野: 後ろにある姿見も気になります。愛媛ではみかん栽培をしていて農作業服ばかりなんですが、全身が映る姿見がなくて探していたんです。この大きなサイズはなかなか見ないなと。
近藤: 縁がない姿見もありますが、これは枠の木の幅もしっかりしていて、インテリアとしても存在感がありますね。
浅野: 枠のムラと味わいのある古材が愛媛の古民家にすごい合いそうだなと。横でも縦でも壁にかけることもできそうで、ダイニングに横にして空間を広く見せるのにも使えそうだと思いました。

試している「フリーダ スモールカウチ」は15万円を少しオーバー。パフっと柔らかな座り心地で、〈クラッシュゲート〉でも人気のアイテム。
ー近藤さんはやっぱりソファが気になるんですね。
近藤: この3人掛けのソファもいい感じです。フットレストなしなら15万円以下に収まりますね。ソファを考えたとき、デザイナーズもの、名作ものはいいなと思うんですが、ちょっと値段が高騰しすぎなんですよね。値が張る分、汚れたらテンションが落ちますし。ウチは子供がいるので汚れる覚悟はあるんですが、汚れてもいいソファのファブリックって何かあるんですかね?
遠藤: 拭ける素材がいいから、たとえばPVCとか、逆にレザーとかをガシガシ味付ける感覚で使ってもらうか、ですかね。
近藤: なるほど。とにかく古い服が好きなんで、このファブリックのあたりが出る感じが好きですね。あたりの感じを、レザーの経年変化のような捉え方ができるといいなと。最終的に汚れたら、ファブリックを交換して新調してもいいし。ちょっとミッドセンチュリーっぽくなる、この発色もすごく気に入りました。
ー座り心地はどうですか? ウレタンの上にフェザーが入っているそうです。
近藤: めちゃくちゃいいです。先ほどのコーデュロイ地のソファはウレタンだけと聞きましたが、こっちのソファの方が程よく沈む感じがして気持ちいいです。
ーみなさん、ソファは柔らかめか、硬めかどちらがお好きですか?
近藤: ソファ初心者なので、なんでも最高です(笑)。けど、これはちょっと柔らかい感じがします。
浅野: 私は柔らめかな。
遠藤: ぼくは硬めですかね。あとは、奥行きがあって、ゆったり座れるか、寝たときに頭を置けるように、アームが低いかも確認します。このソファは、けっこう奥行きがあっていいですね。クッションも柔らかいですが、柔らかすぎないと思います。

左に置いてあるのが「コール チェア」で、座っている「キキ チェア」。似ているようでよく見ると少し違う。
浅野: 東京の家に黒いチェアを探しているんですが、この2つのチェアいいですね。
ー少しだけデザインが異なりますが、座り比べてみてどうですか?
浅野: 直線的で小ぶりなのと、曲線の多い大きめの方と二種類あるんですが、前者の方がよりモダンでスッキリしている感じがしました。
遠藤: 座面が小さくても大丈夫ですか?
浅野: 座面は小さいんですが、座り心地はいいですね。東京の家では、あまり家具を置きたくないからキッチンのカウンターをダイニングテーブルとして食事しているんです。そこにこのサイズがちょうど合いそうなんです。
遠藤: 黒いチェアを探していたのは、何か理由があるんですか?
浅野: キッチンの白タイルの目地が赤で、水栓が黒なんですけど、そこだけ浮いちゃっている気がして。いま使っているのが木のチェアなんですが、黒にしたら水栓と合いそうだし、壁紙もオレンジやピンクなので空間として黒が締めてくれそうだなと。
近藤: ファッションのような合わせ方ですね。
浅野: あと東京の家は、うねうねしているのが好きでアーチや照明スタンドもカーブが多いんです。置いてある観葉植物も曲がっていたり(笑)。そこに、この直線が多い黒いチェアがあるといいなと。

レジ前に数段重ねてあった「メタルスタッカー M(本体)」は何個あってもいい。
近藤: 最後にこれもいいですか? 同じようなものが家にあるんですけど、このスタッキングシェルフもいいなと。
浅野: どういうものを入れているんですか?
近藤: なんでも入れられますが、ウチではアウトドアのものをガッサリと入れて、スチール棚の横にいくつもスタッキングして置いてあります。強いタフな素材が好きなので、この無骨な感じもいいですね。
ー別売りでキャスターもあるみたいです。
近藤: めちゃくちゃ便利! このシェルフを乗せるだけで楽に動かせるから、めっちゃ楽です。〈ヴァンズ〉とか、ローテクスニーカーを詰め込むのも絵になりますよね。
ーいいですね! 気になるものを見ながらぐるっと回りましたし、3点発表してもらいましょう。